【PXC44】カイル・アグォン 「ミチノリ・タナカのおかげで変わった」
【写真】パンチャグ戦の勝利で7勝4敗という戦績になったものの、その実力とレコードが正比例しないカイル・アグォン。スクランブルに強いが、最近は極めに拘るようになったという。リーチが長い、現代MMAにフィットした体型だ (C)MMAPLANET
6月27日(金・現地時間)にグアムのUOGフィールドハウスで開催されたPXC44で、フィリピンのトロイ・バンチャグを破ったカイル・アグォン。
田中路教、ラッセル・ドーンというかつてのライバルがUFC入りを果たした今、PXCバンタム級の頂点に立ちUFC行きを目指すアグォンは、大会終了後に控え室でコメントを求めると、日本で戦う機会も欲していることを明らかにした。
──昨年8月のラッセル・ドーン戦以来の勝利となりました。おめでとうございます。
「ありがとう。とても嬉しいよ。去年の10月にミチノリ・タナカに負けて以来、凄くハングリーでタイトル戦線に戻りたいと思ってやってきた。この試合に勝てたことで、またタイトル戦の機会を得て、そこで勝ってUFCへ行きたい」
【写真】ラッセル・ドーンとは際どい判定ながら勝利。自分が勝った相手がUFCで戦っているのを見ると焦燥感にかられるだろう(C)MMAPLNAET
──かつてのライバルであるドーン、田中選手と既にUFCで戦っていますしね。焦りもあるのでは?
「勿論、焦っているよ。僕は彼ら2人と拮抗した試合を行った。その2人がもうUFCで戦っているんだから。今夜、勝てたことで次はタイトル戦、そしてその試合にも勝ってUFCからお呼びが掛かることを願っている」
──PXCのベルトは、やはりUFC行きのチケットと考えていますか。
「そうだね。ベルトを巻いていても、巻いていなくても僕の実力は変わるわけじゃない。でも、ベルトを巻いているとUFC関係者の目に映りやすいからね。ベルトがUFCへのアクセスだと考えているよ」
──カイルはこれで7勝4敗です。グアムという土地柄か、キャリアの序盤からタフな相手との試合が多く、レコードが決してグレートではありません。4敗という結果が、その実力を隠すフィルターになっているようにも感じられます。
「その通りだね。4敗っていうのはね……。もちろん、本当に力を持っているファイターは、そういう状況でも負けることなく勝利を重ねていったんだろう。ただし、UFCを見ていると僕とは違い、楽な試合で勝利を重ねているファイターがチャンスを手にしていることは往々にある。そういうキャリアの持ち主よりも、自分の実力は優っているという自信もあるよ。だから、そういう連中と戦って力を証明する機会が欲しいんだ。
【写真】田中路教ともキャリアベストバウトといえる激闘だった。打撃のプレッシャーが強くなれば、より上のレベルに到達しそうなアグォンだ(C)MMAPLANET
去年、タナカに負けた時よりも、ずっと強くなっている。でも、タナカのおかげで僕は自分の試合スタイルを変えることができたんだ。もっとアグレッシブに戦い、フィニッシュを狙う必要性をあの試合から学んだんだ。接戦だったし、そういう姿勢が勝利へ近づくことが分かった。僕は自分がタナカと同じレベルにあるファイターだと信じているからね」
──ところで次の試合はタイトル挑戦になるのでしょうか。その田中選手が巻いていたベルトを賭けた。
「そうなって欲しい。まだ何も決まっていないけど、そうなることを願っている」
──PXCはまたタフな日本人バンタム級ファイターをカイルに用意するのではないですか。
「ハハハハ。タナカのようにかい? ツイッターで日本のササキだったけな? 彼との試合が見たいって言ってもらったり、他にも誰だ? イシハラっていうファイターかな? 僕と戦いたいってツイートしていたようなんだ。でも、日本の選手は僕と戦わなくても、UFCへ行く道が用意されているからなぁ(苦笑)。日本は強い選手が多いよ。フェザー級だけど、ヤチも今夜の勝利も本当に素晴らしかった」
──PXCだけでなく、それらの日本人ファイターと日本で戦って結果を残すという手だても考えられます。
「パンクラス、DEEP、修斗、どこでも声をかけてくれたら戦うよ。もちろん、PXCとは契約があるけど、コントラクトに問題がなかったら、アジアのどこでも戦いたい。日本で戦うことができれば、僕の名前はより国際的になるだろうしね」
──UFCが日本で、新たなにラウンドロビン・トーナメントを開き、アジアからUFC行きを賭けたバンタム級の戦いを行うという話もあります。
「凄い良い話じゃないか。それはDREAMなの?」
──VTJ実行委員会と組むということです。
「いやぁ、戦ってみたいなぁ。ホント、そのトーナメントでもDEEPでもパンクラスでも日本で戦ったみたいよ」