【Bellator85】手に汗握る一戦、パンチのコンビでカーラン初防衛
【写真】一進一退の攻防はカーランに凱歌が挙がり、初防衛に成功した(C)GONGKAKUTOGI
<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
パット・カーラン(米国)
Def.2-1:48-47, 48-47, 47-48
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
カーランの左前蹴りに、左フックを合せようとしたフレイレ。カーランはオーソドックスの構えからスイッチを取り入れる。互いに距離を取り、慎重な立ち上がりに。カーランの右フックが空を切るが、勢いを見せる。残り2分、フレイレが組みつこうとしたが、カーランはすぐに距離を取った。
フックで前に出たフレイレ、カーランが左ジャブで突き放す。残り30秒を切ってフレイレがハイキックを見せるがこれも牽制の域を越えない攻撃だ。このまま1Rは大きな動きを見せないまま終了した。2R、左ジャブとフックを伸ばすカーラン、フレイレは右ボディを見せる。距離を詰めるフレイレは、スッと距離をとりヘッドスリップを見せるなど、打撃の成長を感じさせる。
カーランの右で、バランスを崩したフレイレ。カーランは攻め急がず、左ジャブを引き続き伸ばす。フレイレも左フックからボディを見せると、カーランがヒザを返す。1Rからローを重ねるフレイレ、カーランは左ハイを繰り出すも直後にパンチを受けて、ステップバック。
接近戦で果敢に手を出し合う両者、フレイレのスピードがやや王者を上回っているか。ただし、フレイレも鼻血を流すなど、パンチを被弾していることは確かだ。ショートフックの連打からローをヒットさせたフレイレを、カーランが足払いで転がす。残り30秒を切り、再び距離を詰めたフレイレだったが、最後にカーランのジャブを顔面に受けてしまった。
3R、いきなり左ハイを繰り出したフレイレ。カーランも左ハイを返し、両者が至近距離で打ち合う。体を沈めて右フック、起こして左ジャブを伸ばすチャンピオン。フレイレもワンツーで前に出る。カーランはジャブのトリプルからボディフック、さらに顔面へと多彩なコンビネーションを見せる。
しかし、直後にフレイレのハイがブロックの上から王者を襲い、カーランの動きは落ちる。ヒザからパンチと攻勢に出るチャレンジャーに対し、カーランもフェイントを織り交ぜてショートのワンツーを放っていく。頭が当たり、一瞬試合が中断。即、再開するとフレイレのボディフックとカーランの左ジャブが交錯する。距離を詰めてパンチを繰り出す両者、残り30秒を切ってフレイレの右ボディがヒットする。カーランも踏み込んで右フックを当てたが、このラウンドは挑戦者が制したか。
フレイレにとって初めてのチャンピオンシップラウンド、カーランはこれが2度目の4R突入だ。左のヒット率が高くなってきたカーラン、フレイレの右目の回りは腫れあがり、パンチもガードに当てるようなモノが目立ってきた。王者はボディフックから右ストレートを顔面に当て、再びボディから顔面へ打ち分ける。距離を取りなおしたフレイレだが、パンチを被弾することが多くなる一方だ。
再び頭が当たり、試合が中断。再開後も手数はチャンピオンの方が多い。ボディの連打から、勢いのある右ストレートを打ち込んだカーラン。フレイレの回し蹴りは距離が合わない。残り90秒でテイクダウンを仕掛けたフレイレだが、王者はムエタイ流片足ディフェンスからヒザを入れて倒れない。
フレイレもボディを入れるが、リーチの割には踏み込みが足らず勢いは王者に傾いたままだ。蹴りには蹴りを返すカーラン、ダブルのジャブを打ちこみ4Rを制した。最終回、王者の左アッパーがフレイレのアゴを捉える。フレイレもペースを掴もうと、手数が多くなる。フレイレはこの試合2度目のテイクダウン狙いを失敗、直後にボディフックを二つ受ける。
右ミドルを掴みかけられても、パンチで突き放した王者はサウスポーから右フック。オーソに戻して、ボディから顔面へのコンビネーションと攻撃の手を弛めない。守勢とまではいかないが、リズムを掴めないままの挑戦者。前かがみになったパンチを多くなる。
打ち終わりで右を顔面に受けたフレイレ、右フックから前に出るもあと半歩踏み込みが足りない。カーランは右ボディフックから左フック、そして左ストレートをクリアに決める。残り30秒を切り、ワンツーからスリーまで打ち込んだ王者。フレイレも左右のフックを振り回し、前に出る。王者も打ち返すが、最後の打ち合いはフレイレが打ち勝ったように見えた。
2、4&5Rを王者カーランが取ったように見えたBelletor世界フェザー級選手権試合、果たしてジャッジの裁定は48-47が2人、47-48が1人でカーランが初防衛に成功した。