【No-Gi Worlds 2015】軽・中量級の見どころ。ミヤオやテハ強豪ずらり、注目のトノンは??
【写真】ライト級出場のゲイリー・トノン。ヒール禁止のIBJJFノーギワールズだけに足関以外の部分での楽しみが多い(C)MMAPLANET
7、8日(土、日・現地時間)、カリフォルニア州ロングビーチ州立大学内のピラミッドにて、IBJJF主催の世界ノーギ柔術選手権が行われる。ADCCと並んでノーギ・グラップリングの最高峰の舞台といえるこの大会、今年も注目すべき強豪が多数エントリーしている。以下、アダルト男子黒帯各階級の見所を2度に分けて紹介したい。
【ルースター級】最軽量級の大本命はこれまでこの階級3連覇中のカイオ・テハ(ブラザ・CTA)。実は08年から11年までは一つ上のルースター級で4連覇をしており、つまり7年連続優勝という恐るべき実績を誇っている。もしテハが敗れるようなことがあれば、それだけで歴史的事件といえる。
そしてもう一つの大注目は、本間祐輔(カルペディエム)のエントリーだ。07年に世界柔術のこの階級で日本人としてはじめて黒帯の部の決勝に進出した本間、翌年も決勝進出するも惜しくもテハの軍門に下っている。11年の世界柔術(3位)以来大舞台には久々登場となる日本の最軽量級第一人者は、いなかる戦いを見せてくれるのか。
【ライトフェザー級】大本命は昨年優勝のジョアオ・ミヤオ(シセロ・コスタ)。相変わらず精力的に戦い続けるミヤオ兄弟の弟だが、今年はギありのアメリカン・ナショナル大会ではマイキー・ムスメシに不覚をとり、またノーギのEBI4ではMMAファイターのジョー・ソトに(独特の極めとエスケープ合戦という形を取る)延長戦で敗れ、5グラップリング大会のスーパーファイトではゲイリー・トノンにも僅差で敗れている。
昨年のフェザー級覇者サミール・シャントレ(サミール・シャントレ柔術)、バハトプラッタの元祖「バタタ」ことハファエル・フレイタス(グレイシー・バッハ)、ジョアオ・ペドロ(チェッキマット)ら強豪にもチャンスはあるだろう。
【フェザー級】今年度最激戦区となったのがこのフェザー級。特に興味深いのは世界王者タンキーニョことアウグスト・メンデスと、今年の世界柔術ライトフェザー級優勝者のパウロ・ミヤオの両者が参戦していることだ。
タンキーニョは今年のADCC世界大会にも出場し、66キロ級準決勝でコブリーニャことフーベンス・シャーレスとのレスリング戦に惜敗したものの、準々決勝で新足関王ことエディ・カミングスの怒涛のヒールフック連続攻撃をことごとく防御し、上からコントロールする場面も見せて勝利している。メンデス兄弟&ブルーノ・フラザの「モダン柔術」戦法をすべて防いで勝利したタンキーニョと、現在世界最高のベリンボロの使い手パウロの攻撃も遮断できるのか、注目だ。
この階級には米国若手の雄ジャンニ・グリッポ(アリアンシ)、ヴィトー・パスコール(ブラザ)、イサッキ・パイヴァ(サイコー)、ケイシーニョことオズワルド・モイジーニョ(グレイシーファイター)等の有力選手もエントリー。さらにはオールドファンには懐かしいウィルソン・ヘイス(トライスターMMA/ゴドイBJJ)、バレット・ヨシダ(ジ・アリーナ)の名前もあり、まさに群雄割拠状態だ。
【ライト級】今年の世界柔術を(盟友ルーカス・レプリと分け合う形で)制した強豪マイケル・ランギがエントリー。スパイダーガード等ギを掴んでのガードワークの印象の強いランギだが、ノーギでもヨーロピアン選手権を制するなど実績を挙げている。
このレジェンドとの対決が期待されるのがゲイリー・トノン(グレイシー・エリートチーム)だ。
強烈なヒールフックやギロチンなどの極め技をもって、柔術グラップリング界における最新潮流であるサブミッション・オンリーシーンを牽引する選手だ。ランギとの対決が実現すれば、注目の新旧対決となる。
【ミドル級】本命は12、3年の柔術世界王者オターヴィオ・ソウザ(グレイシー・バッハ)か。今年のADCCでは77キロ級に出場し、ルーカス・レプリとドゥリーニョの2人に敗れ4位に終わったソウザだが、その後のパンノーギ大会では見事に優勝し復調振りを見せている。
対抗は、12年に本大会ミドル級を制しているDJ・ジャクソン(ロイド・アーウィン)か。二人の対決が実現した場合、強力なレスリングベースを持つジャクソンにソウザが立ち技で対抗するか、それとも引き込んで仕掛けるかがまずは見所となるだろう。
さらに神童マルセロ・ガウッシア道場が生み出した驚異の新人の一人ジョナサン・サタヴァ(アリアンシ)、ホドリゴ・カポラル(アトス)らの強豪もエントリーしている。