この星の格闘技を追いかける

【UFC173】伸びるディラショーの拳に対し、バラォンの反応は??

Barao vs Dillashaw

【写真】5月のメモリアルデー・ウィークエンドのPPV大会でメインが軽量級の世界戦になるのは2008年のBJ・ペン×ショーン・シャーク戦以来、6年振りとなる (C)MMPLANET

24日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスMGMグランドガーデン・アリーナで開催されるUFC173「Barao vs Dillashaw」。メインはタイトル名にあるようにUFC世界バンタム級選手権試合、王者ヘナン・バラォンにTJ・ディラショーが挑戦する一戦が用意されている。

本来、水垣偉弥と対戦予定だったディラショーは、今大会から7月のUFC175を巡る一連のメインカードの変更により、王座挑戦の機会が回ってきた。チーム・アルファメール所属でMMAキャリアは9勝2敗、TUFシーズン14ファイナルではジョン・ドッドソンに不覚を取ったが、その後もハファエル・アスンソン戦のスプリット判定負けまでオクタゴン4連勝も経験している。

日本の田村一聖にはハイキックを放った際にヒザがアゴに命中しTKO勝ち。一番最近の敗北となるアスンソン戦も倒し倒されという派手な展開でなく、非常に拮抗した一戦でファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得しており、ラウンドマスト制が生んだ敗北、実力的に後れを取っている印象は全くなかった。ドッドソン戦の頃に見られたような、パンチを打つ際にガードが下がる悪癖も改善され、その長いリーチをコンパクトに、よりダイレクトに駆使できるようになっている。

ディラショーのシングルレッグからバックを取る速さは、MMA界随一といっても良い。あとは攻撃を受ける際に如何に真っ直ぐ下がらないかが、重要になってくる。真っ直ぐ下がらないという動きは、王者バラォンにも不可欠だ。この試合で、キャリア34戦目、挑戦者の3倍以上の試合経験を持つバラォンは、2度に渡りアルファメールのリーダー、ユライア・フェイバーを下している。特に前回、2月の試合では蹴り技を駆使するなかで、右のオーバーハンド気味のパンチの破壊力を大いに見せつけた。

バラォンの強さは相手の隙を突く試合運びのなかで、必要となる技を正確に繰り出せること。先のユライア戦では、蹴り技を見せておいてユライアの反応を探り、蹴りに合せてパンチを打ってくるように誘い込み、右を伸ばしていた。ただし、ディラショーはユライアと比較すると上背もあり、パンチが伸びる。公称ではディラショーは珍しく短く見積もったのか、バラォンの方が長いことになっているが、試合の印象では遜色はなさそうだ。そして下がる相手への追い足が異様に速い。打撃のプレッシャーを受けて下がった相手にはシングルで組みついてからバックへ。テイクダウンのプレッシャーで下がった相手には右ストレートや右ハイキックを放っていく。ここでまた相手が下がると、組みへ移行ととにかく真っ直ぐ下がる相手に強い。

蹴りを掴むことにも長けているので、バラォンはどのような試合の組み立てを見せるか。アスンソン戦では、意外とパンチを被弾していたディラショーだけに、逆にパンチを受けると、動きが直線的になり、足が止まる傾向も見られた。バラォンが回りながらパンチを入れることができれば、挑戦者はペースを握ることができなくなる。王者が回って打撃を出すのか、下がって打撃を出すのか。この辺りのディティール(?)に注目したい。

■ UFC173対戦カード

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ヘナン・バラォン(ブラジル)
[挑戦者] TJ・ディラショー(米国/4位)

<ライトヘビー級/5分3R>
ダン・ヘンダーソン(米国/6位)
ダニエル・コーミエー(米国/4位)

<ウェルター級/5分3R>
ロビー・ローラー(米国/1位)
ジェイク・エレンバーガー(米国/5位)

<バンタム級/5分3R>
水垣偉弥(日本/6位)
フランシスコ・リベラ(米国/10位)

<ライト級/5分3R>
ジェイミー・ヴァーナー(米国)
ジェイムス・クラウス(米国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・キエーザ(米国)
フランシスコ・トリナルド(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
菊野克紀(日本)

<バンタム級/5分3R>
クリス・ホールズワース(米国)
チコ・カムス(米国)

<ライト級/5分3R>
アル・イアキンタ(米国)
ミッチ・クラーク(カナダ)

<ライト級/5分3R>
アンソニー・ンジョグアーニ(米国)
ビンチ・ピチェル(米国)

<フェザー級/5分3R>
サム・シシリア(米国)
アーロン・フィリップス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
デビッド・ミショー(米国)
リー・ジンリャン(中国)

PR
PR

関連記事

Movie