育成大会ShoXCでバンタム級初代王者が決定!
9月26日(金・現地時間)、米国カリフォルニアのチュマシュ・カジノでは、EliteXCによる人材育成大会ShoXC『Elite Challenger Series』が行われた。
本大会では、EXCミドル級&ライト級に続き、バンタム級王座が新設。その初代王座を、ウィルソン・ヘイスとKOTCのバンタム級王者のエイベル・コラムが争った。試合は、両選手ともにアグレッシブな動きで5Rをフルに戦う好勝負となったが、最後はコラムから何度もテイクダウンに成功し、優勢に試合を進めたヘイスが判定勝利。栄えある初代王者に輝いた。
また、ヘビー級戦では、チーム・オーヤマのシェーン・デル・ロザリオがカール・セウマヌトゥファと対戦。一度は、三角絞めでタップを奪ったロザリオだったが、なぜかレフェリーが試合を止めることなく続行。それでも、ロザリオは、2Rに容赦ないパウンドを落とし、セウマヌトゥファから“勝ち直し”。ヘビー級王者シウバがステロイドの陽性反応が出て、審査中の同級戦線に堂々と割って入る勝利を挙げた。
■ShoXC全試合結果【主要試合レポートへ】
■ウェルター級/5分3R
エリック・アップル(米国)
Def.2R2分14秒/リアネイキドチョーク
マット・マコウスキー(米国)
キャリア無敗のマコウスキーと、エリック・パーソンの愛弟子アップル。いきなりテイクダウンを奪ったマウコウスキーだが、直後にアップルがスイープ成功。ケージにつめてパウンド、三角をかついでパスを狙ったアップルは、ハーフガードからアームロックを狙う。
バタフライガードからリバーサルを試みるマコウスキー対して、執拗にアームロックをしかけたアップルは、エルボーを織り交ぜながら左腕をキャッチし続ける。
ついにアームロックを諦め、パウンドへ切り替えたアップルは、マコウスキーに反撃の腕十字を仕掛けられたが、腕を引き抜きパウンドを落としたところで1Rを終えた。
2R、アップルはパンチを振るいつつテイクダウンを狙うが、マコウスキーがギロチンで迎えうつ。首を引き抜いたアップル、1R同様にハーフの態勢へ。マウントへ移行したアップルは、バックマウントからチョークを極めると、ここでマコウスキーがタップし、アップルは、MMAレコードを10勝1敗に伸ばした。
■ミドル級/5分3R
ジェイミー・ヤラ(米国)
Def.3R終了/判定2-1
ジヴァ・サンタナ(ブラジル)
11勝0敗。10の関節技での勝利は、全て1Rに腕十字で記録したもの。キング・オブ・アームバー、アーム・コレクターと呼ばれるサンタナが4月以来となるShoXCのケージに登場。いきなり右ミドルを放つサンタナは、打撃が課題とされるが、組みついてヒザ蹴りをヤラに叩き込んでいくと、サンタナはテイクダウンに成功し、そのままパスへ。
バックへ回り、逆サイドから押さえ込むサンタナに、フルガード、さらにハーフガードに戻したヤラだが、サンタナはキムラ・アームロックを狙いつつ、パスからマウント奪取に成功
する。暴れるヤラのバックをコントロールし、パウンドを落とすサンタナは、スタンドに戻った瞬間、ヒザ蹴りへ。
ヤラはサンタナに組みつき、ケージに押し込むが、ここでサンタナがテイクダウン。トップをキープしたところで、ラウンド終了のホーンが鳴る。ついにサンタナの1R・腕十字記録は途絶えたが、圧倒的優勢に試合を進め、2Rへ。ヤラの左に、右のカウンターを合わせるサンタナは、ヒザ蹴りでバランスを崩すが、ヤラは寝技を嫌がり立ったままブレイクを待つ。
バックを取られたサンタナだが、そのまま前転し、ヒザ十字。ヤラは足を引き抜き、スタンド戦へ。肩で息をしてスタミナ切れが見えるサンタナは、ヤラの左ストレートでダウン。シッティングガードでグラウンド戦を狙うが、ここでもヤラはスタンドでブレイクを待つ。疲れが見えるサンタナは、テイクダウンに成功しても、グラウンドをキープできない。
ケージに追い込まれ、パンチの連打を受けるサンタナ。試合は最終ラウンドへ。ポイント的にはイーブン、しかし、勢いはヤラにある最後の5分。組みついて、離れてはパンチを入れていくヤラに対し、サンタナは必死の形相で左フックを返していく。大振りの左右のフックを放つヤラ、サンタナは片足タックルでテイクダウンを奪うが、すぐにスタンドへ逃がしてしまう。
サンタナは右ローを見せるが、勢いはない。サンタナの右と、ヤラの左が交錯し、サンタナは右ミドルをヒットさせる。試合時間は残り1分、ヤラは左目じりをカットしながら、フックで前進する。サンタナが首相撲からニーをボディに入れたところで試合終了。
疲れが目立ち、自分の目指す戦いはできなかったサンタナだが、3Rの間、攻められ続けたたわけでない。ジャッジ泣かせの難しい試合となったが、結果、スピリットでヤラが勝利。サンタナはキャリア12戦目で初めての黒星を喫した。
■フェザー級/5分3R
デビッド・ダグラス(米国)
Def.3R2分51秒/TKO
マライペット(タイ)
ムエタイからMMAへ転向したマライペットが、ライト級からフェザー級に転向し、半年ぶりの試合に挑む一戦。上背で大きく上回るダグラスは、試合開始早々テイクダウンを奪っていく。一度は態勢をかえ、立ち上がったマライペットだが、低い姿勢で放たれた片足タックルで再びキャンバスへ。
ハーフガードからスイープを狙ったマライペットに、強烈なパウンドを放っていくダグラスが、ここでマウントを奪い、さらにパウンドを連続するも、マライペットがトップを奪い返す。三角絞めを仕掛けたダグラスに、マライペットはサイドへ回りボディにヒザを落としていく。
首を引き抜いて、スタンドへ戻ったマライペットだが、スタンドでアッパーを浴び、ピンチは続く。荒いパンチを打ち続けるダグラスに、右フックをヒットさせたマライペット。この一発のダメージか、スタミナ切れか、ダグラスの動きが一気に止まってしまう。
ローキックでダウンを奪ったマライペット、立ち上がったダグラスに、左のタテヒジまで見せた。マライペットはその後、再びテイクダウンを奪われたが、寝技での対処が格段に進歩、レフェリーのブレイクを待った。試合が再びスタンドになると、アッパーを受けつつもマライペットが強烈なローキックを叩きこんだところで、1Rが終了した。
2R、プレッシャーを与えるマライペットはタックルを切って、左フック。飛びヒザをボディにいれて、さらに右ロー、右ストレートからローキックの連打。そして、強烈な右ヒザを叩き込むと、ダグラスはタックルでごまかしながらダウン。ガードを取ったダグラスに、ローを連打するマライペット。レフェリーがブレイクし、試合はスタンドへ。ダグラスはテイクダウンを奪うが、そこから動けない。
またもブレイクがかかるが、ダグラスは直後にタックルへ。今度はトップをキープしたダグラス、こまかいパンチをボディに落とし、パスガードに成功。マウントを奪ったダグラスは、鉄槌をマライペットの顔面に落としていく。
細かいパウンドを落とすダグラスだが、マライペットはパウンドに対し驚異的な耐久力を持っており、全く心が折れないマライペットは、ラウンド終了まで耐え抜いた。
3R、マライペットの飛びヒザをキャッチしたダグラスがテイクダウンに成功する。パスガードからパウンドを落とすダグラスが、マウントを奪取。手首を掴んでパウンドを耐えようとするとマライペットだが、左目じりから激しく流血。鉄槌をよけるマライペットだが、ダグラスのパウンドの回転数が上がってくる。と、ここでついにレフェリーが試合をストップ。再三の腕十字のチャンスもあったが、パウンドにこだわり続けたダグラスがTKO勝ちを収めた。
■ヘビー級/5分3R
シェーン・デル・ロザリオ(米国)
Def.2R/TKO
カール・セウマヌトゥファ(米国)
チーム・オーヤマ、ヘビー級期待のロザリオ、K-1出場も視野に入っていたこともある重量級のムエタイ戦士の対戦相手は、喧嘩屋セウマヌトゥファ。ともに4勝0敗のヘビー級対決は、ロザリオの右ローでスタート。組みついて、ベリートゥベリーでロサリオを投げ捨てたセウマヌトゥファに、ロザリオはガードからエルボーを放っていく。
上から攻めないセウマヌトゥファにブーイングが上がり、直後にロザリオは三角絞めへ。持ち上げてロザリオを叩きつけたセウマヌトゥファだが、ロザリオは足を放さない。
セウマヌトゥファがタップをしたが、なぜかレフェリーは試合をストップせず、セウマヌトゥファはパスガードから腕十字へ。
トップをキープするセウマヌトゥファは、パスガードから上四方、さらにサイドマウントへ。ケージを蹴って態勢を変えようとしたロザリオだったが、ここで1Rが終了した。
2R、セウマヌトゥファのテイクダウンを潰したロザリオは、スタンドでヒザ蹴りを叩き込み、寝技でもわき腹にヒザを入れる。そしてバックコントロールから、強烈な左フックを連打すると、一気に失速したセウマヌトゥファ。頭を抱え、動けなくなったセウマヌトゥファに、容赦なくパウンドを落とすと、レフェリーが両者を分けて入る。
最後は実に呆気なく勝利したロザリオ。世界王者がステロイドの陽性反応が出て、審査中のEXCヘビー級戦線。来月4日には、アンドレ・オルロフスキー、ロイ・ネルソンが参戦を
果たすが、このロザリオも無視できない存在になりそうだ。
■バンタム級王座決定戦/5分5R
ウィルソン・ヘイス(米国)
Def.5R終了/判定3-0
エイベル・コラム(米国)
KOTCのバンタム級王者コラムがコラムが、10ポンド重いEXC世界バンタム級王座をかけて、ヘイスと対戦する一戦。試合では、コラムの左ローをキャッチして、テイクダウンを奪ったヘイス。パスを狙い、左、そして右へ動くヘイスは、フルガードに戻された瞬間にパウンドを放つ。
バックを奪ったヘイスだが、コラムは暴れ回ってトップを奪い返す。瞬時に腕十字の態勢に入ったヘイス、コラムは前転を2度くり返して、腕を引き抜き立ち上がることに成功する。
執拗にテイクダウンを繰り返すヘイス、コラムはクローズドガードからヒジを落とす。立ち上がったコラムからバックを奪ったヘイスに、コラムは自ら引き込み、ヘイスはパスを狙う。ケージを使って立ち上がったコラムを、ケージから引き離し、へイスは豪快にスラミング。試合は、両者動きを止めることなく、アグレッシブに攻撃を続ける好勝負に。1Rは、ヘイスのテイクダウン・アテンプトにコラムが尻もちをついたところで終了した。
2R、左フックを放ったヘイスの顔面にコラムの右ストレートがヒットするが、直後にまたもやヘイスがテイクダウン。パスに成功するが、コラムはガードに戻しリバーサルを仕掛ける。この試みを遮断し、サイドからバックへ回ったヘイス。ケージ際でバックマウントを奪うことに成功する。
そのままマウントへ移行すると、肩固めへ。ここでもコラムは立ち上がり、逆にトップを奪う。上と下から両者がパンドを打ちあうなか、コラムはモンゴリアンチョップのフェイントから、パウンドの連打へ。が、ここでヘイスが腕十字。かなりタイトに極まったが、ここでもコラムは耐え抜き、トップをキープするとパウンドの連打をみせる。
ヘイスも負けじと腕十字、オモプラッタでリバーサルに成功すると、トップから肩固めへ。ガードを取られても、パウンドを落とすヘイスに、コラムがギロチンを仕掛けたところで、2Rが終了。
3R、左フックを見せたヘイス。その二発目がコラムをとらえ、その腰が落ちるとすかさずテイクダウン。ケージに詰め、コラムが立ち上がろうとすると、バックを窺い、そのままスラムにつなげたヘイスはポイントを稼いでいく。
またもケージに追い込んだヘイスだが、コラムは態勢を入れかえてヒザ蹴りや肩パンチを見舞っていく。距離をとった両者、コラムの右ストレートが伸びるが、ヘイスはここでテイクダウン。グラウンドとスタンド、テイクダウンと防御という攻防が続き、ヘイスは再び十字へ。これも逃げたコラムだが、ヘイスはついに完全にバックマウントを奪うことに成功する。マウントからパウンドを落とすヘイス、ここでもロールに成功し、ヘイスが下になったところでラウンドを終了、攻めるヘイス、凌ぐコラムという展開が続く。
4R、コラムが右ハイから右ストレートをヒットする。さらに左ローから、パンチを顔面にヒットさせるコラムだったが、ここでもヘイスがテイクダウンへ。ギロチンを抜け、パス狙いというこれまでの展開を繰り返そうとする。さすがに攻め疲れて、動きが止まるシーンが3Rまでより増えたが、ヘイスはパスから一気にマウントを奪取した。
ガードに戻したコラムだが、ヘイスは左方向にパスを狙うと見せかけて、コラムの両ヒザをたたむと、反対側へジャンプしてパスに成功する。バック狙いをまたもガードに戻されたヘイスだが、動きの止まったヘイスに対して、コラムは抜群のスタミナを見せ、マウントへ。
これも逃げられたが、直後にはテイクダウンに成功。パスをするも、ガードに戻されたところでパウンドを落とし、試合はついに最終5Rへ。
5R、コラムが大振りのアッパーを空振り。組み付いたヘイスは、払い腰のような格好でテイクダウンに成功する。ヘイスは、この試合で何度もみせた、ガードからコラムの足を跨ぐパスガードを狙っていく。
ハーフから、サイド、バックに回ったヘイスだったが、足のフックが不十分となり、一度は振り落とされてしまったが、コラムをケージ際へ押し込むや再びパスを狙う。
ケージを使って立ち上がったコラムだが、投げの打ち合いに力負け。態勢を崩すと、またしてもヘイスはカラムの上となり、ここで試合終了となった。
判定では、49-46、48-47、49-46の3-0でヘイスが勝利し、EXCバンタム級初代王者に輝いた。