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【UFC LIVE】王者ドミニク、完璧な強さで防衛に成功

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ドミニク・クルーズ(米国)
Def.判定3-0:50-45、50-45、49-46
[挑戦者]デミトリウス・ジョンソン(米国)

まずはオーソドックスのドミニクが右ローを放っていくと、大きな振りの右を見せ、距離を詰めていくジョンソン。ドミニクもケージ際を移動する。ドミニクの動きに負けず、ハイキックからテイクダウンを仕掛けたジョンソンだったが、ドミニクが反対に投げていく。大きく腰を浮かしたジョンソンは、同体で立ち上がるが、ドミニクはヒザ蹴りからトップを奪う。

ジョンソンからパスを奪ったドミニクは、サイドをキープしケージ際に移動する。足を戻し、バタフライガードの態勢となったジョンソンが、ケージを背にして立ち上がろうとすると、腰や足をコントロールしていたドミニクがエルボーを見せる。

立ち上がって距離を取ったジョンソンは、ハイキックをキャッチされ倒されるが、ここからヒザ十字を狙っていく。足を抜いてトップを取ったドミニクが、バックを狙ったところで試合はスタンドに。


ここでジョンソンが初めてテイクダウンからドミニクに尻もちを突かせると、立ち上がったドミニクとの距離を詰めたジョンソンの右がヒット。再び組みついたジョンソン。テイクダウンはならなかったが、ドミニクを削っていく。

ノンストップ&ハイスピード・アクションのバンタム級戦、インターバル中は、ドミニク、ジョンソンともに懸命に息を整える。

2R、開始早々、右を伸ばしたドミニクに、パンチを返していったジョンソンが組みつくが、テイクダウンを奪ったのはチャンピオンだ。

立ち上がろうとするジョンソンのボディにヒザを入れるドミニクだが、立ち上がるやすぐに王者をケージに押し込んでいく。ダブルレッグ狙いから、ボディへのヒザを見せたドミニク。距離を保つことができず、いつものような幻惑ファイトを仕掛けられない。

それでも挑戦者のテイクダウン狙いを冷静に切り、逆にケージに押し込むなど、試合のリズムを譲ることはない。ヒザにボディを入れて、投げを狙ったジョンソンにダブルレッグを仕掛けたドミニクだが、反対にダブルレッグでケージに押し込まれる。

ケージ際の攻防で、首相撲からヒザを見せ距離を取ったドミニクが、遠い距離からリズムを掴もうとするも、ジョンソンが距離を詰めて右を見せる。ケージ際にフライングニーを見せたチャレンジャー。ドミニクはよけると逆に距離を詰める仕種を見せる。左ジャブ、ヒザを見せたドミニクに、ダブルレッグを合わせたジョンソン。だが、ドミニクは逆にジョンソンに尻もちを付かせると、バタフライガードから立ち上がりたいジョンソンの腰をコントロールし、首を殺したドミニクがエルボーを落として2Rを戦い終える。

3R、ジョンソンの前進をかわし始めたドミニクの回りをジョンソンがサークリングする展開に。前に出る王者に、スイッチを使ったサークリングを見せたジョンソンが、小手を差して投げを見せるも、王者はバックと取って後方にスープレックスで投げ捨てる。

そのままバックを制したドミニクは、バックマウントからリアネイキドチョークを狙う。右腕を首に回したドミニクは、そのままフェイスロックの状態に取るが、ジョンソンも懸命にロールして耐えようとする。腕を手繰り寄せ、難局を逃れたジョンソンに対し、ドミニクが疲れた表情を初めて見せる。

それでも踵をとって、テイクダウンに成功したドミニクは、腰をコントロールしてトップキープに。残り1分、トップをしっかりと固める王者に、ジョンソンがバタフライガードから蹴り上げて立ち上がろうとするが、ドミニクはそれを許さない。ならばと潜りから、立ち上がったジョンソン。ドミニクはボディにヒザを突き上げ、3Rを戦い終えた。

チャンピオンシップラウンドと呼ばれる4Rに突入した王座戦。ジョンソンの動きは落ちることなく、鋭い右ローを放っていく。王者よりもスイッチを多用するジョンソンに対し、ドミニクはいつものように距離をコントロールできない。それでも接近戦やレスリングの展開で有利な態勢を作る王者だが、明らかに手数は少なくなってきた。

それでも、ケージにジョンソンを押し込んでダブルレッグでテイクダウンを奪ったドミニクが再びトップキープに。ハーフから足を伸ばしに掛かったジョンソンだが、この動きによって足を抜かれ、そのままマウントを許してしまう。

脇を抱えるジョンソンは、バタフライガードに戻すが、下になった展開が続く。頭を起こしたジョンソンは、ドミニクのシングルから逃れて打撃戦へ。距離を詰めて、左から右ハイを伸ばしたジョンソン。スタミナは挑戦者の方があるように見えるが、ドミニクはここでも組みついてテイクダウンを奪う。

残り20秒、立ち上がったジョンソンにヒザを入れた王者。ジョンソンも左ハイを見せるが、シングルに捉えられたカタチで4Rがタイムアップとなる。

試合は最終ラウンドへ。両者、左手を合わせて、最後の5分間へ。ここにきてギアを上げた挑戦者が、パンチの連打、蹴りを見せるが、バックに回ったドミニクが、再びバックスープレックスを見せる。そのままサイドに回る巧みさを持つのが、彼の強味だ。

サイドでトップをキープし、足を戻してきても、なお首を殺しながらパンチを落としていく。インサイドガードからエルボーを落とした王者。ジョンソンも本来は巧みなガードワークを持つが、ケージまで移動して立ち上がろうと抵抗するので精いっぱいだ。

その立ち上がる動作を潰していくドミニクだが、チャレンジャーは残り2分半となってスタンドに戻ることに成功する。ヒザ蹴りからアッパーを見せたジョンソン。ドミニクは冷静にかわして中央に戻ると、真っ直ぐケージに押し込まれながら、小手を決めて投げを見せ、立ち上がったジョンソンが、組みついてきても再び同体で投げた。

そして、残り1分、前に出てきたジョンソンにダブルレッグを決め、そのままマウントへ。背中を見せるジョンソンのワキを差すが、ジョンソンは暴れて立ち上がる。時間を確認したジョンソンが、逆転を賭けて前進するが、ここでも王者はダブルレッグを決め、5Rの戦いの総仕上げを見せた。

スピードだけでは挑戦者に分があったかもしれない世界戦。王者ドミニクは、組み際の強さを発揮し、独特のステップワークが封じられてなお、その強さを見せつけた。判定は、50-45が二人、49-46が一人という完璧な強さで、ドミニクが王座防衛に成功した。

「彼は凄くタフだった。彼のスピードは分かっていたから、驚くことはなかった。今日は少し僕のグラップリングを見せたけど、彼はタップをしなかった。2度ほど、深くチョークが入ったけど彼はタップしなかった。それが世界最高レベルの戦いだよ。僕はここで歴史を作る」と王者はクールなコメントを残して、完勝劇を振り返り、対するジョンソンは、「ラッシュを掛けるのが早かった」と左頬を大きく腫らして語った。

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