【出稽古紀行US】02:久米鷹介@ATTアトランタ
水垣偉弥、日沖発、漆谷康宏、久米鷹介、伊藤健一=チーム・カルバーシティ(仮称)の5人は19日(木・現地時間)、アリアンシ柔術アカデミーの柔術トレーニングを終え、昼食を摂ってホテルへ戻ると、その1時間後にはアメリカン・トップ・チーム(ATT)アトランタへ向かった。
【写真】かなり大きな相手とも打撃スパーを行ったが、全体的にムキになってかかってくる練習生はいなかった。実はこういう部分で、一般練習生とのトレーニングは警戒が必要になる (C) MMAPLANET
ATTアトランタでチームを出迎えてくれたのは、ホアン・ジュカォン・カルネイロ。来日経験もあるブラジル人ファイターが主宰するジムは、リング常設、マットスペースも開い。最近ではメガジムも行く着くところにきた感があり、ATTアトランタの広さではメガジムとは呼ばないだろうが、十分な広さを備えている。
この日は一般のMMAクラスとグラップリングクラスに、ここで育ったプロ数人が加わるという練習で、各クラスには30人ほどの練習生が参加。打撃クラスでは3分×5R、グラップリングではディープハーフからのリバーサルのテクニック後、5分×4Rのスパーリングが行われた。
3月24日に韓国RFCに出場した久米を、現地在住の韓国人練習生が熱烈歓迎。なんでも、RFCに選手をブックするなどサポートをしている彼は、8月にRFCで行われるライト級トーナメント出場を猛烈プッシュした。最初は笑顔で答えていたが、あまりにも強烈なプッシュが続くため、顔色をなくした始めた久米。昨年10月に日沖がUFCデビューを行ったラスベガスで、初めて北米MMAジムを経験した彼に、出稽古紀行第2弾の感想を語ってもらった。
――ATTアトランタでの出稽古、アマチュアの練習生とのトレーニングでしたが、感想を教えていただけますか。
「個人がどうこうでなく、まずは人数が多いのが印象に残っています。東京の状況は詳しくないのですが、名古屋だったら、あれだけの人数で練習することはまずないので、一番印象に残っています。スパーはごくごく普通の練習相手として、『軽く』という指示もあったので、技術をつかったスパーリングになりました。何か、仕掛けてくるっていう人は一人もいませんでした」
――普段、アマチュアの人たちと練習していると、米国の一般会員生の力はどのように映りましたか。
「レベルは高いですね、やっぱり。体格的なものもあると思うんですが、僕と同じような体格の人間は、あまり名古屋のアマチュアではいないのに、ATTアトランタでは普通に同じような体の相手がしました。フィジカルの差、根本的な体の差はあると思います」
――寝技と立ち技、二つの練習に参加しました。
【写真】MMA、グラップリング、二つのクラスのあとに整列して、握手をかわすのはブラジル勢のトレーニング後によく見られる風景だ (C) MMAPLANET
「寝技では、圧力を感じましたね。細かい技術とかでなく、組んだ力の強さは大いに感じました。一人同じような体格の人で、MMAはやっていなくて、ノーギ柔術ばかりやっているという人に、カドワキスペシャルを極められました。その人は技術もあって、タイトでした。
名古屋でスパーをしていて、アマチュアの子に極められることはないのですか……。ジュカォンさんはとても親切にしてくれました」
――思わぬところでRFC関係者から熱烈なラブコールを受けました。
「まさか、こんなところでって思って驚きました。でも、あんなに食いついてくるとは思わなかったです(苦笑)」
――ところで今回、この出稽古の旅に参加した理由は?
「前々から来たかったこともありますし、現実的な問題でいうと、連戦するのが目的で受けた試合で、ファイトマネーを頂けたので、『自分のなかで行って来い』ということだと理解することにしたんです。発さんから行った時の話を訊いたりして、自分も来たいと思っていたので、有意義な練習にしたいです」