【Interview】川尻達也 「OFCフェザー級王者になって…」
31日(土・現地時間)、シンガポール・インドアスタジアムで行われたONE FC03「War of the Lions」で、自身初となる海外での勝利をドナルド・サンチェス戦で挙げた川尻達也。
【写真】試合終了直後、ポーズを取っても安堵感が顔に表れている川尻だった (C) MMAPLANET
フェザー級転向以来、3連勝とし、想定外の三角絞めというフィニッシュでオールラウンダー振りを見せつけた川尻に今回の試合の印象、そして気になる今後を訊いた。
──三角絞めでのフィニッシュ、おめでとうございます。川尻選手の一本勝ちとしては、想定外の極め技でした。
「ありがとうございます。らしくないフィニッシュでしたね(笑)。でも、良いんじゃないですか? 日沖選手は2Rでしたっけ?(※2011年4月19日にドナルド・サンチェスと対戦し、2R1分36秒、三角絞めで一本勝ち) 俺は1Rだから、『俺の勝ち』みたいな(笑)」
──そこは意識しますか(笑)?
「意識というか、日沖選手より圧倒して勝ちたいと思っていました。まぁ、三角絞めでの一本勝ちは想定外ですけど……。ハーフを取った時点でパスはできると思って、いつもはマウントを取って肩固めへ行くところ、ヒューズ・ポジションからヒジを落としたくて。そこばっかり狙っていたらヒジがまだ、上手く落とせませんでした(苦笑)。
で、マウントに移行しようと思ったらブリッジを合わされて。三角も入りそうだったんですけど、ヒジを入れたくて……。金網に押し付けられて、ヒジを落とすスペースがなくなってしまったので、そのまま絞めました」
──いずれにせよ、非常に珍しいフィニッシュを見せて頂きました。
「高田和道戦以来ですね(※2001年9月27日)」
──以前にも三角絞めで勝っていましたっけ?
「ハイ、三角十字みたいな形で。こういう技もできるって、幅があるところを見せられたのも良かったんじゃないですか」
──基本的にチーム・メイトの石田光洋選手ともども、トップの印象が強いですが、ガードからの攻めも定評のあるところを見せつけられましたね。
「そうですね、何でもできるし。あと、『海外で勝てないのか』、『海外で力を出せないタイプなのかな』っていう気持ちが試合前からあったんです。
今回は現地に来てから買って喉を通したものって、水と豆乳だけなんです。あとは全部、日本から持ってきたものを食べて。計量のあとも、万全の注意を払ってきました」
──それでも不安を拭えなかった?
「これで負けたらしょうがないっていう気持ちと、こういう万全な時こそ何か起きるっていう不安がありましたね。調子がメチャクチャ良かっただけに、逆に不安が大きくなりました。
ホント、内臓も疲れていないし、調子が良かったので。ベストコンディションで、むしろ調子が良かったことが怖かったです」
──ケージでの戦いについては、今回はどのような印象を持ちましたか。
「金網に関しては全く違和感なくて、むしろ戦いやすかったです。ケージというか、このルールで戦うことで、今回の試合ではガードからヒジばかり狙って、パウンドがあることを忘れてしまっていましたね。
それでヒジも当たらなかったし。もっと練習をしないといけないというか……、練習はできているので、場馴れですね。ヒジ有りの試合をもっとこなさないと」
【写真】パウンドとヒジという部分で、川尻は場馴れする必要性を感じている (C) MMAPLANET
──マイクが欲しいという要求が届かなかったですが、あそこでは何を言いたかったのでしょうか。
「ONE FCのフェザー級のベルトを作ってくれって言いたかったです。それで俺がチャンピオンになって、DREAMのフェザー級のチャンピオンと戦えば、盛り上がるんじゃないかなって(笑)」
──では、今後はONE FCと日本を往復することになるのでしょうか。
「ONE FCに限らず、全世界を回って。MMAが世界で盛り上がっているのを体感して、色んなことを経験して日本に持ち帰りたいです。もちろん、日本中心に戦っていきますけど、こうこうやってDREAMの大会がない期間は、DREAMを通して海外からのオファーを待ちたいです」
──現状だと、青木真也選手のようにベラトールFCという選択肢もあります。
「ベラトールも、もちろん興味があります」
──では、この環境の下で、今、川尻選手が戦いたい相手として、誰の名前を挙げることができますか。
「現実的な部分では、パット・カーランですね。ベラトールのチャンピオンなんで。あと、カーランに負けた戦極に出ていた選手……、マルロン・サンドロなんかと戦ってみたいです」