この星の格闘技を追いかける

【on this day in】11月16日──1996年

11 16 96【写真】非常に緩い体で、やや開き気味の左ローを放つヘビー級キックボクサー。まさか、この世界を代表する親子鷹になるとは……(C)MMAPLANET

The Night of New Generation
@オランダ・アムステルダム、スポートホール・サウド
「この頃、今よりもヨーロッパに取材へ行く機会が多かった。欧州にはオランダがあり、フランスがあった。そう、キックボクシングだ。日本での印象でいえばオランダこそキック王国というイメージがあるが、ラモン・デッカーのライバル、ディダ・ディダファットやダニー・ビルを生んだフランスも中量級に強豪がひしめいていた。パリ北駅とアムステルダム中央駅、シャルルドゴール空港とスキポール空港を幾度となく行き来した。パリで友人宅、オランダでは格通の通信員だった遠藤文康さん宅にお世話になって取材をした。この夜のキックの取材も、遠藤さんと共に行った。メインではデッカーが、テコンドームーブを取り入れたモロッコ軍団のエース=ハッサン・カスリオイを破った。ライアン・シムソン、後にMMA打撃コーチで名を馳せるモハメッド・オワリ、今もブラックジリアンの打撃コーチとして活躍するハリー・ホーフトら錚々たるメンバーが勝利を手にしていた。そんな大会のセミでオーランド・ブレインブルフに判定勝ちした──なんとも見てくれの悪い選手。その名はウィリアム・ロスマーレンという。そう今や70キロを代表するキックボクサー、ロビン・ファン・ロスマーレンのお父さんだ。緩い体に相応しくスタミナもなく、動きに切れもなかった親子鷹の父親の方は、コーチングという爪をどうやら隠していたようだ……」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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