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【RISE ELDORADO】大﨑孔稀と世界王座戦。志朗「メンタルを折りたい。55キロ最強を証明する」

【写真】RISEの年間最大のビッグマッチ=ELDORADOに6年連続出場となる志朗。まさにRISEを象徴・体現する王者だ(C)RISE

28日(土)東京都墨田区の両国国技館にて開催されるRISE ELDORADO 2026。RISE世界バンタム級(-55kg)選手権試合で王者・志朗が挑戦者・大﨑孔稀と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年の志朗は右拳の負傷による長期欠場から復帰。8月には「THE MATCH 2022」で敗れている玖村将史にもリベンジを果たし、存在感を見せた1年となった。2026年の初陣は最強の挑戦者と目されている大﨑。自身が保持するRISE世界王座の防衛戦であると共に、国内55キロ最強を決める戦いとも言える。

またRISEは昨年からRWS(ラジャダムナン・ワールド・シリーズ)とクロスプロモーションをスタートし、ONE Friday Fightsにも選手を派遣。年内にはRISE内でも55キロの世界トーナメント=WORLD SERIESが計画されるなど、軽量級の選手が世界に向けて活躍できるチャンスも大きく広がった。

今のRISEを取り巻く状況も含めて、国内55キロの最前線を走り続ける志朗に話を訊いた。


相手の攻撃をもらわずにポイントを取って勝つ。それを徹底してやってきた

――2025年は志朗選手にとってはどんな1年でしたか。

「全勝で終えることが出来ましたし、8月に玖村将史選手にリベンジできてよかったなと思いますね。そこがやっぱり1番大きかったです」

――「THE MATCH 2022」以来、約3年越しの再戦という今までになかったシチュエーションだったと思いますが、試合が決まってからどんな心境で過ごしていたのですか。

「前回の対戦でダウンを取られて負けてるので、ずっと葛藤はありました。またダウンを取られたらどうしようとか。そういう意味で矢吹(正道、ボクシング世界2階級制覇王者)さんのところをはじめ、強い人のところに練習に行かせてもらって。相手の攻撃をもらわずにしっかりポイントを取って勝つということは、ずっと『THE MATCH 2022』で負けてから徹底してきたので、そこは出せたんじゃないかなと思いますね」

―試合が近づくにつれて不安もあったのですか。

「やっぱりそこはありましたよね。またダウンしたらとか、自分がダウンした時の攻撃の仕方も考えなきゃダメだとか、結構色んなことを考えてやっていました」

――いざ試合が始まると1Rからダウンを奪う展開となりましたが、このままいけると思っていたのか、それとも最後まで気が抜けなかったのか。どんな心境で試合をしていたのですか。

「やっぱり5Rだったんで、気を抜けないなと思いましたね。こっちがダウンを取った後の玖村選手の攻撃も全然キレがあって生きていると思ったんで、そこは油断できなかったです」

――試合直後はどんな心境でしたか。

「もうちょっとここをこうやればよかったなとか、そういうことを思いましたね。相手はこういう反応をするから、そこであれをやればよかったかなとか、それが出来ていたらもっと楽に倒せてたかもしれないなって」

――玖村選手にリベンジを果たした喜びに浸るよりも、どうすればもっとよくなるかに目が向いていたんですね。

「僕は試合に勝ってもそうなりますね。すぐに課題を見つけて…って感じです」

――とはいえ「THE MATCH 2022」の負けを清算できたという思いにはならなかったですか。

「そうですね。自分も含めて、周りからもいつか再戦してほしいと言われていて、それがようやく実現してああいう勝ち方ができたことは自分的には良かったなと本当に思います」

――そして11月のペットサンコム・ソー・ソンマイ戦は圧倒的な強さを見せつけるようなKO勝ちでした。

「もうRISEでやるべき相手は1人(大﨑孔稀)しか残っていないんで、その相手に対してどういった勝ち方を見せるかが大事だったんで、ここはKOしなきゃいけないと思って戦いました」

防衛戦をやるなら1番強い相手がいい

――そして今年のELDORADで大﨑選手との一戦が決まりました。今の言葉にもあったようにやるなら大﨑選手しかいないという予想はしていましたか。

「そうですね。今のRISEでは(大﨑)一択だなと思っていました。純粋に強い選手ですし、世界タイトルを防衛するなら1番強い相手がいいので、そうなると大﨑くんだろうなと思っていました」

――大﨑選手とは2022年10月に一度対戦していますが(この時は志朗が判定勝ち)、また自分とやるところまで上がってくることは予想していましたか。

「大﨑くんは自分と似てムエタイ上がりでバランスがいいスタイルで、やっぱりバランスがいい選手が残っているなというのは全体を見ていても思います。今のキックボクシングは一時のパンチ主体のボクシング+キックから、徐々にパンチと蹴りのバランスがいいキックボクシングに戻ってきて、蹴りが出来る選手の方が攻撃の幅が広がると思うし、そういった意味も含めて、大﨑くんはまた上がってくるだろうなとは思いましたね。結局トータル的に出来る選手が今の時代は強いんで」

――今の志朗選手の言葉を聞いていて、改めてムエタイスタイルの時代が来たというか、何か一つの強力な武器を持っているよりもバランスの良さや万能さが求められるようになっているなと思います。

「RISEルールはワンキャッチ・ワンアタックが有効なので、キャッチしてからの攻防が生まれるし、一瞬の崩しやこかしもある程度は許容されているじゃないですか。そこをどう有効活用するかですよね、選手自身が。あとは蹴りだったらタイ人ぐらい蹴れなきゃいけないし、パンチだったらボクサーぐらい出来なきゃいけない。僕自身、そのレベルにならなきゃいけないと思ってやっています」

――その考え方が志朗選手が長らくトップ選手としていられる要因だと思います。

「そうかもしれないですね。どうしても打ち合う選手は選手生命が短いし、浮き沈みも激しいと思うので、そこの違いはあるんじゃないですかね」

――そういう意味では志朗選手と大﨑選手の試合はハイレベルな攻防が繰り広げられそうですね。言える範囲でどんな試合をイメージしていますか。

「色んなパターンを想定して準備しています。相手が1Rから来るとか、延長までもつれるとか。本当に延長までいってもおかしくないぐらいの覚悟はあるし、大﨑くんはそのぐらい強敵だと思っています」

――どんな展開になっても最後は自分が勝っていたいですか。

「メンタルを折りたいですね。技術が同じぐらいでパワーも同じぐらいだったら、結局は心の勝負じゃないですか。そこの差で勝ちたいなと思いますし、右ストレートが得意なんでそこで倒しに行きたいなとも思います。自分が勝つパターンは何パターンか用意してあるので、そのどれかで勝ちたいですね」

――まさに心技体が揃っていないと勝てない戦いですね。

「キツくなった時にどっちが前に行けるか。キツい状況でどれぐらい丁寧にできるか。キツい時でもちゃんとガードを上げていられるか。疲れてくると頭も使えなくなるので、そうなった時にどのくらい普段の練習と同じ動きを出せるか、じゃないですかね」

――なるほど。キツい展開になると精神面がクローズアップされがちですが、キツい時こそどれだけ練習してきたかが試されるわけですね。

「例えば普段からガードを上げる練習をしていれば、体がキツくなっても勝手にガードが上がると思うんですよ。そういう無意識の状態になった時にどんな技を出せるかがカギになると思います」

55キロ最強を証明して、世界を相手に戦う1年にしたい

――この試合はELDORADのメインイベントに組まれました。周囲の期待は感じますか。

「そうですね。この試合に勝った後に僕がどうするのかを気にしている人もいますが、先を見据えて試合をするのは嫌なので、今は大﨑くんに勝って、やっとこの試合で55キロ最強を証明できるなと思います」

――RISEは昨年末からRWSとのクロスプロモーションをスタートし、ONE Championshipにも選手を派遣するなど、軽量級の選手が世界に売って出るチャンスが増えていると思います。志朗選手としてもワクワクするのではないですか。

「今はMMAの方がバブルだと思うんですけど、そこでどうキックボクシング(の波)が来るかは色々なタイミング次第だと思っていて。例えばONE Championshipは勢いがあって、今年から本格的に日本に進出してきて、市場そのものが大きくなると思うんですけど、ここは日本のキックボクサーが存在感を見せなきゃダメだなと思います」

――そういった意味ではこれから志朗選手が戦う可能性がある選手の幅も広がると思います。

「そうですよね。もう国内に相手がいないところを見せつければ、自ずと相手は世界になってくると思うので、そこはかなり意識しています。大﨑くんに勝って55キロ最強を証明して、世界を相手に戦う1年にしたいです」

■視聴方法(予定)
3月28日(土)
午後12時30分~ABEMA PPV

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