Overlooked【Black Combat BnD Black Cup SF#02】山崎&TOMA、ケジメの勝利。田中有はキャリア・ベストバウト、チーム・ジャパンが3連勝
【写真】田中有は体格差のある相手に、削られないファイトで打撃を入れていった――根性の勝利だった (C)LEE GYO DUK
スケジュールの都合により速報できなかった試合をお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。今回は29日(土・現地時間)、韓国はプチョンのプチョン体育館で開催されたBlack Combat BnD Black Cup SF#02「Japan vs USA」から、Black Cup準決勝=日本×米国の前半戦の模様をお届けしたい。
序盤の3試合はフライ級、フェザー級、ウェルター級――つまりは3月の準々決勝で自らの体重オーバー、対戦相手の体重オーバーの違いはあるが日本勢が星を落とした3階級の試合となる。
スタンドで様子見のファイトから、勢いのある右カーフを蹴った山崎は、トーレスのハイを受けそうになる場面もあったが、スイッチスタンスに惑わされることなく右フックをヒットさせる。トーレスもワンツーを返し、これを被弾した山崎は事前に「寝技が全然できない」と言っていたトーレスをテイクダウン。しかし、トーレスは腕を差してレッスルアップでスタンドに戻る。
蹴り足をキャッチしてシングルレッグ、しっかりと上を取り切った山崎は腕十字から三角をセットされる。しかし、この仕掛けはルーズで肩の自由がきき、左右のパンチを落とす山崎。下からのエルボーこそ受けたが、山崎は極められる心配はなく、最後はクラッチが解かれたところでパンチを打ち込んだ。
2R、山崎はカーフから左右のフックを入れ、ダブルレッグで早々にテイクダウンを決める。エルボー&パウンドを落とし、パスの圧力を強める山崎。背中を見せたトーレスは、両足をフックされパンチを後方から受ける。背中が伸び、半身から上を向いてハーフに戻したトーレスに対し、山崎はパンチを続ける。ニーシールドにも鉄槌を落とし、レッスルアップ&シングルにはバックを制すなど、山崎の一方的な展開で試合は進む。
トーレスが立ちあがっても、前方に崩した山崎はワンフック&パンチを続ける。と、後頭部へのパンチの注意を受けた山崎。エルボーでカットに流血のトーレスは、時間を使って体力の回復につとめる。約2分後にスタンドで再開され、トーレスはショートのフックからハイも、山崎は右オーバーハンドを振るう。さらにワンツーを伸ばし、右フックをヒットさせた山崎は明白にラウンドを取った。
最終回、トーレスがボディから右オーバーハンド。かわした山崎はステップインに左フックを合わせ、ワンツーを伸ばす。さらに右を当てると、シングルレッグでテイクダウン。すぐにハーフに取り、三角狙いを潰した山崎はパスからサイドで抑える。
腹ばいになったトーレスの背中に乗り、オタツロックの山崎。ツイスターを狙いつつ、パンチ&鉄槌を入れてトーレスの背中を伸ばし、ここからパンチを連打する。
トーレスは必死に上を向こうとし、山崎はバックを重視でボディトライアングルに移行。そのまま後方からパンチを打ち続けた山崎が、守り一辺倒のトーレスを大差の判定で下した。
先鋒=山崎の勝利に続き、ケージインしたのは次鋒=TOMA。準決勝では体重オーバーの強豪ヴィクトル・ウゴに右ハイで敗れた(※トーナメント戦としては、白星)が、6月にLemino修斗TORAOのメインで田中半蔵をKOし、Black Cupに戻ってきた。対するマクルヘイニーは35歳、9勝3敗のファイターだ。変則的な動きで近づくマクルヘイニーに右フック、左ストレートをヒットさせたTOMA。さらに右フック、左ストレートと好調な立ちあがりを見せる。TOMAは右オーバーハンドを当て、マクルヘイニーがサウスポーの構えから左ロー&右ハイを狙う。
独特のリズムでスイッチ&ステップインするマクルヘイニーは、左オーバーハンドでダウンを奪う。TOMAはすぐに立ち上がり、逆に左ストレートでダウンを奪い返す。パウンド狙いのTOMAはマクルヘイニーの三角絞めから腕十字も、腕を抜いて難を逃れる。試合はスクランブルでクリンチの展開となり、マクルヘイニーがバックを取る。胸を合わせウィザーのTOMA、その右足をマクルヘイニーは踏み続けるがブレイクに。残り30秒の打ち合いでTOMAは左ストレートを決め、ジャブ、右ボディフック。マクルヘイニーが右フックを返しても、TOMAは全くひるむことなく左を打ち込んで時間に。
2R、マクルヘイニーの左オーバーハンドをかわしたTOMAが、左ボディ、フックを打ち込みケージを背にしたマクルヘイニーにラッシュをかける。首相撲の展開から離れたTOMAに対し、明らかにマクルヘイニーは動きが落ちている。それでも前に出てくるマクルヘイニーの右をブロックしたTOMAが、腹を抉る。大きく息をつくマクルヘイニーは右ストレートを被弾。大きく息をするマクルヘイニーが、蹴りで前に出る。
TOMAは狙いすまして左をヒット。続く左ストレートに、体を曲げてしまったマクルヘイニーに対し、TOMAは深追いせず、スピニングバックフィストをかわし左を伸ばす。さらに左カーフから右ジャブ、完全に間合いを支配しているTOMAが左ハイ。続いてワンツー、右ボディ&右フックと一方的に攻め続けた。
最終回、まず左インローを蹴ったTOMAは、マクルヘイニーのシングルレッグを切ってサッカーボールキック。引き込んだマクルヘイニーをスタンドに戻し、跳びヒザ。ここも引き込むように下になったマクルヘイニーは。ローを蹴れと挑発し「大丈夫だ」と意味不明のアピールをする。
ここまでくると倒しきりたいTOMAだが、組まれてバックを許す。右足の甲をスタンプするマクルヘイニーは、勝利が頭にないのかクリンチを続ける。残り2分で離れたTOMAは、左ハイ。さらに左ストレートからインローを蹴る。体を屈めて、横目でTOMAを伺うマクルヘイニー。何とも微妙な空気感のなかで、逆転の一発を受けないように戦うTOMAが左ミドルを効かせる。残り10秒、TOMAはパンチの連打からスピニングバックキックを入れ3-0の判定勝ちを収めた。
2勝となった日本勢、五将は田中有だ。本来はライト級の田中は、準々決勝大会で代役出場し、1キロ以内の体重オーバーでリカバリーフリーだったルカス・マルケスとの体格差の前に抗うことができずパウンドアウトされた。トーナメント戦期間内の階級変更が認められないなか、田中陣営は階級が違う危うさを十分に理解して、ハンシンガー戦に挑んだ。
田中は出入り重視、足を使うファイトで右カーフを蹴る。さらにスイッチも見せ、左オーバーハンドを狙う。左フックから右ストレートを入れた田中が、続いて左も当てる。しかし、打った場所に留まるとハンシンガーのワンツーが襲い掛かる。ケージを背負った田中がダブルレッグを切る。スタンドに戻ると、田中は打撃戦のなかで自らダブルレッグを仕掛ける。逆にケージに押しこまれ、バックを許した田中。
ワンフックで座ったハンシンガー……ダブルを切った後の攻防だけに勿体なかった。しかし、ここはBlack Combat、このバックでも躊躇なくレフェリーがブレイクを命じ、田中は削られるという部分で明白に助けられた。
2R、まずは前蹴りを見せたハンシンガー。田中はここも足を使う。その先を読むようにスピニングバックキックを見せたハンシンガー。間合いを取り直した田中が右を伸ばす。ハンシンガーが圧を掛けるタイプでないことも幸いし、田中はタイミングを見てジャブをしっかりと入れる。ここから右につなぐこともできた田中だったが、ハンシンガーがダブルレッグでテイクダウンを奪う。
キムラから立ち上がった田中は、もう一度前方にテイクダウンを許す。それでもバックに回ったハンシンガーを前方に落とした田中は、打撃の間合いに戻ると右カーフ。左から右、さらに右を振って前に出る。直後にハンシンガーがダブルレッグで尻餅をつかせる。立ちあがった田中に対し、ハンシンガーはリフトから落としバックへ。スタンドで両足フックを許した田中だったが、前方に落としかかる。
そのまま背中にしがみつくハンシンガー。田中は打撃でダメージを受けずに最終回を迎えることとなった。
3R、スピニングバックフィストを見せた田中。ワンツーで前に出て、細かいパンチからダブルレッグへ。切ったハンシンガーが逆に押し返すが、打撃でリードしているなかで相手が組んでくる展開は悪くない。と、田中は離れたハンシンガーにパンチで追いかける。ハンシンガーは打撃で応じず、田中が圧をかける。左リードフックに続き、ワンツーを決めた田中。ハンシンガーのテイクダウン狙いをスプロール、がぶってヒザを入れる。
ハンシンガーが立ちあがっても、組み勝ち、田中は離れて右オーバーハンド、左ボディストレートを打っていく。残り90秒、疲れが目立つハンシンガーに右カーフを蹴った田中は、ワンツー。ジャブを被弾しても、左右のコンビで前に出て完全に打ち勝つ。
ここから組んだ田中は、ハンシンガーのテイクダウン狙いを切ってヒザを入れ、シングルでケージに押しこまれながらパンチを打ち続けた。サッカーボールキックこそ出せなかった田中だが、3-0で判定勝ち。キャリア・ベストバウトといっても過言でない、気持ちが入ったファイトで日本チームのリードを3に広げた。
■ Japan vs USA 五将戦までのリザルト
<フライ級/5分3R>
山崎蒼空(日本)
Def.3-0:30-25.30-26.30-26
アイザイア・トーレス(米国)
<フェザー級/5分3R>
TOMA(日本)
Def.3-0.29-28.29-28.29-28
ダニエル・マクルヘイニー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
田中有(日本)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
マイルズ・ハンシンガー(米国)




















