【UFC127】BJに立ちふさがる壁=ジョン・フィッチ
いよいよ開催が迫ってきたUFC127「Penn vs Fitch」。27日(日・現地時間)にシドニーのエイサー・アリーナで行われる同大会のメインは、その大会名にもある通り、BJ・ペン×ジョン・フィッチのウェルター級の一戦だ。
【写真】ザ・地味強というべきジョン・フィッチ。この試合に勝てば、4月のGSP×ジェイク・シールズ戦の勝者に挑戦する可能性もある (C)GONGKAKUTOGI
UFC参戦以来、8連勝でGSPの持つ世界ウェルター級王座に挑戦するも敗北、その後も2年間で5連勝を達成、UFC戦績13勝1敗という数字は、GSPの15勝2敗を上回り、ミドル級王者アンデウソン・シウバの13連勝に次ぐ高い勝率となっている。
ジャブを打ち込むと同時に組みつき、ドライブしてからテイクダウン。立ち上がろうという相手のバックに回り込むと、再び寝技に引き込み心身ともに削っていくスタイルは、確かに地味だが、鉄壁の強さを誇るといっても過言でない。
そんなフィッチに挑むBJにとって、これがウェルター級転向2戦目、いや、正確にいえば4度目のウェルター級転向後、2戦目となる。
UFCで初めてMMAを経験したBJ、初オクタゴンは時を遡ること、9年と9カ月前のライト級戦。天才の異名通り、インパクトの強い試合を重ねたが、ライト級王座を獲り逃すと、ROTRでの五味隆典戦を経て、04年1月にマット・ヒューズの持つUFC世界ウェルター級王座に挑戦。その腰に初めてUFCのベルトを巻いている。
その後、戦いの舞台をホームのハワイや日本に移した彼は、ミドル級でホドリゴ・グレイシーやヘンゾ・グレイシーを下し、ヘビー級契約でリョート・マチダとも戦っている。体重差を超越したチャレンジを終え、06年にUFCにカムバックもGSPとヒューズに敗れウェルター級での王座獲りは成らなかった。そして、TUFシーズン5でオクタゴンへ本格的にライト級を持ち込むと、08年1月についにライト級王座をその手中に収めている。
1年後にライト級王者として、GSPの持つウェルター級王座に挑戦するも完敗を喫したBJは、ライト級でその強さを示し続けたものの、昨年フランキー・エドガーによって王座陥落。再戦にでも敗れると、僅か3月のインターバルで4度目のウェルター級転向を果たした。
転向後、初戦はレジェンド対決の趣もあったヒューズとの決着戦で、21秒TKO勝利を収め、今回のフィッチ戦を迎えることとなった。もちろん、その先に2度目のウェルター級王座奪取を見据えての対戦となるBJだが、今回に限っては強くてもファンの支持が今一つのフィッチに、ビッグネーム食いを期待したマッチメイクとも見受けられる。
KOパンチを持ち、テイクダウンに優れ、上下どちらからも極め力を持つ、それがBJ・ペンというファイターだ。しかし、フィッチのフィジカルを前に彼がこれまでのようなセンスある攻撃を繰り出すことができるか。フィッチの長いリーチは打撃戦とテイクダウン狙いを拒み、広い背中はガードワークを無力にする可能性が高い。つまりフィッチのフィジカルは、BJの得意な攻撃をことごとく跳ね返す可能性を持っているといえるが果たして……。
■UFC127対戦カードは下記の通り
<ウェルター級/5分3R>
BJ・ペン(米国)
ジョン・フィッチ(米国)
<ミドル級/5分3R>
マイケル・ビスピン(英国)
ホルヘ・リベラ(米国)
<ライト級/5分3R>
ジョージ・ソティロポロス(豪州)
デニス・シバー(ドイツ)
<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・エバーソール(米国)
クリス・ライトル(米国)
<ミドル級/5分3R>
クリス・カモージー(米国)
カイル・ノーク(豪州)
<ライト級/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
スペンシャー・フィッシャー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
アレクサンダー・グスタフソン(スウェーデン)
ジェームス・テフナ(豪州)
<ミドル級/5分3R>
ニック・リング(米国)
福田力(日本)
<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・ペロッシュ(豪州)
トム・ブラケッジ(英国)
<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ラインハート(米国)
ヂャン・ティェカン(中国)
<ヘビー級/5分3R>
マーク・ハント(ニュージーランド)
クリス・トゥクシャー(米国)
<ライト級/5分3R>
カート・ワーバートン(英国)
マチェイ・ユトゥスコ(ポーランド)