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【Oktagon】ペトロシアン弟と対戦、城戸康裕<02>「まだまだ限界を感じていない」

Yasuhiro Kido【写真】サワーとブアカーオが同級生。城戸も世界のトップに挑み続ける、そのためにペトロシアン弟には遅れをとることはできない (C)TAKUMI NAKAMURA

1日(土・現地時間)、イタリア・ミラノ郊外アッサーゴのメディオラヌム・フォーラムで行われるOKTAGON 2015で、ジョルジオ・ペトロシアンの実弟アルメン・ペトロシアンと対戦する城戸康裕インタビュー後編。

ISKA世界スーパーウェルター級のタイトルに、チャンピオンの地元で挑戦する城戸の言葉には、国内70キロトップという自負、そして世界に挑み続けるチャレンジャーとしての心意気が詰まっていた。
<城戸康裕インタビューPart.01 はコチラから>

――城戸選手は昔から「自分はキャリアと年齢を重ねた方が強くなる」と言っていましたが、なぜそう思っていたのですか。

「ずばり昔は頭を使わず戦っていたからです(笑)」

――ずばり言い切りましたね(笑)。20代の頃はセンスと身体能力だけで戦っていたのですか。

「本当そんな感じですね。でもそれも一長一短で、僕は10代後半から20代にかけてガッチリ身体を作っていたんです。それこそ体幹トレーニングとかダッシュをめちゃくちゃやりまくっていて。

確かに2007~2009年くらいの写真を見ると、身体がバッキバキでものすごい逆三角系なんです。当時、K-1MAXで来ていた外国人選手からも『お前、身体やばいな』って言われたり、アルバート・クラウスのセコンドからは『身体で言ったらお前とブアカーオが世界一だ』と言われたこともあります。そのくらい昔はフィジカルを重視していました」

――そこに考えて戦うエッセンスが入ってきたのは…

「シルバーウルフで大宮司(進)さんに練習を見てもらうようになってからです。もうシルバーウルフで練習して4年になるんですけど、この4年間は考えて戦うことをずっと意識してやっていて、それがこのキャリアになっても成長している理由だと思います。

若い時にフィジカルの土台を作っておいて、そこに考えて戦うことをプラスするっていう。だから結果的に身体を作る時期があったことが今につながっているんでしょうね」

――また城戸選手の言葉で印象深かったのが、2012年にK-1 WORLD MAXでマーセル・グローエンハートにKO負けした時「あいつらに追いつくためには、あいつら以上に試合をして強くならないといけない」と言われていたじゃないですか。あの言葉は世界のトップを肌で知る選手だからこその言葉だなと思いました。

【写真】海外マットでもその立ち振る舞いには何ら変化が見られない強心臓の持ち主だ(C)K-1

【写真】海外マットでもその立ち振る舞いには何ら変化が見られない強心臓の持ち主だ(C)K-1

「自分が挑戦を受ける立場の試合を続けていると『もっと俺は上を目指すんだ!』と思うんですけど、いざサワー、ペティ、ヴァヒド、アルメンと続くと、そろそろアイドリングかけたい気持ちも出てくるんですけど(笑)。

もちろん外国人選手と試合が続いてボコボコ負けるようだったら、また日本人と競り合わないといけないだろうし、逆に僕はここ4年くらい日本人には無敗だからこそ今こうやって外国人選手と戦える位置にいると思うんですよね。そういう意味ではちゃんと日本人相手に結果を出してきたことで外国人選手と戦えているんだなと思います」

――ただ日本でK-1 WORLD MAXが開催されていた頃と比べると、世界の70キロのレベルはものすごく上がっていますよね。

「いや、もう本当に。日本人の選手層は薄くなっているのに、外国人はどんどん強くなっているっていう(苦笑)。俺がやられたペティもそうだし、K-1で佐藤さんに勝ったサニー・ダルベックって、俺がK-1MAX日本王者になった時、まだ中学生くらいなんですよ。そんな選手たちがどんどん出てきちゃう状況だから…そこはちょっと考えちゃいますよね」

――その上で城戸選手がこれから目指すものは何になるのでしょうか。

「まず日本人選手に勝てないようになったら、辞めようかなと思います。今は日本人に負けてないし、海外でも試合が出来て世界と戦えている。まだまだ限界を感じていないんですよね。練習でも衰えてないし、マイナスを補う練習じゃなくて、プラスを増やす練習をしているから、そうやって上が見えている以上は、もっと上を目指していきたいです。今ってK-1MAXが日本で行われていた頃と違って、70キロでこれだ!という絶対的なタイトルがないじゃないですか。

だからバチっといい舞台が出来た時に、そこの頂点を獲るために今は自分を磨く時期なのかなと思います。さっきは若い選手の話をしましたけど、サワーとブアカーオはいまだに世界のトップで活躍していて、あの2人は俺と同級生なんですよ。そういう選手たちも実際にいるわけだから、俺もまだまだ世界のトップを目指して頑張っていきますよ!!」

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