【UFC333】アーロン・ピコと対戦、ルシーニ・ケイタ「路上で戦って自分の強さを示す必要があった」
【写真】17勝2敗。11のKO勝ち、凄まじくパワフルな打撃を持つ (C)MMAPLANET
24日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUFC333「Volkanovski vs Evloev」。同大会でフェザー級=アーロン・ピコ×ルシー二・ケイタの一戦が、メインカードで組まれている。
Text by Manabu Takashima
同大会に出場するブラジ・オキ。PFLで注目されるボリス・アトンギャナ、パトリッキ・アビホハ。そしてケイタとベルギーの注目ファイターには共通点がある。
オキとアビホハはベルギー生まれだが、前者はナイジェリエとジンバブエの血が流れ、後者はルアンダ系。アトンギャナはカメルーン生まれで、ケイタもギニアで11歳まで育った。4人揃って、ルールがアフリカにある。
アフリカン・ヨーロピアンは確実にMMA界のパワーハウスとなっている。肉体的資質を持ち、ハードな生活環境でメンタルが鍛え上げられハングリーさを持つ。そして、欧州MMA市場にはローカルショーからドメスティック・ビッグショーとキャリアアップできるショーが存在する。
そんな薄っすらとしたアフリカ系ベルギー人ファイターの強さの要因を想像し、ピコというビッグネームとの試合を前にしたケイタにインタビューを行うと――。彼の口からは想像以上にハードな生活環境と、強さの要因は「猛練習」という言葉が聞かれた。
16歳で少年院に入れられて、出院した時に友人がジムで練習することを誘ってくれた
――まずファーストネームのLoseneという名の発音方法を教えてもらえないでしょうか。フランス語だとロゼヌかと思っていたのですが、ロセネ、ルシーン、ルシーネ、ロゼンと色々な名前で呼ばれていて(笑)。
「ルシーニだよ。でも、ケイタと呼んでくれれば良いよ。面倒くさいからね(笑)」
――承知しました。ではケイタはギニア生まれ、ベルギーで育ったという認識で正しいでしょうか。
「ちょっと複雑な話なんだけど、若くして俺を生んだ母は経済的にも俺を育てることはできず、祖母の下でギニアで育てられたんだ。母は結婚して、欧州に移り住んだ。11歳の時に祖母が病気になり、俺の面倒を見ることができなくなったので母の所へ行くことになったんだ。最初はパリ、そしてベルギーのコルトレイクで生活をするようになった」
――フランス語圏からフランス語圏では、言葉の壁はなかったのでしょうか。
「フランス語はギニアの公用語とされているけど、ギニアは多くの民族がいて、それぞれの言葉もある。俺はマリンケ語を主に使っていたから、フランス語はそれほど上手くはなかった。肌の色も違うし、浮いた存在で問題は絶えなかったよ。
結果、喧嘩に明け暮れた日々を送るようになった。家に戻ると、兄弟や姉妹とはマリンケ語で話していたけど、外ではそうはいかない。友達を作ることは難しくて、自分の居場所がなかった。言葉を話せるようになると解決したけどね」
――そんなケイタがMMAを始めたのは?
「喧嘩ばかりしていたから16歳で少年院に入れられて、出院した時に友人がジムで練習することを誘ってくれた。『ケイタ、お前は強い。だから、その力をストリートでなくて、リングで生かせ。俺と一緒にジムに行こう』と。
俺はMMAの事も知らなかったし、何か格闘技をやっているわけでもなかった。その友人に連れられてジムに行き、今、ここにいる。MMAから離れられなくなった」
――格闘技の練習をする以前から、路上で鳴らした。その強さの源は何だと思っていましたか。
「ベルギーにやってきてからは、路上で戦って自分の強さを示す必要があった。だから絶対的に負けられないというメンタルを持っていた。言うと、俺は路上の王様だった(笑)。MMAを始める前から、腕っぷしの強さでこの名が知られるようになっていたんだ」
――喧嘩だと素手でなく、武器を使うということはなかったですか。
「まぁ、ストリートファイトだからナイフや拳銃が使われることだってあった。そして、俺はそういう中で成り上がった。今からするとクレイジーな日々だったよ。でも、当時の俺にとってはそれが日常だったんだ」
――そこで生き残り、成り上がった。天賦の才があったとしか言いようがないですね。
「まぁ、才能はあっただろう(笑)。ファイトはケージの中だけでなく、人生に常に付随していたからね。ずっと戦い続けてきた。分かるだろ? 俺はリアル・ファイターなんだ」
――MMAはストリートと違って、鍛え上げたファイターが相手になる場所かと思うのですが。
「正直、あまり変わらない。相手が俺を潰そうとしている点は、同じだ。戦い自体、技術的には違うけど負けられないという状況は同じだ。なら、そこで一番になるしかない。そういうメンタルでいることも同じだし、そのために受けるプレッシャーも変わらないよ」
――な、なるほどです。ところで今、ベルギーのMMA界はアフリカ大陸にルーツを持つファイターの活躍が非常に目立っています。アフリカン・ベルジアンの強さの秘密は、どこにあると思いますか。
「秘密でもなんでもない。ただ、必死に練習することだ」
――押忍。そんなベルギーを含んだ欧州のMMA界には英国のCage Warriors、フランスのAres FC、ポーランドのKSW、過去にはPFL Europeという世界への登龍門が存在しているなかで、ケイタはチェコのOKTAGONでキャリアを積みました。OKTAGONをステップアップの場としたのは、何AGONと契約した時、あのプロモーションがあんな大きなショーをしていることは知らなかった。ともかくヨーロッパを拠点に戦っているなら、その場所で一番になることが絶対だ。結果、OKTAGONでの経験が生きて、今、UFCで戦うことができている。
OKTAGONでは多くのことを経験できた。ただし、やはりUFCだ。UFCはプレッシャーが違う。世界中から世界一を目指すファイターが集まってくるわけで。それにメディアの注目度も違う。だからこそ、Beto of the Bestが決まる場所なんだよ。プレッシャーが強い分、エキサイトできる。それが他の大会とUFCの違いだ」
アーロン・ピコは偉大なファイターだよ。ただし、もう彼の時代じゃない
――そして今週末にはBellator時代から注目を集めてきたトップファイターのアーロン・ピコと対戦します。
「アーロン・ピコは偉大なファイターだよ。ただし、もう彼の時代じゃない。今の俺は彼よりずっとハングリーで、結果を求めている。これからは俺、ケイタの時代だ」
――アーロン・ピコと戦って、自身のアドバンテージはどこになると考えていますか。
「全てだ。どの局面でも俺が上回っている。だから、今回の試合は判定決着にはならない。スタンドでもグラウンドでも、アーロン・ピコを倒す。俺の方がコンプリート・ファイターだから。過去最高のケイタを皆に見せたい。もっとランキングで上にいるべきだと、皆が思うファイトをする」
――ところでPFLは5月にブリュッセルでビッグショーを開催しました。ケイタもUFCベルギー大会の実現に期待しているかと思います。
「この力で、ベルギーでUFCを開くことが俺の夢だ。そのためにもハードワークを続けるだけ。その結果、どんな将来が待っているか楽しみにしている」
■視聴方法(予定)
10月24日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
午後10時45分~U-NEXT
■UFC333対戦カード
<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者] モフサル・エフロエフ(ロシア)
<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ピョートル・ヤン(ロシア)
[挑戦者] マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ(英国)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)
<ヘビー級/5分3R>
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
リズヴァン・クニエフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
ルシーニ・ケイタ(ベルギー)
<ライトヘビー級/5分3R>
ドミニク・レイエス(米国)
アブドゥルラクマン・ヤキャエフ(トルコ)
<ミドル級/5分3R>
アブス・マゴメドフ(ドイツ)
キャム・ロウストン(豪州)
<ライト級/5分3R>
グランド・ドーソン(米国)
ニュルロ・アリエフ(タジキスタン)
<バンタム級/5分3R>
コルビー・シックネス(豪州)
アサフ・チョプロフ(ロシア)
<ミドル級/5分3R>
ジェイコブ・マルクーン(豪州)
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ジェイコビ・スミス(米国)
アブバカル・ヴァガエフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
ダニエル・サントス(ブラジル)
ブラジ・オキ(ベルギー)
<ライト級/5分3R>
ノア・ギュニョン(フランス)
コディ・スティール(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
イアズミン・ルシンド(ブラジル)
ニコーリ・カリアーリ(ブラジル)















