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【UFC MACAO】福田力「試合前から、ワクワクしていました」

2012.11.12

Riki Fukuda

【写真】破顔一笑、それとも破顔一勝? 取材中も常に笑顔を見せた福田。苦労が報われた夜だ (C)MMAPLANET

UFC MACAO=UFC on FUEL TV06で、トム・デブラスを破った福田力。アジアでの試合ながら、AKAでの調整を選択した彼は、その練習の成果、積み上げてきたモノをオクタゴンで発揮できつつあることを実感している。

――UFCで2勝目、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

――7月の悔しい敗北から4カ月、試合が終わった直後に判定はモノにしたと思われましたか。

「ハイ、勝ったと思いました。強いだろうとは思っていたのですが、思った以上に強かったです。ただ、自分の力を出し切れば勝てると思って戦っていました」

――その言葉通り、意外にも1Rにはトム・デブラスのパンチが当たるシーンがありました。

「前蹴りを使ったときに、ガードが下がってしまっていて、そこに合わされちゃいましたね。あれは気を付けないといけないです。1R、早い段階でテイクダウンを取れたのが良かったです。落ち着けました」

――その後は組みついて、ケージに押し込むという展開で削っていったかのように見えました。

「テイクダウンは1Rに2回決めることができたのですが、スタミナ勝負と考えて、押し込んでいきました。戦っていて、デブラスが疲れているのが分かったので、どんどんとプレッシャーを掛けたんです」

――デブラスが疲れた要因には、テイクダウンを奪われたあとも自分の寝技というものができなかったことがあるのではないかと思われます。

「あまり、仕掛けてこなかったですね。自分の方はとにかく必死で戦っていました(笑)」

――相手の腰、ヒザを殺してハーフからパウンドを有効に使っていました。

「そうですか? もう必死に戦っていたので、あまり覚えていないのですが、その動きは岡見(勇信)さんに教えてもらった形ですね。骨盤を蹴って、立ってくるのでとにかく相手の足を内側に入れていくことを教えてもらいました。岡見選手はめちゃくちゃコントロールが巧いんですよ」

――試合前に言っていたように、結果を出したことでAKAでトレーニングをする実用性を認めさせることができました。

「それは本当に良かったです。ジョン・フィッチもセコンドについてくれて、入場前も叫んで気持ちを盛り上げてくれて……。だからこそ、練習してきたことを出したかったので、結果が出て良かったです。

今回は計量のときもそうですが、試合が楽しみだったんです。この感覚は、これまでなかったですね。今はホッとして疲れがあるのですが、本当にワクワクして戦っていました」

――1Rが微妙で、2Rと取った。そして3Rを自分の思ったように戦えたというのは、今後の試金石になる勝利ではないでしょうか。

「それでもフィニッシュしたかったです。そこが課題ですね。ずっと判定が続いているので、試合を決めたいです。勝利が一番だったんですけど」

――勝ったばかりでホッと一息ついている状態のなか、大変申し訳ないのですが、次戦に関してはいつぐらいでという気持ちでいますか。

「4カ月ペースでは戦いたいと思っています」

――となると、3月3日のUFC JAPANというは絶好のタイミングですね。

「日本でなくても、もちろん試合があれば戦いたいですが、日本大会はぜひ出場したいです」

――日本大会で戦うとなっても、調整はAKAで?

「そうですね。時差が出来てしまいますけど、AKAで調整したいと思っています。向こうでキャンプを張りたいですね。だから、米国本土での試合でも、全く構わないという気持ちもあります。

それまで日本で技術面を積み上げていきたいです。AKAはスパー中心なので、ミット打ちでも何でも技術的なことを日本で練習したいですね。ボクシングだけじゃ、AKAだとディフェンスでいっぱいいっぱいで。攻めるトレーニングができなくなりますから。

だから、蹴りを入れるとか。足は短いですが、その短所を長所に変えるという意味で、今回も前蹴りとかにチャレンジしたんです。前蹴りは良かったと、試合後にも言ってもらえました」

――サウスポーで右足、前足で蹴るというのはダメージよりも距離を取ることを念頭に置いていたのでしょうか。

「以前にランバー(ソムデートM16)さんに教えてもらったんです。ケンケンのように、跳びながら蹴れって。ランバーさんも、先ほどの岡見さんもそうですが、日本で技術をやって、AKAでスパーをして高める。そうしていこうかなと。

そうやって積み上げてきたものが、ようやくオクタゴンのなかで発揮できるようになったと、今回の試合で思えました。本当に自分は色んな人に助けてもらい、支えてもらって戦っているんだと実感できた試合です」

――なるほど。マカオ大会は米国から現地入りし、ご家族とは1カ月半ほど離れていた福田選手だけに、暫くの間はご家族との時間を大切にする時間ですね。

「ハイ、マカオからは日本に戻りますし、子供との時間も大切にしたいです。2歳7カ月になったのですが、スカイプをやっていても、しゃべりも上達していますし。凄く会いたいですし、でも、久しぶりだから緊張しちゃいます(笑)」

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