【ALL JAPAN JJC】最大激戦区制し、加古が全日本初優勝 「1ミリも動きたくなかった」
【写真】日本を代表する柔術家が、ようやく全日本の冠を得ることとなった(C)HIROYUKI KATO
7月19日(日)、東京都新宿区のコスミックスポーツセンターにて開催された第16回全日本ブラジリアン柔術選手権。黒帯部門で最大トーナメントになったライトフェザー級を制したのは、加古拓渡(グラップリングシュートボクサーズ)だった。
Text by Hiroyuki Kato
決勝の相手は過去同階級を4度制している金古一朗を破るなど、連続一本で勝ち上がった勢いに乗る宮地一裕(修斗ジムroots)。その決勝は50/50の攻防からコントロールで加古、足関や腕十字など仕掛けの豊富さで宮地という展開になる。終始一本狙いの宮地がアドバンス2-1でリードしていた終盤に、50/50から上になった加古がスイープポイントを得て逆転し、逃げ切った。日本の新世代を引っ張ってきた印象の強い加古は、意外にも全日本初優勝だった。
「『ようやく獲れた!!』という素直な嬉しさと、プレッシャーから開放された安堵感もあります。今回は全日本選手権の歴史の中でも、黒帯の階級別トーナメントとしては最大だったと思います。このトーナメントで優勝出来たことに達成感もあります」
世界を見据え階級を一つ落とした加古、その分だけ過酷な減量に悩まされた。今回もコンディションは万全とはいえない中で、会場の蒸し暑さにも苦しめられたと話す。
「やはり階級を落としている分だけ体格的なアドバンテージはありますが、今回は自分の減量ミスで、初戦の前から軽い熱中症気味でした。正直1ミリも動きたくないような状態でした(苦笑)。初戦を終えて水分補給したらだいぶ体調も戻り、3試合通じてかなり高いレベルで集中力を維持できました。冷静に状況を見ながら戦えたのが勝因の一つだと思います」
既に加古は来年の世界柔術選手権の出場資格の“ポイント”を得ているが、9月12&13日の両日に東京武道館で開催されるアジアオープン選手権に出場予定。目指すは同大会“3連覇”だ。
「負けず嫌いだから、毎日練習しています。そして来年こそは世界柔術選手権の最終日に勝ち進みたい。もちろんその先の表彰台も狙いたいですが、まずは最終日。アジアが終わったら来年に向けて準備を進めたいと思います」
いち早くベリンボロを取り入れるなど、常に世界基準に挑み続ける加古。「テクニック的にも新しい武器を増やしていきたい」と宣言している。目標の世界ベスト8も、現実味を帯びてきている。
■黒帯ライトフェザー級結果
【優勝】加古拓渡(GSB)
【準優勝】宮地一裕(修斗ジムroots)
【3位】山田悦弘(ポゴナ・グラブジム)、江端講平(BOHEMIANS)