【Interview】「OFCは世界的にビッグプロモーション」(青木真也)
【写真】シンガポールのイヴォルブMMAで調整し、マニラでのOFCに挑む青木真也。写真は昨年9月に、そのイヴォルブで行われたヘンゾ・グレイシーセミナーでゾロパベル・モレイラと談笑する青木 (C) MMAPLANET
31日(金・現地時間)にフィリピンの首都マニラ、ケソン地区のスマート・アラネタコロシアムで行われるONE FC05「Pride of a Nation」に青木真也が参戦する。DREAMとの契約をクリアし、次なる戦いの場としてOFCを選択した青木。
PRIDE武士道~DREAMと続いた日本での戦いを終え、OFCで新たな戦いに挑む青木の胸の内を聞いた。
Text Takumi Nakamura
――OFC05への出場が決まりました。今回はシンガポールのイヴォルブMMAに入って、そのまま試合をするそうですね。
「はい。試合の日程が決まった時点で、そのスケジュールで行こうと思ったので、試合が終わるまでの約1カ月間をシンガポールで過ごすことになります」
――OFC参戦までの経緯については、すでに各媒体でお話されていると思うので、参戦決定以降の話を聞かせてもらえればと思います。7月に大会のプロモーションンでフィリピンに行かれたそうですが、現地の様子はいかがでしたか?
「とにかくエナジーを感じましたね。主力選手をほとんど集めて、150人以上のメディアを招いて、フィリピンのYahoo!でトップニュースとして報道されたという話も聞きました。
またプロモーションそのものも、格闘技だけではなくて対外的な部分にアプローチしているので、今すぐに成果が出なくても1~2年後を見越した投資だと感じました。出場選手を見てもグレイシーが3人、UFCの元王者が2人もいる。スポンサーも有名企業が名を連ねているんで、世界的にも見てもビッグプロモーションと言ってもいい大会規模だと思います」
――フィリピンでもMMAは人気がある競技なのでしょうか?
「マニー・パッキャオを生んだ国だし、基本的にファイトが好きな国だと思うんですよ。だからMMAも興味を持たれているという印象を受けました」
――OFCと契約して初めてビクター・キュイCEOと顔を合わせる機会だったと思うのですが、何か会話されましたか?
「僕の場合はイヴォルブのチャトリ会長を通してやりとりしているので、ビクターと直に話をする機会はなかったです。逆にチャトリにはとにかく感謝の気持ちを伝えました。イヴォルブでの練習環境も含めて、今まで以上にチャトリにはサポートしてもらいましたからね」
――OFCという新たな団体で試合をするうえで心境に変化はありますか?
「PRIDEやDREAMの頃とは全く違います。OFCでデビューするじゃないですけど『ここでもう一山稼いでやる!』って気持ちです」
――現時点ではまだ対戦相手が発表されていません。過去にDREAMでは対戦相手選びが難航したこともありましたが、不安はないですか?(※取材はシンガポール入りする前に行われた)
「正直、簡単には決まらないだろうなとは思いますけど……。今は自分になんだかんだで、自信があるんです。4月にエディ・アルバレスに負けちゃいましたけど、この2年間でMMAで負けたのはアルバレスとギルバート・メレンデスだけですからね。そのクラスの選手以外には負けないよという気持ちはあります」
――イヴォルブMMAでの練習も3月以来ですが、それについてはいかがでしょう?
「久しぶりにゾロ(バベル・モレイラ)やエディー(・アング)たちと会えるから楽しみですよ。あとナルポン・フェアテックスがトレーナーに加わるそうなので、それも気になりますね」
――イヴォルブのメンバーは青木選手が練習をスタートした頃に比べると、かなりレベルアップしていますよね。
「僕がイヴォルブに行く度に、みんなが強くなっています。特にやばいのはゾロ。初めて練習した時から『こいつは強いな』と思っていましたけど、それがさらに強くなっている感じですね。8月のOFCには出ずに、72~73kgまで体重を落として、ルンピニーかラジャでヨーロッパ人とムエタイの試合をするみたいです」
――青木選手はもちろんイヴォルブ勢の活躍にも注目が集まります。
「ライト級は特に層が厚いんですよ。僕とゾロがいて、少し僕らよりは劣るけどエディもいて。UFCに出ているハファエル・ドスアンジョスもいるから、イヴォルブのライト級はチームとして強いと思いますよ」
――OFC参戦で青木選手を取り巻く環境も大きく変わると思いますが、そこで自分がどうなるのか楽しみな部分はありますか?
「自分ももう37戦やっていて、2003年のDEEPフューチャーキングトーナメント王者なので、プロとしては来年で10年選手になります。いい条件でOFCとは契約させてもらったので、今までとは違って試合数も少し考えながらやっていきたいとは思っています。あと今年の大晦日、正月は格闘技から離れて、のんびり過ごしたいです(笑)」
■ONE FC05「Pride of a Nation」対戦カード
<ライト級/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
フェリペ・エノモノト(スイス)
<バンタム級/5分3R>
ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
グスタボ・ファルシローリ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
ソア・パラレイ(豪州)
<ヘビー級/5分3R>
ホーレス・グレイシー(ブラジル)
トニー・ボネロ(米国)
<フェザー級/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
ジェンス・パルヴァー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
フィル・バローニ(米国)
ホドリゴ・ヒベイロ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
イーゴー・グレイシー(ブラジル)
チャ・ジョンファン(韓国)
<ミドル級/5分3R>
グレゴー・グレイシー(ブラジル)
ニコラス・マン(豪州)
<フェザー級/5分3R>
ミッチ・チルソン(米国)
シャノン・ウィラチャイ(タイ)
<バンタム級/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)