【RIZIN OTOKOMATSURI】シェイドゥラエフと防衛戦、クレベル・コイケ「彼はそれ“だけ”です」
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5月4日(日)に東京都文京区の東京ドームで開催されるRIZIN男祭りにて、RIZINフェザー級王者クレベル・コイケが、ラジャブアリ・シェイドゥラエフの挑戦を受ける。
text by Takumi Nakamura
昨年大晦日に鈴木千裕に判定勝利してRIZINフェザー級王座返り咲きを果たしたクレベル。初防衛戦では最強の挑戦者と言っても過言ではないシェイドゥラエフと対戦する。この一戦に向けてクレベルは試合前恒例のATT合宿を敢行。新たな技術を取り入れつつ、帰国後はボンサイ柔術の面々と共に技術という刀を研ぎ澄ませる作業を続けてきた。
またクレベルにとっては大晦日と東京ドームというビッグマッチのメインを2大会連続で任されることになる。RIZINの強さの象徴であり、RIZINの王道を突き進むクレベルがベルトへの想いを熱く語った。
ATTで色んな刀を手に入れて、それを日本に持って帰ってくる。その中で使える刀を選んで、試合までに刀を研いで切れ味を上げる
――試合まで約一週間となりました(取材日は4月26日)。今の仕上がりはいかがですか。
「ベストコンディションで体の調子はいいですね。怪我もなくて減量も順調なので、すごくいい練習ができています」
――スパーリングなどの対人練習を終えて、最終調整という段階ですか。
「そうですね。今回は土曜日に公開練習があったので、ハードなトレーニングは木曜日までにして、来週は打ち込みと体重調整をして試合に備えます」
――今回もATTで合宿を行ったそうですね。どれぐらいの期間、ATTで練習されたのですか。
「3月16日から4月20日まで1カ月間行ってきました。ATTは朝にメインのプロ練習があって、月曜日=レスリング、火曜日=スパーリング、水曜日=レスリングとグラップリング、木曜日=スパーリング、金曜日=グラップリング、土曜日=フリー。夜は月曜から金曜までフィジカル・ミット打ち・打ち込み・ドリルに分かれていて、自分は火曜日と木曜日にフィジカル、それ以外の曜日はその時の状況によって変えていました。
私にとってATTは本当に大事な練習場所で、素晴らしいコーチがいるのはもちろん、練習仲間がたくさんいます。グラップリングの世界チャンピオン、キックのチャンピオン、そしてMMAのチャンピオン。色んな相手とスパーリングできるし、テクニックもたくさん学ぶことができますね」
――クレベル選手でもATTに行くと新しいテクニックを学ぶことは多いですか。
「もちろんです。アメリカでは新しい技術をたくさん学ぶことが出来ます。もともと持っている自分のテクニックを磨きつつ、新しいテクニックや自分が知らないテクニックを学んで、それを自分に合うように調整しています」
――例えばアメリカで教わるテクニックはレスリング的なものが多いのですか。
「確かにレスリング的な動きは多いですが、レスリングとグラップリングの両方ですね。みなさんも知っている通り、私の得意技はグラップリングです。日本人はみんな得意なことより苦手なことを練習しますが、私は得意なことはもっと練習するようにしています。MMAはキックも大事でレスリングも大事です。もちろんグラップリングと柔術も大事で、私はその2つが一番好きなので、もっと練習します」
――クレベル選手は得意なことをさらに伸ばすという考えなのですね。日本人は弱点をなくすために苦手なことを練習する選手が多いですし、それとは逆ですね。
「そうです。どんな選手でも好きなことは集中して練習できるし、集中して練習すれば必ず上達する。だから私はグラップリングと柔術は必ず練習します。また純粋にグラップリングがと柔術が大好きなので、その2つを練習することは私の趣味です。米国でもたまに道衣を着て練習しますし、たまにATT以外のジムに行くことがあるのですが、その時は道衣を着て普段手を合わせない人と練習します。そういう練習は楽しいですね」
――以前、元谷友貴選手を取材した時に「ATTに行く回数が増えると練習の理解度が上がる」と言っていました。クレベル選手はいかがですか。
「ATTに行けばたくさんのことを勉強できるので、その中から自分のスタイルに合うものを選び、それをドリルや打ち込みで練習します。上手くいかない時にはどこがよくないのかを質問するし、どうすれば出来るようになるかを聞きながら練習しています」
――そしてATTで覚えてきたものを日本で調整して試合に臨むイメージですか。
「はい。ATTの練習もそうですが、日本で調整する作業が一番大事だと思っています。マルキーニョス(マルコス・ヨシオ・ソウザ)、サトシ(ホベルト・サトシ・ソウザ)、怪物くん(鈴木博昭)、三崎(和雄)……彼らは自分のことを本当によく理解してくれています。米国で新しいことを覚えて帰ってきて、彼らと練習しながら『これはどう?』と話し合いながら、技術をトッピングしていきます。イメージでいうと侍の刀ですね」
――侍の刀…ですか。
「ATTで色んな刀を手に入れて、それを日本に持って帰ってくる。その中で使える刀を選んで、試合までに刀を研いで切れ味を上げる。せっかくいい刀を持っていても研いでいないと切れないじゃないですか。それと同じですね」
――クレベル選手は刀を研ぐように技術を磨いているのですね。さて対戦相手のシェイドゥラエフにはどんな印象を持っていますか。
「彼は若くて強い。フィジカルも強くて、試合に対する気持ちも強いと思います。でも私からすると、彼はそれ“だけ”です。私はどんな形でもフィニッシュするイメージは出来ているので全く問題ないです。日本のファンは『シェイドゥラエフは強いからクレベルが負けるかもしれない』と言う人が多いですが、私は一切それを気にしていません。シェイドゥラエフも成長していると思いますが、私も常に成長しているので、何も心配はないですね」
日本のRIZINです。日本にいる私がこのベルトを持ち続けます
――今回は東京ドームでの試合になります。クレベル選手が東京ドームで試合するのは2021年6月の朝倉未来戦以来、2度目となります。
「対戦相手のことは何も心配していないのですが、会場が大きいことは少しだけ心配ですね。特に東京ドームは花道が長いので緊張します(笑)」
――クレベル選手でもドームの花道は緊張しますか。
「でも東京ドームは日本で一番大きい会場ですし、ファイターはみんな試合をしたいと思う会場なので、そこで試合できることはうれしいです」
――しかもクレベル選手は昨年大晦日、今年の東京ドームと2大会連続で大舞台のメインイベントで戦うことになりますね。
「本当にそれはうれしいことですね。初めてRIZINに出た時、まだ私は頑張って強くなっている最中で、誰も私のことを知らなかった。自分もいつかメインイベントで戦いたい、タイトルマッチをやりたいと思いながら試合をしていました。だから今こうして自分がRIZINのチャンピオンになって、メインイベントで試合できていることは幸せです」
――そういった想いから公開練習でも「RIZINのベルトは日本のベルト。絶対に守る」という言葉が出たんですね。
「私は日本のベルトを守ること、日本にRIZINのベルトを残すことを約束します。シェイドゥラエフのように海外からRIZINのベルトを狙ってくる選手もいますが、私がこのベルトを防衛します。RIZINは日本のイベントで、日本のRIZINです。日本にいる私がこのベルトを持ち続けます」
――力強い言葉ですね。それでは最後にどのような試合を見せたいですか。
「いつも試合前は『クレベルは勝てるの?』とクエッションを持っている人がたくさんいます。でも私が試合に勝って、周りの評価が『クレベルは強い!』、『クレベルがチャンピオンだ』に変わるのが本当に気持ちいいです。今回の試合も色んな意見があると思いますが、私が勝ってホンモノのチャンピオンだということを証明します」
■視聴方法(予定)
5月4日(日)
午11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!