【KNOCK OUT67】メインで久井大夢と対戦、モー・アブドゥラマン「ビューティフル・バイオレンス」
【写真】 チーム・マイティモー!! ここで話したことが実践されれば、相当に面白いことになる(C)MMAPLANET
明日8日(土)、大阪府羽曳野市のタケダハムはびきのコロセアムで開催されるKNOCK OUT67 「KNOCK OUT SUMMER JAM in OSAKA」のメインで、モー・アブドゥラマンが久井大夢と対戦する。
Text by Manabu Takashima
K-1、NARIAGARIに来日経験のある南アフリカ生まれの英国人キックボクサーは、キャリア80戦を誇る。
ISKA 65キロ・ムエタイ世界王者、ISKAウェルター級インターコンチネンタル王者、MTGPウェルター級ムエタイ世界王者、WMOヨーロッパ・ウェルター級ムエタイ王者とムエタイで十分な実績を誇るアブドゥラマンだが、ムエタイとK-1ルールでは後者、キックボクシングの試合経験の方が豊富だという。
独特の間合いから繰り出すパンチと蹴り。キックルールを多く戦ってきたことで、そのユニークなスタイルが出来上がったのか。アブドゥラマンにキックボクサー、ムエタイ戦士としての歩みを尋ねた。そこで聞かれたビューティフル・バイオレンスとは、いかなる戦いなのか――。
ハイペースで、爆発力のあるムエタイは好きだよ
――10日後には日本で久井大夢選手と対戦します。今の心境を教えてください(※取材は7月29日に行われた)。
「最高だよ。もう日本に行く準備はできているし、再び日本で戦うことができて嬉しい。大阪に行くのは、2023年以来だよ」
――プロフィールでは南アフリカ生まれで、英国在住となっています。
「まだ子供の頃、8歳の時かな。両親が、僕の将来を考えて南アフリカを離れUKに移り住むことを決めて。英国の方が、教育環境が良かった。それに治安の問題も大きかったようだよ。それにスポーツにしても、人生の選択肢が違う。
あのまま南アフリカで暮らしていれば、僕はきっとプロフェッショナルのファイターにはなっていなかったと思う。つまりそういうことだよ。英国の方が、選択肢も機会も多かった。
4歳の時に松濤館空手を始めてはいたけどね。それに僕としては友人たちと分かれることは辛かった。でも、英国にやってくると色々なスポーツが身の回りにあって、本当に多くの人が色々なスポーツを嗜んでいた。僕もフットボール、クリケット、ラグビー、陸上、バスケットボール、ベースボールもプレイしたよ」
――フットボール、クリケット、ラグビーとなるとまさにコモンウェルス(イギリス連邦)っぽいですね。そんななかコンバットスポーツを始めたのは?
「英国でも空手を続けたかったんだ。でも、南アフリカと同じレベルの道場がなかった。南アフリカの道場は素晴らしい指導者もいて、凄く良い稽古ができていたんだ。でもイングランドには、ああいう良い空手道場は少なくとも僕の周りにはなかった。だから空手を辞め、フットボール・アカデミーに通うようになったんだ。クリケットもアカデミーに属して、プレイしていた。そして14歳の時にキックボクシングとムエタイのジムを見つけた。
スクールプログラムみたいなモノがあって、2週間はフリートライアルができた。それからも、ジムやロッカーの掃除をし、キックボクシングを教わることになった。一緒にジムに行っていた友人は、当時の僕より全然動きが良くて。その友人が試合に出ることがきまっていたけど、何か理由があって出場できなくなった。代わりに僕が試合に出て、右のパンチで失神させたんだ。誰も、自分がそこまでできるなんて思っていなかった。『これだ!! 俺が究めるべきモノは』となり、恋に落ちたかのようにキックボクシングに夢中になった。15歳の時だよ」
――今、英国ではMMAが相当にもりあがり、国内にもCage Warriorsという欧州を代表するプロモーションも存在しています。一方で、キックの普及はどのような感じなのでしょうか。
「僕がキックを始めた頃は、まだ新しいスポーツという感じだった。それほど大会も多くなかった。今はキッズ~アダルトまで毎週のように2、3大会が行われている。今も成長中だよ。僕が子供だった頃とは違う」
――モー自身は、これまでキックかムエタイ、どちらに主軸を置いてきたのでしょうか。
「僕は……K-1ルールが好きかな。スピーディーで、アクションが多い。ただ、ムエタイも今ではそういう試合が増えてきた。ハイペースで、爆発力のあるムエタイは好きだよ。それこそが、僕のスタイルだから」
――では練習も基本はキックが多かったのですか。
「僕のコーチ、ディーン・ケンドールの父親はプロボクサーだった。だから彼はボクシング・ジムで大きくなった。当然、彼も優れたフットワークを持つ、ボクサーだ。同時に彼のコーチは、タイのルンピニー王者だった。ディーンが20代の頃に、タイからやってきたそうで。コーチはプロでボクシングを戦い、ムエタイの試合に出ていた。スタイルはムエタイとボクシングが融合されている。
彼は僕が空手の経験があることを知ったうえで、ボクシングとムエタイをミックスして教えてくれた」
――英国ではK-1ルールとムエタイ、どちらの人気が高いのでしょうか。
「イングランドではムエタイは伝統的なマーシャルアーツの愛好家が好きになり、K-1はファイトが好きな人が見るような感じかな」
――なるほどです。モーの胸にはサクヤン(タイの首飾りをモチーフにしたタトゥー)が入っていますね。
「タイには練習で行ったことがある。このタトゥーは、コーチの友人が仏教の僧侶で。英国に来たこともあるんだけど、その影響かな。そうそうカンボジアを訪れたこともあるよ」
――ムエタイに傾倒し、その影響ということではないのですね。ところでモーのキック戦績は80戦64勝(30KO)16敗とされていますが、キックとムエタイはどれぐらいの割合なのでしょうか。
「K-1ルールの方が多いはずだ。K-1はトーナメントが多いから、一晩で3試合や2試合を戦うことがあった。日本で戦ったのも、K-1ルールだったしね」
僕は大夢より、強くて速い
――今回はKNOCK OUT-RED、つまりムエタイ・ルールで久井選手と戦います。
「タイムはボクシングも上手いし、動きが滑らかだ。凄くハイレベルの相手で、戦い方も好きだよ。日本はキックボクシングで最高レベルにある国だから、タイムのような優れた相手と戦える。僕にとっても、最高の試合になる。ブランドンとスコットという2人のコーチが、タイムのスタイルを徹底的に研究してくれた。良い試合ができるだろう」
――久井選手はレンジをコントロールして、カウンターを合わせるのが上手い選手です。
「彼のスタイルこそ、僕らがいうビューティフル・バイオレンスだ。クリーンなテクニックで、我を忘れたかのようなメチャクチャな打ち合いはしない。ファイトって、そういう風になることもあるけど、彼はそういうタイプじゃない。それこそビューティフル・バイオレンスなんだ。
ただ僕の方が、体が強い。心身ともにキャリアのピークにある。キャリア最高のトレーニングをして、メンタルも強く保ち、凄く集中力もある。僕以上にハードな練習をしているファイターはいないだろう。そうやって鍛え抜いた体で、タイム以上の技術力を駆使できる。僕はタイムより、強くて速い」
――過去2度の来日時と比較して、どの部分が最も成長していると感じていますか。
「メンタルかな。日本に来ると、人々がとても親切で。イベント関係者もそうだった。あまりにも落ち着いた環境で、僕の戦意も落ちてしまっていた。でも、それって集中できていなかったということなんだよね。今回は試合にしっかりと集中したうえで、落ち着いて100パーセントの力で戦いたい」
――ではMMAグローブでムエタイを戦いますが、過去にそのような経験はありますか。
「MMAグローブの試合は、2度経験がある。1度はムエタイで、もう1度はカラテ・コンバットのハイブリッド・ルールだった。いや、あの小さなグローブは僕のスタイルに完全に合致している。これはコーチも皆、言っていることなんだ。
僕はガードを固めて、グローブでブロックするのはなくて、足と頭を使って動く。そして、あの小さなグローブは僕の体の強さを生かすことができる。今回の試合に向けてのファイトキャンプで、MMAグローブの使用は僕に有利になると確信が持てたんだ。
ここ最近の試合で、痛くもなくダメージも受けないパンチを被弾している。それじゃハードファイトにならないから、ちょっと違うんじゃないかって思っていたんだ。薄いグローブで殴られることで、僕は自分の力を100パーセント出せる心境になるんじゃないかと思っている」
――それだけハードな状況を望んでいるモーですが、大阪ではどのような試合をしたいと思っていますか。
「マーシャルアーツを感じさせる、僕らしい試合ができればと思っている。僕が人生を賭けて、積み上げてきたモノを日本のファンに見てもらって、楽しんでもらいたい」
ハイIQ、ハイペースから生まれるビッグショット。それがビューティフル・バイオレンスだ
――今後は日本を中心に戦っていきたいという希望を持っていますか。それとも別にグローバルステージの進出を考えていますか。
「僕の人生は2度の来日で変わったんだ。日本の人々、日本の文化、もっともっと日本を訪れて知りたいと思った。日本のジムで練習したいし。そして日本のビッグショーで戦っていきたい」
――ではBLACK=ボクシング、REDとUNLIMITEDルールと3つの試合形式があるKNOCK OUTは、モーにも適しているかと。カラテ・コンバット出場経験があるなら、アンリミも見てみたくなります。
「UNLIMITEDって何だい?」
――(ルールの説明をする)。
「テイクダウンがあって、サッカーボールや踏みつけもあるって。それは凄く興味深いね。全局面で打撃が許されているというわけだ。それはエキサイティングな試合になるだろうし、いつかトライしてみたいね。
今回の試合にしても、八角形のリングで戦うことで僕のフットワークが生きてくる。アングルの変化とか、ファイトIQが試される舞台だ。それこそ、僕のポテンシャルがフルに活用できる戦いの場だと思っている」
――ハイIQバトルが期待されますね。
「そう、ハイIQ、ハイペースから生まれるビッグショット。それがビューティフル・バイオレンスだ。そんな僕とタイムのファイトを楽しんでもらいたい」
■放送予定
8月8日(土)
午後2時45分~U-NEXT
■KNOCK OUT67 対戦カード
<KNOCK OUT-RED スーパーライト級/3分3R>
久井大夢(日本)
モー・アブドゥラマン(英国)
<KNOCK OUT-RED フェザー級王座決定戦/3分3R+ExR>
スラサック・クルーダームジム(タイ)
“狂拳”迅(日本)
<KNOCK OUT-RED 女子ライトフライ級王座決定戦/3分3R+ExR>
小林愛理奈(日本)
サネーガーム・サックチャムニ(タイ)
<KNOCK OUT-BLACK 66キロ契約/3分3R>
中島玲(日本)
櫻井博(日本)
<KNOCK OUT-BLACK フェザー級/3分3R>
玖村修平(日本)
内藤凌太(日本)
<KNOCK OUT-BLACK バンタム級/3分3R>
一輝(日本)
小島慎太(日本)
<KNOCK OUT-BLACK フェザー級/3分3R>
戦闘員1号(日本)
啓斗(日本)
<KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級/3分3R>
繁那(日本)
渡口耀(日本)
<KNOCK OUT-RED フェザー級/3分3R>
祐輝(日本)
翔磨(日本)
<KNOCK OUT-BLACK 女子ライトフライ級/3分3R>
堀田優月(日本)
パク・ユイ(韓国)
<KNOCK OUT-BLACK スーパーバンタム級/3分3R>
辻岡怜恩(日本)
保井広輝(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED 61キロ契約/3分3R>
平川蓮斗(日本)
辻村秀綱(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED 66キロ契約/3分3R>
河坂修斗(日本)
米川たすく(日本)
<KNOCK OUT-RED 62キロ契約/3分3R>
プンルアン・バーンランバー(タイ)
麻太郎(日本)
<KNOCK OUT-UNLIMITED 女子バンタム級/3分3R>
タイソンRINA(日本)
コ・ユナ(韓国)
<KNOCK OUT-BLACK 女子アトム級/3分3R>
風羽(日本)
坂田実優(日本)
<KNOCK OUT-BLACK スーパーウェルター級/3分3R>
川内参星(日本)
KING弥百希(日本)
<KNOCK OUT-BLACK 52.5キロ契約/3分3R>
竜雅(日本)
松田大将(日本)



















