この星の格闘技を追いかける

【on this day in】2月03日──2007年

03 02 07【写真】倒れるサンチェスに追い打ちのパンチを入れ、起き上がってきたところでギロチン。自らリリースし、最後はマウントパンチでTKO勝ち。ミルコの第一次UFC参戦は、そんな意外なフィニッシュでスタートした(C)MMAPLANET

UFC67
@ネヴァダ州ラスベガス、マンダレイベイ・イベンツセンター
「ランペイジ・ジャクソンの豪快なTKO勝ちに続き、ミルコ・クロコップはPRIDEのテーマソングに乗って初めてオクタゴンに登場した。会場内の空気は、否応がなしにランペイジ以上に衝撃的なKOデビューを求めていた。ズッファとて、同様だっただろう。完全に『今にして思えば』――という断りを以て初めて書けることだが、WFAでケージを経験していたランペイジでさえ、なかなかマービン・イーストマンとの距離を詰めることができず、初回終了時にはファンのブーイングを浴びたことをもっと留意すべきであった。ミルコへの生贄となったエディ・サンチェスは左ミドルを一発被弾すると、このあとはもうケージ際は左へ下がるのみ。ミルコは右ローこそ蹴りこめるものの、リングと違いオクタゴンには円運動で下がる対戦相手を追い込むスペースがない。どれだけプレッシャーを掛けようとも、広いオクタゴンを先回りするステップ、あるいは素早い追い足がなければ抜け道を与えてしまう。そして、意を決したように突っ込んでくるサンチェスには、ハイキックは不適切な迎撃手段だ。結果的に左ストレートを打ち込み、マウントパンチで初陣を飾ったミルコだったが、ファンが期待したランペイジ以上のKO劇、つまり左ハイは不発に終わった。それでもPRIDE時代の名残りか、極端なマスコミ嫌いは変わらず合同会見をすっぽかし、ダナ・ホワイトを困惑させ、大物ぶりを見せつけていた。そんなミルコが、奇しくもランペイジと共にUFCに戻ってくる。少し意地悪な見方になってしまうけど、オクタゴン内のアジャストと同様に、ズッファの意向を無視できる大物ぶりを未だに発揮できるのか。僕らの仕事からすれば、本当に厄介な取材対象だったけど、できれば……そんなミルコであってほしい」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

PR
PR

関連記事

Movie