【DEEP131】平松翔と暫定王座戦、鹿志村仁之介「『ワンチャン、あるんじゃない?』という勝ち方をする」
【写真】凄く良い感じでMMAを語る鹿志村だった(C)MMAPLANET
本日4日(月・祝)、横浜市中区の横浜BUNTAIで開催されるDEEP131で鹿志村仁之介が、平松翔とDEEP暫定王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima
3月のRIZINで所英男をアナコンダで破り、2カ月弱のインターバルでDEEP25周年大会を戦うことになった。一息つくこともないままの連戦、そしてハードなストライカーを相手との戦いを受けた理由とは?
寝技と極め、現代MMAで裁定基準においてスポイルされ、技術的に防御が強化されている――そんな勝ちづらいスタイルの持ち主は、それ故に練習仲間の大切さと、そこにある種の幻想が持たれることを心得ていた。
こういう風に戦うDEEPって、俺、めっちゃ燃えるんですよ
――昨年9月のマジシャン戦の時期に鹿志村選手は、DEEPはDEEP軸、RIZINはRIZIN軸と別モノで考えているという話でしたが、所戦の勝利からDEEP暫定王座決定戦と軸が重なってきたように見受けられます。
「もう、そうっスね。所選手との試合後、帰る時に佐伯さんから『そういえば、お前……』ってこの話を貰って、正式オファーも3日後とか4日後でした。正直、試合が終わったところだったので『5月か、早いなぁ』と(笑)」
――休みたかったですか。
「休みたいというより、試合のスパンで考えると減量をまず考えないといけないじゃないですか。体重をどうするか。9月、11月、そして3月。9月と11月はそうではないですけど、3月までは4カ月あくとやっぱり体もバーンと戻ります。筋肉量も増えてから、落とす。そういう場合は体が一度戻って、元気に減量もできます。
だから3月と5月だと一度戻すのか、そのまま少ない体重をキープするのか。そこを考えました。DEEPの25周年大会でタイトルマッチを戦えることは嬉しかったですけど……。『さっき、試合が終わったばかりじゃん』というのも、ちょっとありましたね(笑)」
――体重の方は、結局は戻したのか。少なめの設定できたのでしょうか。
「今回は低めにしました。70キロ前後までしか戻さず。体を大きくすると74キロぐらいにはなるので。リフレッシュする時間はなかったですけど、ずっとファイトモードというのも良かったかもしれないです。でも本当に軸が2つではなくなって、俺のなかでも来た試合をするという風になっています。自分で相手を選ぶようなこともしないし。所選手と戦う前も『ここで勝ったら、どうなんのかな』って考えていたぐらいで、自分からどうこうしたいというのはなかったです」
――所選手との試合で、ケガなかったことも今回の暫定王座決定戦に繋がったかもしれないですね。
「それは佐伯さんにも言われました。『あの試合だったから』って。勝ってもケガをしていたら、試合はできなかったですよね。まぁ、ついています(笑)。でも俺をタイトルマッチに選んでくれた。佐伯さんが選んでくれた事実が嬉しかったです」
――所選手に絶対にリスペクトがあるのは承知で、RIZINという大舞台で戦う試合よりも、今回の平松選手との試合の方がシビアになるのではないかと。注目度、対戦相手、RIZINとDEEPというステージの違いは、どのように捉えていますか。
「凄く思ったのは、所選手との試合は……もちろんリスペクトもしているけど、グラップラーじゃないですか。ぶっちゃけ、負ける確率はそんなにない。負けるパターンは二通りぐらい。勝つ確率でなく、負ける確率で考えると、所選手との試合と比べると平松翔に負ける確率は高くなる。同時に世間からの注目度では、所選手との試合の方が全然高い。でもMMAファイターとして、平松選手との試合の方がモチベーションは高いです。
平松選手はDEEPで戦っていくうえで、いつか戦う選手だと思っていた相手ですし。やらないといけない、『コイツには勝たないといけない』という相手だから、名前を聞いた時からモチベーションは高くなりました。マジシャンの時もそうですし、マジシャン戦からRIZINが2試合、今度がDEEP。こういう風に戦うDEEPって、俺、めっちゃ燃えるんですよ。絶対に落とせない……マジシャンの時とか、本当にそうだし。その感覚があるから、めちゃくちゃ燃えますよね」
――四点ヒザがあるRIZINと、ないDEEP。二つのルールを行き来することで、何か調整は必要になるのでしょうか。
「あんまり、変わらないです。グラウンドのヒザは、やらないし(笑)。でも、グラウンドのヒザ蹴りなら今日一緒にスパーリングしていた上久保(周哉)選手が一番ヤバいですよ(笑)。ポンってRIZINに出ても、トップ戦線で戦える選手です。それでいえば、平松選手も全然RIZINで戦うことができる選手です。
所選手に勝ったから、次はRIZINの上の方の選手と――ってことも言われますけど、即こうなった。正直、僕はDEEPのベルトを巻きたいと思ったことはないけど、多分似合うと思います(笑)。それにここで、DEEPで戦うって格好良くないですか」
――人それぞれかと思いますが、私は格好良いと思います(笑)。
「ですよね(笑)。それが気に入っているんですよ。俺は格好良い選択をしたよって(笑)。だってスタイル的にも厳しい相手ですからね。お客さんからしても、立ち技と寝技でハッキリ分かれていて、分かりやすいですしね」
――所選手に勝ったことで、期待値が上がっていると感じることはありますか。
「微妙に感じるスね(笑)。犬の散歩とかしていても、『鹿志村選手ですか』って話しかけられたりして。そういう部分で、俺もちょっとは見られるようになったんだなって。応援していますって言われると、頑張らないといけないって思いますし。
それこそ佐伯さんがタイトル戦を用意してくれたんだから、その期待に応えてベルトを獲る。ベルトを巻いて、またRIZINで戦いたいです」
――凄く、好青年のように感じられますね(笑)。
「アハハハハ。その気持ちがあるので、絶対に勝ちます」
ボクシングと柔術とレスリングはマッチすると確信が持てました
――昨年6月の後藤丈治戦以来のストライカーとの対戦になります。この2カ月で、平松戦対策で採り入れた練習などはありますか。
「ぶっちゃけ、練習内容を変えるとかはやっていないです。ロータスで、週三で練習させてもらっていますけど、ここで練習している仲間って、僕と同じで。グラップラーが如何にストライカーと戦うか。その課題を持っている選手たちが多いじゃないですか」
――確かに。
「それこそ上久保選手、小森(真誉)選手とか。基本的には同じ課題を持った選手たちと、週に3回練習させてもらっていることで仲間ができたような感じで。皆が背中を押してくれるし。同じベクトルにあって、それが僕の心を一番支えてくれています。『この人達が、これだけ頑張っているんだから。俺もやるしかない』って。上の人達と一緒に練習させてもらっているのは、デカいです。
僕らはストライカーとやる方が普通で、それが練習の軸になっていますしね。なんならグラップラーとMMAを戦う時は、気持ち的にはグラップリングをやるぐらいなので。グラップラーと戦う時には、試合前に『殴り倒されるかも』という怖さがない。そういう恐怖感のなかで、いかに自分の武器を出していくか。それをイメージして、練習をしている人達にロータスでは囲まれています」
――そういうなかで、5分3Rという時間を考えると力の入れ方とか悩むことはないですか。極めるチャンスが来た時、初回でも所戦のように一気に極めに行くのか。力を使い過ぎないよう意識するのか。
「極めは体が勝手に動きます。でも上久保選手や青木(真也)選手のようにトップキープする能力が、僕には足らない。だから5分3R、漬け切ろうと思っています。皆はつまらない試合にならないように極めの練習をするけど、僕は極めは勝手にできるから、5分3R漬け切る試合を心がけています。安井飛馬戦で、極めようとし過ぎたことでソコに気づいたんです。だから最近はあえて極めないぐらいで、抑え続けることを意識して練習しています」
――打撃はBattle BOXで?
「ここ3カ月ぐらい、木村ミノルにボクシングをずっと教わってきました。キックボクシングというより、ボクシングですね。これまでアップライト気味で、頭を動かすとかできなかったので。そこを改善していくなかで、ボクシングと柔術とレスリングはマッチすると確信が持てました。この3つのリンクは素晴らしい。
だから、この3つを究める。この三角形を強くして、蹴りを見えるようにする。ここをやり込んで自信が出てきましたし、打撃もそうそう怖くなくなりました」
――打撃が怖くないようになれば、相当にグラップリングの強さが発揮できるようになるかと。
「強いッスよね。結局、手は2個ずつ。ガードをしておけば、当たらない。ガードワークですよね。ミノル君にガードして、ヘッドムーブというボクシングの基礎を叩きこんでもらいました。そこで組む。重心をチョット下げて、頭を動かす。ボクシング・スタンスは、組みに移行しやすいですね。
所選手との試合でも、最初の立ち合いで結構良いストレートが入りました。あれもヘッドムーブからで、練習してきたことなんですよ」
――所選手は一発がありますから、そこを見て戦えたということですね。
「そうなんです。所選手の攻撃で気を付けていたのは、踏み込んでの一発。それと腕十字でした。一発しかパンチは出していないけど、あの場で出せた。あそこで使えた経験は大きいです。
でも、平松選手とデカくて、長いので厳しい試合になると思います。ここで俺の武器が通用するか、しないのか。こういう試合で勝つことで、ここから前に進むことができる。ボクシング、柔術、レスリングができれば俺の最大の武器が生きるので。そこは見てもらいたいです」
――平松選手はMMAも喧嘩もできます。
「喧嘩できる奴って、寝技が弱いです。僕は喧嘩ができないので、寝技にハマりました。喧嘩が強い人は殴れるから、そっちに一生懸命にあんまならないじゃないですか。僕が柔道と柔術を続けられたのは、性格的には威張りたいのに喧嘩がガチ弱かったからなんですよ(笑)。痛いのが嫌いで、パンチが怖い。
でも威張りたいから、ここでは負けないということでやり続けてきたので。そこが今回の試合で出ると思います。今回はフェイスオフでも目も見ない。向うは目を見て、オラオラするのが得意だから。そうなるとあっちのフィールドになっちゃうので。
今回の試合は『グラップリングでお願いします』という感じで、滑らかな感じでいきたいです」
ダニー・サバテロのような選手は、日本人が強くなるために必要なファイター
――もちろんタイトル戦に集中しないといけないですが、このタイトル戦は先に進むため。日本人の潰し合いで勝ち抜いた者が、海外の強豪と戦う権利と力を有していると自分は考えています。
「今回、圧倒的に極めることができるか。5分3R戦う準備をしていますが、初回での極めることはできる。ここで唖然とするような勝ち方ができれば、皆が幻想を持つようになりますね。やるなら『鹿志村、こいつなら極めることができんじゃね?』という期待が大きくなったところで、外国人と戦いたいですね」
――RIZINバンタム級は、今や極めがキーワードになりそうな空気もあります。今、鹿志村選手が言われた『極め幻想』はフィニッシュしないで怒られたチャンピオンに対して、最高の対角線上というポジションを手にできるかもしれないです。
「ダニー・サバテロのような選手は、日本人が強くなるために必要なファイターです。で、後藤選手が切って殴れないと、日本人でそれができる選手は、今はいない。そういうことになります。だからこそ、僕のやるべきことは『ワンチャン、あるんじゃない?』という勝ち方をすることなんです」
「まぁ、そのためにRIZINの日本人選手を極める必要もある。それは今回も同じで、幻想を抱いてもらえる試合をする。厳しい現実に、幻想は必要ですよ」
■DEEP131 視聴方法(予定)
5月4日(月・祝)
午後1時30分~U-NEXT、サムライTV、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ
■DEEP131 計量結果
<水野竜也引退エキシビションマッチ/2分2R>
水野竜也:――キロ
シビサイ頌真:――キロ、上田幹雄:――キロ






































