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【WSOF GC02】バイオレットとの激闘制した小見川道大 「勝てて良かった。ただそういう気持ちだけ」

Michinori Omigawa【写真】父の激闘を見届けた長男の波大(はあと)君と。この名前にはハートの強い子になってもらいたいという父の気持ちが込められている(C)MMAPLANET

7日(日)東京都文京区TDCホールで開催されたWSOF-GC02。アンダーカードから日本人選手の敗北が続き、名もなき外国人選手の強さにファンも声を失うようになったなか、小見川道大がテディ・バイオレットと相対した。そして、非常に厳しい試合を強いられるも、何とかスプリット判定勝利を収めることができた。

殴られても前に出て、組みついて投げつける。そのまま抑え込んだ──根性ファイトの果ての判定勝ちにケージのなかで感涙にむせる小見川の姿が見られた。根性勝ち、折れない気持ちで勝利を掴んだ小見川の試合後の声をお届けしたい。

──激闘、魂のファイトでした。

「ああいう試合になってしまいますねぇ(苦笑)。そういう試合にならないで勝ちたいんですけど、試合になると上手くいかないです。ただ、あの選手……、強かったです」

──どのような作戦だったのでしょうか。

「もぐりこんで組んでテイクダウンしたいと思っていました。でも、アッパーとか下がりながらのパンチも上手かった。分かっていたんですけどね」

──それでもパンチも入れましたし、テイクダウンから抑え込めました。

「う~ん、勝ちは勝ちなんですけど……。お世話になっている方、応援してくれている方にもっと良い試合を見せることができたんじゃないのかって……」

──それが試合後の涙だったのですか。

「う~ん、いや悔し涙ではないです。勝ち名乗りを受けた時は自然と……安堵感、いや──勝てて良かった。ただ、そういう気持ちだけでした」

──それにしても来日外国人選手、みな強かったですね。バイオレットの同門、アーノルド・クエロの試合などみて小見川選手も苦戦するかもという空気が周囲にありました。

「そうだったんですか。僕は他の試合は見ていなかったので……」

──なるほど。昨年9月のグランドスラムでの中村ジュニア戦後は弱冠、現役から気持ちが引けている部分が感じられたのですが、今回はケージの中で『命果てるまで』発言がありました。

「いやぁ、もっと良いところを見せたかったので。もう最後は投げて抑えるしかなかったですから」

──あの懸命さはグッとくるものがありましたが……。

「色々ありましたからね(笑)。でも、そんなもんじゃないところを見てほしいんです。とにかくチョット休んで……。正直なところ、今は自分のことよりも道場のこと、道場の子供たちのことが頭にあるんです。子供たちのこれからのこと。強い道場にして、五輪の金メダリスト、UFCのチャンピオンを目指す選手になるよう指導していきたい。

子供を指導することが、自分の現役生活、自分の戦いよりも比重が重くなってきているんです。子供たちを指導しながら、自分の好きなことを続ける。そういう自分の生き方を生徒たちに見てもらおうと思います」

──あの諦めない姿勢は子供たちに伝わったるはずです。

「ただ、MMAになると子供たちは余り見に来ないんですよ。親御さんたちも、僕が殴られるところを子供たちに見せたくない、そちらの気持ちが強いようで(苦笑)。試合を見ていないので一応、勝ったということだけは報告できます」

──なら、スカッと快勝したことにしておきしましょう(笑)。

「そうですね、見てないから。でも見た人に『先生、泣いていたよ』なんて言われちゃうじゃないですか(笑)」

──ハハハハ。現役生活として、次は?

「まだ決まっていないです。韓国もそうだしヨーロッパも、世界中の選手が強くなっていますからね。でも、まだ小見川道大の試合を見てほしいと思っているので頑張ります。応援よろしくお願いします」

──2度のローキックで、小見川砲が破壊されていないことを願っています(笑)。

「ちゃんと、家に戻ってから確認しておきますって、おいっ!! (笑)」

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