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【OFC09】OFCフェザー級王者・大石幸史、「ismに海外のベルトを」

Oishi vs Banario

【写真】勝利を決した右が決まった直後の大石幸史(C)MMAPLANET

5月31日(金・現地時間)にフィリピン、マニラのSMモール・オブ・エイジア・アリーナで開催されたOFC09「RISE TO POWER」で、OFC世界フェザー級王座に就いた大石幸史。

1R終盤の大ピンチを凌ぎ、2Rに見事な右を打ち込んでホノリオ・バナリオをKOした。その危機をどのように乗り越え、また今回の試合に対する想いのほどを新チャンピオンに語ってもらった。

――タイトル奪取、おめでとうございます。

「ありがとうございますッ!」

――1R終盤は、本当に危機一髪の危ない展開になってしまいました。

「何で倒れたのか、分かっていなかったです。自分が先に倒して詰めたのに、起き上がられたので攻め直そうと考えていたんですけど……。気を抜いてしまっていたのか、バッバッバッって来られて、気がついたら尻餅をついていたんです。

そこからの打撃は効いたパンチというよりも、ストップを誘うようなパンチだったので、『これで疲れてくれればいい』と思いながら戦っていたんですが、同時にストップされたら困るので尻を戻して立ち上がろうとしていました。ラスト30秒っていう声も聞こえていたんで、凌げば次のラウンドに行けるという気持ちでした」

Oishi vs Banario 02【写真】距離を詰められ、ケージで打ち合いに応じたが連打で態勢が崩れ、大ピンチに陥った大石。実際にはかなり冷静だったようだ(C)MMAPLANET

――かなり冷静に考えられていたのですね。

「効いたパンチは、少なかったと思うんです。尻餅をついてからは意識があったので。どうやって立て直すかしか考えていなかったです」

――では、2Rの戦い方に関してもインターバルの間に頭の中で描くことなどできていたのですか。

「慌てるのは良くないので、1Rの序盤と同じように丁寧に戦おうと思っていました」

――最後の右は完璧に振り抜くことが出来ましたね。

「1Rの時といっしょで、右のライトクロスが入りました。これはたまたまなんですが、2発とも抜けたパンチでどっちも感触はなかったですね」

――ケージサイドでは凄い音が響いていました。

「そうなんですか?  試合後、バナリオさんが『アレは何のパンチだった?』と言っていたので、本当に見えていなかったんでしょうね。僕の感触もないし、ホントに効いたパンチだったと思います。自分が中に入って打とうと思っていたのですが、バナリオさんが来たところに当たったのかもしれないです」

――体も伸びて、パンチもフック気味に伸びるような踏み込んだパンチでした。

「バナリオさんのガードが空いている感じだったので、真っ直ぐというよりも被せるような形で振りました。ストレートよりも、そっちの方が得意なんです。バナリオさんのリズムと僕のリズムが合っていて、相性が良かったんだと思います。

あんな風に感触のないパンチが2発も当たるなんて、なかなかないことなんで。2Rまでの短い時間で、当たるっていうのは経験したことなかったです」

――勝利後は感情を爆発させていましたね。

「本当に今回の試合に関しては色々と想うところがありました。ismの歴史のなかで北岡(悟)さんが戦極のチャンピオンになって、初めて多団体のベルトを巻かれたんです。僕がismにいる限り、先輩方が築き上げてきたものから、さらに上積みしていくことが、自分の仕事だと思っていました。

Koji Oishi【写真】清水俊一がパンクラスの旗を掲げ、川村亮の肩車される新OFC世界バンタム級チャンピオン大石幸史(C)MMAPLANET

海外のタイトルはismの歴史にはなかったので、それが成ったことは何よりも嬉しかったです」

――自らの手で、最高の誕生日プレゼントを贈ることになりました。

「アッ、ハイ。でも、誕生日ということは全く忘れていました。それよりも、パンクラスismにOFCのベルトを持って帰ることができる喜び、それが大きいです」

――パンクラスのテーマで入場していましたし、それだけ思い入れがあるということなのでしょうが、OFCのチャンピオンは他のプロモーションでは試合ができないという一例が、RFCとの間でありました。そんななか、9月にはパンクラス20周年記念大会もあります。

「初戦でチャンピオンと戦わせてもらったり、OFCに凄く感謝しています。だからOFCの意思に則したことをしていきたいです。20周年というよりも、酒井(正和)社長になって新生パンクラス1周年記念大会だと思います。試合が終わったばかりで――、これまで感じたことがないくらいホッとしているような状況です。だから、今は気持ちも体をリセットさせるために、しっかりと休みたいです」

――キャリアの中でも、本当に意義のあるベルトになりそうですね。

「相当に重いです。実際に重いんですけど(笑)、そういう意味でなく重いです。もちろん、タイトルを獲りたかったですし、獲りに来たんですけど、獲れると思っていなかった部分もあったんです。今の自分の力でできるのか、バナリオさんのハングリーな気持ちに俺は勝てているのかだとか、色んな葛藤がありました」

――そういう全ての葛藤を払拭できる右でした。

「もう、本当にその通りでした。バナリオさんが倒れて、右をもう一発入れたときには意識が飛んでいたんで、終わったと思いました」

――本当におめでとうございます。少し休まれて、次を期待しています。

「ありがとうございます」

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