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【ADWP】アブダビプロ無差別級:最強決定1Rはブシェシャが制す

17日(木・現地時間)から19日(土・同)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのザイード・スポーツシティ内のFBGアリーナで開催されたアブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術。レポート最終回は優勝賞金3万ドルを賭けた黒帯アダルト無差別級の3位決定戦と決勝戦の模様をお届けしたい。

【3位決定戦】
アンドレ・ガルバォン(アトス)
Def. レフェリー判定
キーナン・コーネリアス(アトス)

同門対決を決行した両者。下を取ったコーネリアスは50/50を作るが、ガルバォンは前方に身を投げ出すようにして距離を作って足を引き抜く。それならばとコーネリアスは外回りでバックを狙いにいき、再び50/50に変化。ガルバォンは片腕をマットに付けて支点として、再び足を抜く。その後はガウヴァオンが、横に飛んでのパスや、低い形からの担ぎ等の得意の形で攻めるが、コーネリアスも防いで試合終了。レフェリー判定はガルバォンのものに。何がなんでも勝たなければならないという雰囲気こそなかったものの、手を抜くこともなく戦った両者だった。それにしても今回、ブラウリオ・エスティマと1勝1敗の戦績を残し、師のガルバォンとも互角に闘ったコーネリアス。正真正銘、世界最強グループの仲間入りを果たしたといっても過言ないだろう。

【決勝】
マーカス・アルメイダ(チェッキマット)
Def. 2-0
ホドウフォ・ヴィエイラ(GFチーム)

無差別級世界最強の柔術家を決める戦いは、今回もこの2人の間で争われることに。ブシェシャに分の悪いヴィエイラとしては、なんとしても雪辱を果たしたいところだ。

試合開始後すぐに凄まじいスピードでヴィエイラに襲いかかったブシェシャは、頭を下げさせてがぶり、片足を掴んでなぎ倒す素振りを見せてからハーフに引き込む。と同時にギロチンを仕掛ける怒濤の先制攻撃も、ヴィエイラが頭を抜くとハーフ上で胸を合わせた絶好の姿勢に。ブシェシャの脇をすくって低く圧力をかけて膝を抜きにかかるヴィエイラ。

ヴィエイラにこの体勢を作られてパスを防げる対戦相手は、殆ど存在しなかったが、ブシェシャはパンツや帯を掴み、また少ないスペースを使って体を動かして足を抜かせない。それでもアドバンテージを獲得したヴィエイラは低く抑え続ける。やがて両者の体が場外に近づいたためレフェリーがブレイクを命じる。

マット中央に移動してヴィエイラが上で、ハーフの体勢を再び作った両者。しかし、ブレイク前よりプレッシャーがやや甘い状態から再開したこともあってか、すぐにブシェシャが前腕のフレームで距離を作って立ち上がることに成功する。

両者スタンドに戻って組み合うと、ブシェシャが背負いを仕掛ける。これを防いだヴィエイラも背負いのお返し。次の瞬間ブシェシャはヴィエイラの背後から飛びついて腕十字を仕掛け、両者の体が着地するとその勢いのままスイープへ。豪快に返されたヴィエイラが抑えられる前に立ち上がると、追っかけたブシェシャが足を取ってテイクダウンへ。そのまま両者は場外に出て、ブシェシャにアドバンテージが与えられる。残り試合タイム1分少々となったところで追い付いてみせた。

一つのアドバンテージが命取りとなる状況下で、スタンドで探り合う両者。ここで仕掛けたのは、試合の大半を下で過ごし不利と見られるブシェシャの方だった。引き込むとすぐに首抜き(肩抜き)前転の要領で体を丸め、豪快に前転しながら右足でヴィエイラをリフトしてのトルネードスイープ。 体勢を崩されたヴィエイラはうつ伏せの体勢で堪えるが、ブシェシャはヴィエイラの足を捌き、残り5秒のところで上体を起こす。するとヴィエイラが逆にトルネードスイープにトライする。ブシェシャは返されずに体を捻って正対するような形で着地する。最終的に上になったブシェシャに2Pが入ったところでタイムアップ。劇的な形でブシェシャが連覇を果たした。

ブシェシャはダイナミックな動きから繰り出される暴風雨の如き攻撃力に加え、終盤で発揮される無類の勝負強さを見せた。対してヴィエイラも体格に劣るものの凄まじい地力と圧力で互角に渡り合った。ギあり柔術界において、現在この二人の実力は他から頭二つほど抜けているといって良さそうだ。今回、結果はまたしてもブシェシャの勝利となったが、次回のムンジアルでの対戦がますます楽しみとなるような 「2014年版・世界最強柔術家決定戦」の第1ラウンドだった。

■アブダビプロ2014 計量4階級の結果

【64キロ以下級】
優勝 ジョアオ・ミヤオ(シセロ・コスタ)
準優勝 チアゴ・ブラボー(UAE柔術)
3位 サミール・シャントレ(カイオ・テハ)

【70キロ以下級】
優勝 レオナルド・サギオロ(BTT)
準優勝 ヤコブ・ロスカ(UAE柔術)
3位 ジャンニ・グリッポ(アリアンシ)

【76キロ以下級】
優勝 ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ)
準優勝 セルジオ・ベニーニ(バッハ)
3位 ミシェル・マイア(UAE柔術)

【82キロ以下級】
優勝 レアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)
準優勝 ヴィクトー・エスティマ(バッハ)
3位 クラウディオ・カラザンス(アトス)

【88キロ以下級】
優勝 アンドレ・ガルバォン(アトス)
準優勝 ホムロ・バハル(バッハ)
3位 ヘナート・カルドッソ(チェッキマット)

【94キロ以下級】
優勝 ブラウリオ・エスティマ(バッハ)
準優勝 タルシシオ・ジャーディン(チェッキマット)
3位 キーナン・コーネリアス(アトス)

【100キロ以下級】
優勝 ホドウフォ・ヴィエイラ(GFチーム)
準優勝 ルイス・パンザ(バルボーザ)
3位 イゴール・シウバ(コマンドグループBJJ)

【100キロ超級】
優勝 マーカス・アルメイダ(チェッキマット)
準優勝 アレキサンダー・トランス(チェッキマット)
3位 ヒカルド・エヴァンゲリスタ(コマンドグループBJJ)

【無差別級】
優勝 マーカス・アルメイダ(チェッキマット)
準優勝 ホドウフォ・ヴィエイラ(GFチーム)
3位 アンドレ・ガルバォン(アトス)

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