【UFC96】”冷静”ランペイジ、”変則”ジャーディンに勝利
■第10試合ライトヘビー級/5分3R
ランペイジ・ジャクソン(米国)
Def.3R終了/判定
キース・ジャーディン(米国)
【写真】インファイトでジャーディンの寄せ付けなかったランペイジ。しっかりとアゴの前をガードしており、その進化のあとがうかがえる (C) ZUFFA
試合直前、視線をずらし笑顔を見せる不気味なジャーディンは、いきなり右ストレートを放つが、同時に、ランペイジは組みつきケージに押し込もうとする。ブレイク後、ジャーディンはいきなり右の蹴りを見せ、パンチからさらにローを繰り出す。
右へ回り距離をとりながら、ランペイジの動きに合わせパンチやローを見せるジャーディンに対して、ランペイジはそれを受け止めてパンチから組みついていく。脇を差し返し、シングルレッグからテイクダウンを狙ったジャーディン。ケージ際での組み合いにブーイングが起こるなか、再び距離を取ったランペイジの右がジャーディンを捉え、一瞬その動きが止まる。さらにローを掴み、パンチを続けたランペイジが、1R終了まで1分を切ったところで、手数を増やしていく。
口を半開きにして、疲れを見せたような構えから、変わらずローを蹴り込んだジャーディン。冷静に右を返すランペイジは、ここで逆に右ローを放っていく。ジャーディンは右ミドルを蹴り込み、すぐ距離をとるが、ランペイジは追いかけてパンチを見舞おうとする。距離を取ろうとしたジャーディンに対し、ケージ際に追い込んで左フックをヒットさせたランペイジがここでダウンを奪う。
ランペイジはパウンドを連打するが、ジャーディンは何とか立ち上がって、再び自分の距離を取ろうと試みる。ここでランペイジが、いきなりテイクダウンを決めるなど目先を変えた攻撃で、試合を支配する。スタンドに戻ると、ジャーディンのローがランペイジの急所を捉えて、試合が一時中断。再開後、ジャーディンはアッパー、ストレートから左アッパーを放っていくとランペイジの動きが止まる。そのまま一気呵成にジャーディンが攻めると、ランペイジもパンチを打ち返し、距離を取られても右フックで追いうちをかける。
「急ぐな」というセコンドの声を受けて、最終ラウンドを迎えたランペイジも、この時点で肩で息をするようになる。消耗戦となった最終ラウンド、右ストレートを打ち込んだジャーディンの攻撃をランペイジはバックステップでかわす。
ランペイジの右ローに、右ストレートを合わせたジャーディン。続いて右のロングフックを放ったところで、ランペイジがテイクダウンを奪うことに成功。ケージを利用し、ジャーディンが立ち上がると、ランペイジはここで自ら距離を取る。ポイントで優位に立っているランペイジは、最終回を徹底してカウンター狙い専念する。
前に出るジャーディンに、一瞬距離が空いたところでランペイジの左フックがヒット。必死の形相で組みついたジャーディンだったが、ランペイジは態勢を入れ替えて、ケージに押し込み時間を過ぎるのを待つ。ブレイク後、距離を詰めて仕留めにかかったランペイジは左右のフックでジャーディンの動きを止めると、ここで再び距離を取る。残り5秒、右ストレートから返しの左フックでジャーディンに尻もちをつかせたランペイジ。アグレッシブさはやや影をひそめたものの、スマートな試合展開で、タイトル挑戦を確定。試合後には、オクタゴン中央で王者ラシャド・エヴァンスと睨みあいを演じた。