【OFC09】OFC初陣、漆谷康宏(02)。「UFCでの経験が生きる」
【写真】UFC出場以来、技術&フィジカルともに確かな積み上げが見られる漆谷。試合で成長した部分を出し切りたい(※写真は昨年6月のモノ)(C)MMAPLANET
いよいよ開催が迫ってきたOFC09「Rise to Power」、フィリピン・マニラ大会。同イベントでOFCデビューを飾る漆谷康宏インタビュー後編。
フィリピン人ファイター、レイ・ドーヨーゲンとマニラで戦う漆谷は、初めてづくしの状況だからこそ、UFCでの経験が生きるという。
<漆谷康宏インタビュー、Part.01はコチラから>
――ひとつ、漆谷選手のスタイルが劇的にチェンジすることはないと思うのですが、散打ベースでMMAファイターとして変則的なドーヨーゲンがレスリングのベーシックを知り、急に変わる可能性はあります。
「そこですよね。そういう部分で怖さはあります。それとホームで、実力以上の強さが出るかもしれない。それでなくてもギロチンが極まっていないと、BJも分からなかったわけですから。ただ、BJのステップよりも僕のステップの方が以前とは変わっているんで、BJの試合が物差しになるかどうかは……。
【写真】ブロックの上からでも、対戦相手のバランスを崩すだけの威力を誇るハイキックを見せるレイ・ドーヨーゲン。高地バギオシティ在住だけに、スタミナにも優れている(C)OFC
ドーヨーゲンの打撃は、連打がないですよね、ジョー・リネケルのような。一発は強いです。ガツンというのがあるんで。そこは気を付けないと。映像を見ても雑なんですよ。北米のMMAではないですよね。散打の試合なの?って感じで。ガツンと打って、組みついてくると投げる。穴があるといえば、穴はあります。
BJは結構、ローを貰っていましたよね。闇雲に思い切り蹴っているように見えましたが、そこで時々だしてくるハイキックに注意したいです。まぁ、蹴りに対しては対抗策は準備しています。ただ、MMAとしての型がないので、何をしてくるか分からない。そこですね、やっぱり怖いのは……」
――では相手のホームであり、フィリピンという初めて戦う国での試合として、難しい部分はありますか。OFCサイドもフィリピン大会ということで、シンガポール大会よりもあたふたしている感もあります。
「そうですね、メディカルとか結構、あとから言ってくることが多いですね。交渉も長南にやってもらっているんですけど、結構戸惑うこともあるみたいです。まぁ、色々と面白そうなことがある国のようですね。逆に滞在する日数が短いのが、幸いかもしれないです」
――会場は2万人収容です。
「満員になったら、凄いですよね。声援とかも」
――カジノが仕切っているようですし、客入りは良くなるという話ですね。サッカーボールキック有りというルールは?
「面白いと思います。まぁ、自分が使うことだけ考えているんですけど(笑)。やられたら、やられたでしょうがないので、自分がやることだけ考えています。テイクダウン後とか、際の勝負のときのヒザとか、このルールだからつけるという技も想定しています。がぶってヒザもありですね」
――前回、11月のジョン・リネケル戦から漆谷選手のなかで一番成長した部分はどこだと感じていますか。
「……。どこッスかね(笑)。全体的にレベルアップはしていると思いますが、ボクシングは頑張ってやってきました。動きも良くなってきていますし。まぁ、追い込みで疲れが溜まっていてダメなときもありますが、ここんところ良くなっています。だから、行けるんじゃないかなって。もう、あとは体重を落とすぐらいですね。
UFCでやってきたっていう――変なプライドじゃないですけど、そういう気持ちは持っているので負けられないです。負けたら終わりだし。向こうは向こうで、UFC帰りだということでこっちを見ているでしょうしね」
――UFC初戦の豪州大会後、会場の雰囲気に呑まれたと言われていましたが、フィリピン人ファンの熱狂度合も相当なモノがあります。
「あれはUFCという舞台なので――。だからこそ、UFCで経験できたことが生きて、今回は落ち着いて戦えるんじゃないかと思っています。しっかりと勝って、稼がないと。9月に二人目も生まれるので」
――そうなんですが、おめでとうございます。なおさら負けられないですね。
「しっかり勝たないと、もう何も言えなくなります。勝って取材を受けたいですね。残り1週間なんですが、しっかりと調整してフィリピンに向かいです」
――今回からはセコンドも長南さんですか。
「そうですね。もう一人、誰かに来てもらおうかと思ったんですけど、長南も『日本人も5人いるし、大丈夫じゃね?』って(笑)。UFCのときよりもスポンサーの縛りが自由なので、そこも含めてしっかりと頑張りたいです」
■OFC 09対戦カード
<OFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]ホノリオ・ナバリオ(フィリピン)
[挑戦者]大石幸史(日本)
<OFC暫定世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
岡嵜康悦(米国)
<バンタム級GP決勝/5分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
上田将勝(日本)
<ライト級/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
カメル・シャロウス(米国)
<ミドル級/5分3R>
フィル・バローニ(米国)
鈴木信達(日本)
<ライト級/5分3R>
ローウェン・タイナネス(米国)
フェリペ・エノモト(スイス)
<ヘビー級/5分3R>
ティム・シルビア(米国)
トニー・ジョンソンJr(米国)
<フライ級/5分3R>
レイ・ヨードーゲン(フィリピン)
漆谷康宏(日本)
<バンタム級/5分3R>
ライアン・ディアス(米国)
ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)
<フライ級/5分3R>
ゲヘ・エウスタキーオ(フィリピン)
アンドリュー・レオーネ(米国)