この星の格闘技を追いかける

【on this day in】8月04日──2005年

04 08 05【写真】今とは明らかに違うヴァンダレイの顔。この頃の方がヴァンダレイらしいと言えるのは、ずっとヴァンダレイを見続けてきたファンの特権だ (C)MMAPLANET

Wanderlei Silva 
@ブラジル・パラナ州クリチバ、シュートボクセ・アカデミー
「10年前、シュートボクセでPRIDEミドル級GP決勝ラウンド前のヴァンダレイ・シウバを取材した。ヒカルド・アローナとの対戦が決定しており、そこをクリアすれば同門マウリシオ・ショーグンと対戦する可能性もあった。ちなみにこの日までのヴァンダレイの戦績は29勝4敗1分(1NC)、これ以降は6勝8敗だ。PRIDEからUFCへ籍を移し、ラスベガスに巨大なジムを持った。戦績こそ振るわなかったが、UFCでも常に重用されていたイメージとは裏腹に、今や反UFCの旗頭となっているヴァンダレイ。そして、大晦日に復活するという噂の格闘技イベントにヒョードルとともに来日が切望されている。唐突だけど、僕は年を重ねていく家内が好きだ。もう付き合いだして24年になるから、体の線や肌の張りは自分と同じように出会った頃とは違う。それでも人として、深みが増す彼女と歩む人生が楽しい。それはずっと、一緒に生きてきたからだ。これが24年より少し前に付き合っていた当時の彼女と今、会っても到底そんな風に思えないだろう。この間のその人のことを何も知らない。自分のことを棚に上げて、『年を取ったな』と思うだけだろう。この10年前のヴァンダレイの写真を見て、『こういう顔だったな』と思うファン。『こんな顔だったのか?』と驚くファン。両者ともMMAファンだ。でも、今のヴァンダレイを見て『アレッ? ヴァンダレイ?』と首を傾げる人はもう格闘技ファンではない。そういう人に、今のヴァンダレイの良さを分かってもらうのは、きっと難しい。進化し続けるMMAは、10年前のように一般に浸透していない――、していないからといって、元カノと再会してももうあの頃の僕らに戻ることはできない。僕ら年寄の役割は何か。それは、これからの選手たちにとって、良い道標を見つけることだ」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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