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【RFC40】ロバート・ウィティカーに勝利のキム・フンと対戦、福田力「進退をかけてのチャレンジ」

Riki Fukuda【写真】福田の対戦相手キム・フンは9勝11敗の戦績ながら、2011年に現UFC暫定世界ミドル級王者ロバート・ウィティカーに一本勝ちしている。全く軽視できない相手だ(C)KAORI SUGAWARA

15日(土・現地時間)、韓国ソウルのチャンチュン体育館で開催されるROAD FC40で福田力はキム・フンと1年の時を経ていよいよ対戦する。


キム・フン戦は昨年7月の中国湖南省長沙大会で行われる予定だったが、福田が練習中に右瞼をカットし、その傷が眼輪筋まで達していたため、延期となっていた。今年2月、ロードFC36で復帰戦を迎えた彼はキム・ネチョルと対戦し、「やれることを全てやる」という自身の言葉通り、判定3-0で勝利を手にしている。

計量、そしてリカバリーを終えた彼に滞在先のホテルにて、現在のコンディションとパブリック計量時のマイクにもあったベルトへの再挑戦に賭ける想いを改めて訊いた。そこには言葉の随所から格闘家としてのプライドとベテランの貫禄を感じさせる福田がいた。

──リカバリー中だと思われますか。調子はいかがでしょうか。

「食べて結構ゆっくりできています。今日は東京に練習に来ていたヤン(・ヘジュン)が買ってきてくれた『ボンジュ』をまず食べました、ボンジュは韓国ではリカバリーフードとしてポピュラーな、サムゲタンのお粥みたいな料理で。夜はホテルの近くでタッカンマリ(鶏の水炊き)とか消化のいい物を食べました。ちょっとサムギョプサルも摘んだっスけど、あんまり辛いのとか、生のニンニクとかそういうのは避けるようにはしています。とりあえず今夜はゆっくり休めそうかなと思います」

──計量を終えて韓国料理を楽しめているのですね。減量は順調だったのでしょうか。

「昨日、半分水抜きをして朝、またちょろっと落としました」

──本計量とパブリック計量がありますが、体感として違いはありますか。

「まあ、初めてじゃないんで、別にそういうもんだという感じで、早めに計量をしてそこから食べて待ってられるんで、別に全然嫌じゃないっスよ。ただ、本当の計量じゃないから計量自体の緊張感がないですよね」

──キム・フン選手とは対面してみて如何でしたか。

「ちゃんと仕上げてきたんだなという感じはしましたね。まあ、やれることはやってきたんで、今更どうこうっていうのはなかったです。自分が去年試合を一回組まれていて、怪我で流れちゃっんで……。それも致し方ない怪我ではあったんですけど、またそういう機会をロードFCに与えてもらったんで、きっちり自分のやるべきことをやって、フィニッシュしたいとは思っています」

──今日の計量後のマイクでもタイトル挑戦を宣言していましたね。

「やっぱモチベーションが何でも大事だと思うんですよ。ベルトを失った時に『もう一回ベルトを狙って頑張ってみよう』と思ったのが自分のモチベーションなんで。前回と変わらず、それはブレてないっスよね。だからそれに向けて求められていることは全部やっていこうという感じです」

──5月に行われる予定だったチャ・ジョンファン選手とRYO選手のダイレクトリマッチによるミドル級の王座戦がジョンファン選手の怪我でなくなってしまいました。

「怪我はやっぱり結構あるんですよ。自分も怪我しちゃうことあるし。みんな怪我しないようにしているんですけど、ハードに紙一重のところでトレーニングしていると思うんで、『ああ、怪我しちゃったんだ』と思ったぐらいです」

──例えば、負傷が長引いた場合、暫定王座戦などの可能性も出てくるかと思いますが、そういう可能性も考えることはありますか。

「そうですね。求められるうちが華だと思うんで、まずは明日ですけど。もし『暫定王座戦、どう?』という話があれば、やりたいなとは思いますね。ベルトもなんですけど、格闘家として、もう一稼ぎしたいという気持ちもあるんで、そういう話があればやるだけですよね」

──年内にもっと試合をしたい?

「まあ、勝てばっスね。本当にそういう感じですよ。もう一回ベルトを獲りたいというのは、進退をかけてのチャレンジだと自分では思っています」

──ところで福田選手は髪型に拘りを持っているのですか。何かテーマがあるとか。

「いや、テーマとかは特にないんですけど(笑)、格闘技好きな人って僕らが何もしなくても見てくれると思うんですよ。ただ、やっぱりたくさんの人に見て欲しいので、モヒカンのヤツが試合をしていたら、『何だ、コイツ!!』とか……そんなんで良いんです。何の深い理由もなくて申し訳ないですけど(笑)。

それにモヒカンにして海外に試合をしに行くとかも、もうそんなにないだろうなと思うと、やりたいことを全部やりきってやろうと気合い入れて来たという感じっスよ」

──韓国での評判はいかがでしょうか。

「基本的に苦笑いっすよね。『あ……』みたいな、そういう雰囲気は感じるっスけど、基本は帽子を被って、前回もでしたけど、意図してない目立ち方はあんまりしたくないんで試合が終わったらすぐに切ります(笑)」

──ちなみに明日はヤングガンズがなく、本戦1部と2部で構成されていて、福田選手は1部のメインイベントです。

「本戦の1部っていうと、聞こえは良いですけど、言い方を変えたらプレリミナリとも言えますよね。だけど、きっちりやることやるだけっす。1億円トーナメントは凄いっスね。1億円あったら、どうします?」

──どうしましょうか(笑)。想像も付かないです。

「1億円あったら結構いろんなことが変わるだろうなあと思いますね(笑)。夢がある話ですよね。格闘家のセカンドキャリアって『てめえでどうにかするしかない』という部分がありますからね。やっぱり先立つものがなかったら実際問題、大変なのは自分になると思うんで……」

──今回はUFCファイターの安西信昌選手がセコンドです。

「専属ってわけじゃないんですけど、いつも練習で良いちころも悪いところも見てもらってるんで、年は下ですけど凄く頼りにしています。今回はヤンもセコンドに就いてくれるし、安西君もそうだし、山田宗太郎君、岡見(勇信)君、長谷川(賢)君とかシング(・心・ジャディブ)君、GENスポーツアカデミーを中心に重量級の本当に凄く良いメンバーがいっぱい居てくれるとこでやって来たんで、明日はそういうのを全部ぶつけたいと思います。

全部ぶつければ勝てると思っていますけど、全部出してもダメだったらそれはそれで仕方ないと思うんですよね。ただやって来たことをぶつけられないとか、ああすりゃよかったなあとかなんでやらなかったんだろうとか、そっちの方が悔いが残るというか……。全部、実力をぶつければ勝てると思っているし、やって来たことを全部ぶつけること、まずはそこですよね」

──では日本から応援してくださる方々へメッセージをお願いします。

「髪型にも注目して、試合を見て楽しんでもらいたいと思っています!!」

■ROAD FC40計量結果

<Road FC無差別級選手権試合/5分3R+Ex1R>
[王者]マイティー・モー: 129.9キロ
[挑戦者]カン・ドングク: 107.6キロ

<ライト級T1回戦/5分3R>
佐々木信治: 70.5キロ
アマチュシン・フーヘンフウ: 70.4キロ

<ライト級T1回戦/5分3R>
ナム・ウィチョル: 70.5キロ
トム・サントス: 70.0キロ

<ライト級T1回戦/5分3R>
ホニ・トーレス: 70.2キロ
エルヌール・アガエフ: 70.5キロ

<ライト級T1回戦/5分3R>
下石康太: 70.3キロ
パク・デソン: 70.3キロ

<ライト級T1回戦/5分3R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン: 70.5キロ
トニーニョ・フリア: 70.5キロ

<ライト級T1回戦/5分3R>
キム・チャンヒョン: 71.4キロ
マンスール・ベルナウイ: 70.2キロ

<ライト級T1回戦/5分3R>
シャミール・ザフロフ: 70.5キロ
レオ・クンツ: 71.1キロ

<ライト級T1回戦/5分3R>
バオ・インカン: 70.4キロ
レイドン・ロメロ:69.4 キロ

<ミドル級/5分3R>
福田力: 84.5キロ
キム・フン: 84.5キロ

<女子フライ級/5分2R>
ライカ: 57.3キロ
キム・ヘイン: 57.5キロ

<ライト級Tリザーブマッチ/5分2R>
ジョン・ドゥジェ: 70.4キロ
アレクサンダー・メレスコ: 70.4キロ

<ライト級Tリザーブマッチ/5分2R>
イ・ヒョンソク: 70.5キロ
パク・へジン: 69.9キロ

<ミドル級/5分2R>
イム・ドンファン: 84.1キロ
キム・ジフン: 83.8キロ

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