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【Grachan84】ヒクソン・ザ・キングを迎え撃つ伊藤空也「後楽園ホールの歴史に名を刻むような戦いを」

【写真】取材が行われたのは8月21日。グラチャン初となる後楽園ホール大会を務める王者としての落ち着きを見せていた(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(水)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるGrachan84で、伊藤空也がヒクソン・ザ・キングと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

伊藤にとっては昨年12月、手塚基伸を相手にGrachanバンタム級王座の初防衛を果たして以来、8カ月振りの試合。Grachan初の後楽園ホール大会で、Fusion FC同級王者のヒクソン・ザ・キングと対戦することとなった。Road to UFCトーナメント初戦で敗退しながら、一度敗れている手塚にリベンジを果たし、いざこれから――という時に腰のヘルニアを発症し、ブランクをつくってしまう。そんななか後楽園ホール大会のメイン、しかも国際戦が組まれた伊藤がGrachanを代表する選手としての自負を見せる。


「どうキャリアを終わらせるか」ということ、と同時に「どう強くなっていくか」

――お久しぶりです。昨年12月の防衛戦以来の試合となります。8カ月も試合間隔が空いたのは、今年に入りヘルニア発症していたそうですね。

「そうなんです。今年1月に腰のヘルニアを発症してしまいました。ヘルニアがなければ3月にエターナルMMAの試合があったかもしれないですけど、試合ができない状態になってしまい――まさかのアクシデントで。

ヘルニアは誰にでも起こり得るもので、格闘技はそのキッカケのひとつにすぎない。だから、うまく付き合っていくしかない。手術したところで100パーセント治るわけでもなく、僕もリハビリと療養によって、試合ができるまで回復しました。少し時間が掛かってしまいましたね」

――動けるようになるまで、どれくらいの時間を要しましたか。

「発症から1カ月後にちょっとずつスパーリングができるようになりました。最初から100パーセントではなく、自分よりも体重が軽い選手と少しずつやり始める形で。その間にできることを、と思って軽いウェイトをやったりしていましたね。ただ、格闘技の練習ができないストレスはハンパなかったです(苦笑)」

――では、格闘技の練習ができるようになったのは……。

「2月はできず、3月半ばでした」

――その期間に筋力や感覚、動きは落ちていなかったですか。

「自分では分からない部分もありますけど、落ちないように頑張っていました。ヘルニアってストレッチが大切だと思うんです。ハムストリングスなどのストレッチは重点的にやっていたおかげで、今はパフォーマンスもだいぶ良くなりましたね」

――試合ができる目途が立ったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「焦りもあったかもしれないですが、6月ぐらいには試合ができるかな――とは思っていました」

――昨年12月、手塚選手に完勝した。本来ならその勢いのまま次の試合に向かいたいでしょう。しかし試合ができない状態になれば、焦りも大きかったかと思います。

「仰るとおりです。その時点で3月にエターナルで防衛戦をやる話もありましたし、僕としては試合を流してしまったという責任も感じていて。去年はRoad to UFCもあって、エターナルのベルトを巻いてから2年間も防衛戦ができていない。そろそろエターナルでも試合をしなきゃいけない、という精神的な焦りもありました。そういう焦りが一番良くないことも分かってはいるんですけど……」

――エターナルMMAでは誰と戦う話が来ていたのでしょうか。

「暫定王者のマッティ・イアン選手ですね。もともと去年対戦する予定でしたけど、イアン選手の負傷で流れてしまって。3月に改めて試合する話もありましたが、今度は僕が負傷した。さらにイアン選手は今年のRTU出場が決まったのに、それもまだイアン選手の負傷で流れてしまった。だから僕との試合もどうなるか――別の相手になるかもしれませんね」

――これは「たられば」ですが……もし3月にイアン選手を倒していれば、今年もRTU出場があったかもしれない、とは考えますか。

「う~ん、それは分からないです。バンタム級には同じチームの南友之輔もいましたし」

――伊藤選手の中には、もう一度RTUに挑戦したいという気持ちはありますか。

「……、……、……そうですね、うん。その気持ちは、なくはないです。でも去年挑戦して、一回戦で負けてしまいました。そんな僕が『もう一回挑戦させてください』と言うのは……、……UFCってそういう世界じゃないだろ、とは思います。やっぱり一度RTUに挑戦した者としては分かるんです、『今の自分にその資格はないのかな』と。

だから今は別の手段というか、別の道をつくっています。今年30歳になって、35歳がピークだとすれば、あとは『どうキャリアを終わらせるか』ということ、と同時に『どう強くなっていくか』ということを考えていかないといけないですよね」

グラチャンというホームで、チャンピオンが負けるわけにはいかない

――その「別の道」については、エターナルMMAやグラチャンのベルト以外にも考えているものがあるということですか。

「あるには、あります。その前にまずエターナルで防衛戦をしなきゃいけない、というのがひとつ。イアン選手がバンタム級の暫定王者で、どうしても彼とは試合をしなきゃいけないと思っています。ただ、イアン選手と試合できるかどうかはともかく、何よりも怪我を治してほしいですよね。焦らないでいいから、じっくり直してもらったところで、戦えるなら戦いたいという気持ちがあります。と同時に、やっぱりベルトというのは防衛して初めて価値があるものだと考えていて」

――そんななか、グラチャンとエターナルMMAの防衛戦ではなく、ブラジルのヒクソン・ザ・キングとの国際戦に臨みます。このマッチメイクは「別の道」も考えている伊藤選手にとって、どのような意味を持つのか。

「宿敵ともいえる手塚基伸さんに4年越しのリベンジを果たし、次の挑戦者となれば徳弘拓馬選手か他のランカーになるのか……と考えた時に、グラチャンももうすぐ20周年ですよね。そこに向けて今ここで、国際戦でチャンピオン対決というのもグラチャンらしい良い構図なのかなと思いました。さらに後楽園ホールのメインということで」

――グラチャンにとっては初の後楽園ホール大会となります。

「僕もセコンドでは何度も行ったことがありますけど、試合をするのは初めてですね。自分にとってはどの会場でもケージの中は同じなので、あまり意識はしていないです。でも後楽園ホールは格闘技の聖地と呼ばれるだけあって、独特の雰囲気がある。何て言うんでしょう……格闘技の念、みたいなものを感じる会場ではありますよ。その会場であれば、やっぱり強い相手と戦うほうがテンションは上がります」

――では対戦するヒクソンの印象を教えてください。

伊藤、ヒクソンともに計量をクリア。ここから明日までに、どれだけヒクソンが体を戻してくるかも気になる(C)GRACHAN

「戦績は一本勝ちが多くて、映像を視るとムエタイベースで打撃もできるのでしょうけど、どちらかといえばグラップラーなのでしょうね。特に下からの三角、キムラ、腕十字と」

――特に下からサブミッションのセットアップは速いと思います。

「下になった時に賭けているし、テイクダウンされても、そこからの展開がある。逆にそれを防がれるとキツいんだろう、とは感じますね」

――テイクダウンされても、自分が優位なガードポジションに持ち込むため……その距離をつくるために、細かいローを打ってくる。ローで崩してから引き込んだり。

「前足へのロー、あと左ミドルを打ってリズムをつくる。スタイルとしてはクレベル・コイケ選手に近いんじゃないかと思います。それとヒクソンという名前から、ヒクソン・グレイシーがやっていた前足への関節蹴りを思い出したりはしますね。ヒクソン・ザ・キング選手も家族が皆、ファイターで」

――ヒクソン選手も格闘技ファミリーとしての威厳を懸けて戦うでしょう。伊藤選手は何を懸けて戦うのでしょうか。

「やっぱり負けられないですよね。グラチャンというホームで、チャンピオンが負けるわけにはいかない。グラチャン初の後楽園ホール大会で、20周年に繋げるためにも――後楽園ホールの歴史にも名を刻むような戦いを見せたいですね」

■視聴方法(予定)
8月26日(水)
午後6時~ GRACHAN放送局、GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan84 対戦カード

<バンタム級/5分2R>
房野哲也:61.35キロ
二之宮徳昭:61.05キロ

<バンタム級/5分3R>
伊藤空也:61.50キロ
ヒクソン・ザ・キング:61.55キロ

<フライ級/5分2R+ExR>
小林大介:57.0キロ
宮島夢都希:56.9キロ

<フライ級/5分2R+ExR>
三澤陽平:57.05キロ
渋谷カズキ:56.8キロ

<フェザー級/5分2R+ExR>
藏ノ介:66.15キロ
佐藤生穏:65.95キロ

<フライ級/5分2R+ExR>
増田比呂斗:56.95キロ
河合亮:56.55キロ

<フライ級/5分2R+ExR>
AXEL RYOTA:56.95キロ
小松原翔太:56.75キロ

<ストロー級王座決定リーグ戦/5分3R>
丸山大輝:52.1キロ
三笠貴大:51.95キロ

<バンタム級/5分2R+ExR>
YO-HEI:61.45キロ
おはぎ:61.3キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
野田頭柊馬:65.45キロ
水口太陽:65.6キロ

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