【WSOF18】マルロン・モラエス、思わぬ苦戦もしっかりと王座初防衛に成功
<WSOF世界バンタム級選手権試合/5分5R>
マルロン・モラエス(ブラジル)
Def.3-0:49-46, 49-46, 49-46
ジョシュ・ヒル(カナダ)
ステップを使いながらも、ケージ際に下がらされるヒルは右フックを受けて、いきなりバランスを崩す。左ハイから左ローを入れるモラエスに対し、前に出たヒルが組みに行って近距離からヒザを繰り出す。離れた両者、前に出たヒルにモラエスは右フックから右ローへ。さらに右ローを入れると、明らかにヒルが戸惑った表情を浮かべる。前に出てきたヒルにヒザを見せたチャンピオンは、引き続き圧力を掛けていく。
と、ヒルのアッパーがモラエスを捉え、WSOFの絶対王者が後方に崩れそうになる。ラッシュを掛けず、間合いを取り直したヒルに対し、鼻血を流したモラエスは右ハイを見せるが距離が合わない。鼻を気にするモラエス、ヒルが組みついていくもテイクダウンは奪えない。体を入れ替えケージ中央を取ったモラエスの左ローに、ヒルは右フックを振るっていく。残り10秒で左ハイを放ったモラエスだが、意外にも流血という事態を迎えた初回になってしまった。
2R、ローが遠いチャンピオン。ヒルの前進にアッパーを合わせようとする。後ろ回し蹴りを見せるなど、ペースを取り戻そうする王者はスイッチしたヒルの左に右を返す。相変わらず鼻を気にして戦うモラエスは自分の距離で戦えていない。と、モラエスの右ローが左ローを放ったヒルの急所に後方から当たり試合が中断する。再開後、左ローを走らせたモラエスが右フックから左ミドルを見せる。ヒルの右フックに左ジャブを当てたモラエスだが、後ろ回し蹴りは届かず。ヒルも右フックを空振り。間合いのはかり合いは、手数でチャンピオンのラウンドとなった。
3R、スイッチを繰り返すヒルにモラエスは左に回りながら、左ローから右ローを蹴りこむ。ローを続けるチャンピオンは、ヒルが近づいてくると右フックを狙う。ヒルは飛びヒザ、着地して右フックを見せるも距離が合わない。モラエスもスイッチを交えて戦うが、逆に右ローを左足に受ける。鼻血が流れ続けるモラエスは、思い切って距離を詰めることができない。それでも抜群のタイミングでスピニングバックスピンキックをヒルのボディに決める。ローを当てて左に回るチャンピオンは、ヒルの左ハイに右ストレートを合わせる。ヒルも接近戦に出ず、距離を取る展開が続きラウンド終盤も相手の攻撃を見切る攻防に終始した。
4R、モラエスの左ミドルがヒルの背中へ。続く右ハイは当たらない。ヒルは左ストレートを伸ばして前に出ると、モラエスの右ローを受ける。続くモラエスの右ローに、右を合わせようとしたヒル。パワーがあるパンチを見せて、モラエスの前進を阻む。ヒルは左ハイをブロックの上から蹴り込み、モラエスの左ハイに右ストレートを合わせようとする。ステップ中心、手数は少なく、ヒット数も少ない我慢のファイト、ヒルがワンツーから前に出る。モラエスは左ロー、そして左ミドルから右ローを入れる。飛びヒザを見せるなど、印象点を積み重ねていく王者に対し、ヒルは見過ぎか。残り30秒でテイクダウンにもトライしたモラエスは、倒せないとみると自ら距離を取ったが、最後も後ろ回し蹴りを見せ積極性をアピールした。
最終回、モラエスはスピードのある左ミドルハイを肩口に入れる。ヒルは最終回もテイクダウンを封印したか、遠い距離から後ろ回し蹴り。カカトがモラエスのテンプルを捉えかける。すぐに鼻血が流れてくるモラエスに、ヒルは変わらずスイッチを繰り返すが手数は少ない。右を振り回し、バランスを崩した挑戦者。ヒルはモラエスの左ローをキャッチするも、逆にパンチを受けて自ら手放す。と、残り90秒でモラエスがテイクダウンに成功する。
尻餅をついたヒルはケージを背中につけて立ち上がろうと試みるも、モラエスがボディロックから左腕を差して立たせない。ヒルは細かいパンチを入れながら立ち上がると、モラエスはここでもローシングルへ。ヒルはキムラクラッチで耐え、両者が距離を取る。残り10秒、飛びヒザを見せたヒル。モラエスはスピニングバックフィストを見せて、ヒザを繰り出す。その蹴り足をヒルがキャッチしたところで、タイムアップとなった。
初回の右アッパーで鼻を骨折したか、より慎重さが目立ったモラエスだがしっかりと49-46で判定をモノにし王座初防衛に成功した。「パンチが強かった。鼻は折れたと思うけど、ハートを見せることができた。もう少しフィニッシュするためにプッシュすべきだったかな」とチャンピオンは語った。