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【It’s Showtime】百戦錬磨サワー、世界王者ンギンビ攻略方法は?!

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【写真】ベテランという表現が相応しいサワーだが、年齢的には今年で30歳。クリス・ンギンビとは2歳しか違わないが、その老練さは比較にならない。11月にはS-cup開催も予定されており、ハードスケジュールが一番の敵か??(C) K-1 Global

30日(土・現地時間)、ブリュッセルのナショナルフォレストで行われるIt’s Showtime57&58、事実上パート1のメインは日本でもお馴染みアンディ・サワーが、It’s Showtime世界70キロ級王者クリス・ンギンビに挑戦する一戦が用意されている。

4月に日本のシュートボクシングで鈴木悟から4RTKO勝ちを収めているサワーは、5月27日に新生K-1スペイン大会でWorld MAXファイナル16に出場し、地元のアブラハム・ロクエニを下している。そもそも急遽実現したK-1スペイン大会、当初の予定でサワーは19日にマルセイユでISKA世界70キロ王座を賭けて、フランスの強豪ヨハン・フォーボーとの対戦が決まっていた(※サワー欠場を受けて、英国のジョン・ワトソンと対戦したフォーボーが同世界王座を獲得している)。

K-1がなくても、日本と欧州をまたにかけて月イチで試合に臨む予定だったサワー。その影響かロクエニ戦では要所を締めるという固いファイトが目立っていた。結果、地元の歓声が後押ししたロクエニを――レフェリーがボディへのヒザ蹴りを急所と判断した幸運にも救われ――スプリットで下している。

サワーがこのロクエニとの戦いに際し、翌月の世界戦を考慮したかどうかは定かではないが、そう見られておかしくない、2005&2007 World MAX王者、2002&2004&2008 S-cup覇者の省エネファイトだった。そんなサワーの挑戦を受けるンギンビも、同日タイのロンガーン・スーパープロ・サムイと戦い、判定勝ちを収めている。

コンゴの首都キンシャサで生まれ、11歳でオランダに移住したンギンビの強さは、アフリカン特有の身体能力の高さにあることは間違いない。ロンガーン戦を例に見るまでもなく、前蹴りやミドル、あるいはダッチ・キックボクシングでよく見られるガード→攻撃→ガード→攻撃という流れで、体力的に削られることが少ない。

Ngimbi【写真】遠い距離だけでなく、近距離でも跳び技を見せるのが、フィジカルに優れたクリス・ンギンビの特徴だ (C) K-1 Global

2010年12月にムラット・ディレッキーを下し、同王座を獲得した後、K-1日本開催がなくなり、モチベーションも同時になくなってしまったのか、王座奪取以降ンギンビは2勝3敗で一時は引退を口にしたこともあった。その後、K-1再興とGloryの飛躍を前に再び、戦闘意欲が高まったのはロンガーン戦を見ても明らかだ。

業界再編が進むキック界にあって、この新旧対決はその後の格付けに大きく左右する。受けが巧みなベテラン=サワーだが、ンギンビのダッチ対角線コンビネーションの合間で、跳びヒザやスーパーマンパンチを加えたダッチK-1ルール・コンビネーションを受け切れるものではない。

下がってのローではなく、前に出てローでンギンビの前足を殺し、大振りになりがちなパンチにカウンターを合わされると――サワーが欧州一のタイトルを手にする瞬間は近くなる。ただし、下がって受ける展開になればンギンビの前進は勢いづき、5Rの戦いを耐えきることは非常に難しいと予想される。

■It’s Showtime対戦カード

<ヘビー級/3分3R>
タイロン・スポーン(オランダ)
ピーター・アーツ(オランダ)

<ヘビー級/3分3R>
ジャバッド・ポチュラック(ボスニアヘルツェゴビナ)
ダニエル・ギタ(ルーマニア)

<70キロ級/3分3R>
ハフィッド・エル・ボウスタティ(オランダ)
ロビン・ファン・ロスマーレン(オランダ)

<It’s Showtime95キロ級世界選手権試合/3分5R>
[王者]ダンヨ・イルンガ(ドイツ)
[挑戦者]フィリップ・フェルリンデン(ベルギー)

<73キロ級/3分3R>
ファティ・オズカン(トルコ)
ソニー・ダグレイド(ベルギー)

<70キロ級/3分3R>
サミール・ジャッバ(フランス)
アンディ・リスティ(オランダ)

<It’s Showtime世界70キロ選手権試合/3分5R>
[王者]クリス・ンギンビ(オランダ)
[挑戦者]アンディ・サワー(オランダ)

<ヘビー級/3分3R>
ムラッド・ボウジディ(オランダ)
ルステミ・クレシュニッチ(ベルギー)

<ヘビー級/3分3R>
リコ・ヴァーホーベン(オランダ)
ヘスディ・カラケス(エジプト)

<73キロ級/3分3R>
アジズ・カラ(オランダ)
マラット・グリゴリアン(ベルギー)

<70キロ級/3分3R>
マンデラ・アントーン(ベルギー)
ロビー・ヘイグマン(オランダ)

<77キロ級/3分3R>
ヴァハップ・オズデミール(トルコ)
ドゥオリ・チェン(オランダ)

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