【UFC317】初回を取ったモイカノだが、明確なヴィジョンが感じられずダリューシュに逆転を許す
<ライト級/5分3R>
べニール・ダリューシュ(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ヘナト・モイカノ(ブラジル)
左ハイで牽制した、サウスポーのダリューシュ。続いて左ミドルを蹴り、左ストレートを伸ばす。さらにローと蹴りを散らすダリューシュに対し、モイカノは蹴り足を捌かれたと同時に左フックを当てる。互いにインローを蹴り、ダリューシュは左ミドルハイに続いて、インローを入れる。モイカノはワンツーで距離を詰め、インローを蹴られると近距離でヒザを入れる。パンチの交換で大振りだったダリューシュが、アウトローでモイカノのバランスを崩す。しかし、自らのローで尻餅をついたダリューシュは、続く打撃の交換から組まれてケージに追い込まれる。
すぐに離れたモイカノは左ミドルを蹴られ、インローで前足を削られる。それでも拳の攻撃では優勢のモイカノは右フックをヒットさせる。ダリューシュも蹴りとのコンビで接近戦に応じるが、右ストレートでダウンを喫しバックを取られる。後方からパンチのモイカノは、自ら離れて正対してきたダリューシュに追い打ちを見舞い時間となった。
2R、ダリューシュは左をヒットし、続くモイカノのテイクダウンを切る。スクランブルでバックに回ったダリューシュだが、モイカノはシングルへ。これを許さなかったダリューシュは、背中の飛び乗るも自ら着地する。正対したダリューシュは、ダブルレッグからバックコントロールへ。モイカノはワキを締め、スペースを与えず胸を合わせる。
ダリューシュはハイクロッチでテイクダウンを決め、ハーフでトップを取りきると、胸を合わせて抑え肩固めの機会を伺う。時間が過ぎ、スペースを創って殴りに行ったダリューシュが再び枕から肩固めを狙う。観客は大きなブーイングを送るが、トップを取り続けたダリューシュがラウンドを取った。
最終回、即ダブルレッグからバックに回ったダリューシュ。モイカノは後方に倒れ込もうとしたダリューシュに対し、反転して胸を合わせトップを取ろうとする。ダリューシュはスクランブルから立ち上がり、距離を取ってミドルを蹴る。組んでも即離れられたモイカノは、続くクリンチ狙いにもエルボーを被弾する。両者動きが落ちる中、モイカノは手数でもダリューシュに遅れを取るように。蹴りをキャッチしても、組み技に持ち込めなかったモイカノは距離を取ったダリューシュのパンチを貰う。さらにダリューシュは左を伸ばして反応させて、ダブルレッグでテイクダウン。スクランブルではスタンドで背中に乗ってワンフックに。着地しつつ、すかして尻餅をつかせたダリューシュ。モイカノは立ち上がるが打撃戦でリードできない。
組みに来たモイカノにヒザを突き刺したダリューシュが、離れてワンツーを見せる。モイカノは最終局面でダブルレッグを選択してしまう。これは決まらず、最後は間合いを取ったところで試合が終わった。結果はジャッジ3者ともダリューシュを支持した。モイカノはパンチでリードしながら、組みで不利になり最後の逆転を賭けたタイミングでもテイクダウンを仕掛けるなど明確なビジョンが感じられなかった。
そしてイラン生まれの勝者は、キリストに感謝の言葉を述べ「僕は初回はレイジーなんだよ。明日家に帰り、眠って起きて同じことを続ける。相手を指名できない。ただ戦うだけだよ」とマイクで話した。