【DEEP Tokyo Impact2025#04】初の国際戦でラスカルを迎え撃つ杉山廣平「自分のやるべきことを一つ」
【写真】前日計量をクリアした杉山。KO宣言の相手に対し、対抗戦の1試合目として勝利をアピールした(C)MMAPLANET
7日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP TOKYO IMPACT2025#04では、DEEPと中国YFU(Youde Fighting Ultimate)との対抗戦が行われる。その対抗戦の中で杉山廣平が「ラスカル」ことワン・ミンハイと対戦することとなった。
Text by Shojiro Kameike
杉山が2021年11月に愛知県岡崎市から千葉へ拠点を移してから、4年弱が過ぎた。以降の結果は、本人としては満足いくものではないはずだ。そんななか、昨年9月に敗れた関原翔戦と、今年3月に濱口奏琉を下した一戦ではファイトスタイルに変化が見られつつある。自身としては初となる国際を控える杉山が語る、その変化とは。
――今日は宜しくお願いします。今リモート画面に愛犬が映っていますが、名前は……。
「名前は、杉山廣平です」
――いえ、愛犬の名前の名前をお願いします(笑)。
「アハハハ! 素で自分の名前を言ってしまいました。名前はアムちゃん、フレンチブルドッグ、2歳です」
――試合まで1週間を切っていますが(※取材は9月1日に行われた)、リラックスできているようですね。
「はい。今回は割かしリラックスできているんじゃないかと思います」
――岡崎から千葉へ拠点を移して以降、気持ちが落ち着かない時期はありましたか。練習拠点と住む場所が変われば、日常から大きく変化するかと思います。
「千葉に来た当初は、焦りというよりプレッシャーはありましたね。今振り返ると、メンタル的にも浮ついた面はあったと思います」
――メンタル的に浮ついていた……、それはいつ頃まで?
「いやぁ、本当に最近までです(苦笑)」
――えぇっ!?
「千葉に来てすぐ、自分が凄く強くなっている実感はあったんですよ。でもその強さが試合で出るまでには時間が掛かっていると感じていて。でもここ最近は生活面もそうだし、自分のメンタルの調整もうまく行っているんじゃないかと思っています」
――そういえばジムを移籍した当時とは雰囲気も変わりましたね。良い意味で棘が取れたといいますか……何か変化があったのでしょうか。
「変化――最近、結婚しました。そのおかげかどうか分からないですけど(苦笑)」
――おぉっ! それはおめでとうございます。
「結婚する前と結婚した後では、自分のメンタル面も違いますね。試合に対する気持ちは変わらないけど、試合に至るまでの過程で支えてもらっているので」
――なるほど。そんななか関原選手に敗れたあと、前回の濱口戦からファイトスタイルも少し変化していませんか。
「変わりましたね。自分は最近、競り合ってスプリットで負けてしまうという試合が多くて。なぜかといったら、自分のやるべきことが決まっていないまま――『全局面で戦えるだろう』という感じで、大まかに戦ってきたんです。関原戦も試合中は自分が勝っていると思っていたけど、負けてしまいました。
濱口選手との試合は自分が勝てる部分で勝負しに行く。それでスプリットになってしまったけど自分が勝って、その面では成長したんじゃないかと思える試合でした」
――濱口戦は徹底的にバックテイクを狙っていました。もともとスプラッシュ時代からバックテイクは得意にしていて。
「あぁ、そうですね」
――「自分が勝てる部分」というのが、まずバックテイクだったのでしょうか。
「そうですね。濱口戦でもまず寝かせてから極めることを目標にした結果、なかなか寝かせきれずにバックポジションが長くなっちゃって。とはいえ、それもやっぱり極めるということを考えたうえでの展開で」
――濱口戦の前までは、別の展開を考えることも多かったわけですか。
「どういう展開をする、ということではなく、大まかに『全部で圧倒する』とかざっくりとした考えしかなかったです。だからスプリットで負けてしまった試合は、どれも自分の力を出し切れていない内容でしたよね。これからは自分の力を全て出し切れるような試合をしたいです」
――全部できるようになったうえで、一つのことを突き詰める。チームメイトである扇久保博正選手はホセ・トレース戦で、まさにそんな試合を展開させていたように感じます。
「そう、そうなんですよ。まず自分のやるべきことを一つ持って試合に臨んだほうが良いと思います。その一つが通用しなければ、他の要素を使えるように持っておく必要はありますけど。それがいわゆるプランA、プランBの話で」
――そして今回、中国YFUとの対抗戦という形でラスカルことワン・ミンハイと対戦することになりました。
「そもそも自分は『海外の選手と試合したい』というモチベーションは高かったんです。だけど今まで国際戦の経験がなくて。自分としては良いタイミングで組まれたと思いますし、それも対抗戦でDEEP代表として選んでもらえたのは光栄ですね」
――ただ、情報が少ない相手ではあります。
「そうなんですよ……。試合映像も少なくて。それこそ僕に伝わっている選手が本当に来るのかどうか、って不安があります(笑)」
――アハハハ。
「さすがに違う選手が来ることはないでしょうけど、情報が少ないので、もう当日にならないと分からない部分が多いなと考えています」
――それだけ情報がないラスカルとの試合に向け、どのような練習をしてきましたか。
「相手の試合映像を視るかぎり、グラップリングが得意な選手なのかなって思います。特にギロチンにこだわっているような感じですね。
ただ、自分とは打撃でもグラップリングでも差があるように感じるので、打撃で仕留める流れを考えながら、スクランブルも付き合わずにフィニッシュしたいです。僕が打撃で削っていくと相手は組んでくると思います。組んできても自分が対処できるし、さらにポジションでも上回って極める結果になるんじゃないかと考えています。
対抗戦ではDEEP勢の全勝はもちろん、自分が未知の中国人選手とどう戦うのか。楽しみにしていてください」
■視聴方法(予定)
9月7日(日)
午後12時05分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ
■DEEP TOKYO IMPACT2025#04 対戦カード
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
マジシャン(中国)
<フェザー級/5分3R>
海飛(日本)
ジャッキー狂(中国)
<フライ級/5分3R>
杉山廣平(日本)
ラスカル(中国)
<フライ級/5分2R>
橋本優大(日本)
安永吏成(日本)
<フライ級/5分2R>
横内三旺(日本)
松井優磨(日本)
<フェザー級/5分2R>
黒井海成(日本)
奥村歩生(日本)
<ライト級/5分2R>
山崎弥十朗(日本)
アサン・ゲェイデ(セネガル)
<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
松丸息吹(日本)
<フェザー級/5分2R>
鈴木大晟(日本)
今村豊(日本)
<フライ級/5分2R>
颯斗(日本)
石原射(日本)
<バンタム級/5分2R>
生田大雅(日本)
西山亮翔(日本)
<OPアマチュア フェザー級/3分2R>
寉岡樹記(日本)
大和田龍斗(日本)
<OPアマチュア フェザー級/3分2R>
菅涼星(日本)
ダイア(日本)
<OPアマチュア フライ級/3分2R>
岸翔大(日本)
荒井夕翔(日本)