【RIZIN DECADE】堀口恭司に挑戦、ズールー「世界最強と戦うことで、本当の能力を知ることになる」
【写真】レスリングとグラップリングにも絶対の自信があって、あの打撃がある。堀口が絶対に勝てる空気感で、何かをしでかす可能性は十分にあるだろう(C)RIZIN FF
31日(火)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN DECADEの第2部=RIZIN49でエンカジムーロ・ズールーが堀口恭司の持つRIZINフライ級王座に挑戦する。
Text Manabu Takashima
9月のRIZIN49で新井丈を初回KOで下したズールーは、4分強の試合時間のなかで多彩な蹴りを披露した。しかしながら、本人ですらRIZIN出場2度目でベルトを賭けた試合を戦えるとは一切予想していなかったという。
と同時に打撃のみで新井をKOしたズールーは、堀口に挑戦するうえで自らのアドバンテージを「サブミッション」と言い切った。
──大晦日、8日後に日本最大の格闘技イベントで堀口恭司選手の持つRIZINフライ級王座に挑戦します。今の気持ちを教えてください。
「まずRIZINがこの機会を与えてくれたことに感謝している。まさかタイトルショットを戦うことができるなんて、思ってもいなかった。9月にジョー・アライに勝った時、タイトルまで2試合、いや3試合勝ち続ける必要があると考えていたから。
オファーを貰った時、最初は信じられなかった(笑)。ホリグチは日本のスーパースターだ。タフな試合を重ねてきた。本当に予想外の事態って感じで。アライとの試合内容が評価されたのだったら凄く嬉しいことだ。ベスト中のベストを相手に、この二つの拳に全ての力と気持ちを込めて全力で戦う」
――試合の序盤は新井丈選手の圧が上回っているようにも見えました。左の蹴りが有効打となるまでは、やや様子見だったのでしょうか。
「あの試合を振り返るのであれば、試合開始直後のアライは本当に強かったと断言できる。前に出て、放たれるパンチの威力も凄まじかった。ただ彼が前に出てくるのであれば、やりたいように攻めさせた。あのステップインなら、僕のパンチが当たると確信できていたから。
彼の攻撃を見定めてから、逆に圧を掛けていった。ゆっくりした動きも含みつつ、ペースアップしたんだ。2Rはもっとハイペースでプレッシャーを与えるつもりだったけど、試合は1Rで終わった。結果として初回でKOできたのは、最高だったね」
――左の蹴りを散らしていましたが、サウスポーの時は当然としてオーソの構えで、前足であれほどの質量の蹴りを繰り出せることが印象に残っています。
「それが僕のスタイルだから。オーソでもサウスポーでも自在にスタンスを変えることができる。何も変わりない。同じ攻撃をどちらの構えから出すことができるから。
オーソの前足でパワーのある蹴りを使えるのは、100パーセント極真空手を学んでいたからだよ。極真時代は常に構えを変えて戦う稽古をしていた。そのスタイルをMMAを戦うようになって、極真でも黒帯を巻いていたコーチと発展させてきたんだ。僕のMMAの根底には、極真空手が存在している」
――MMAでスイッチヒッターは珍しくないですが、レスリングとボクシングの融合で蹴りを左右自在に、そしてパンチとのコンビで使いこなせる選手はそれほど多くないかと思います。
「フフフフ。そこは僕も思っているところだけど、そういう風に言ってもらえると嬉しいね。ありがとう」
――蹴りを効かせた後のラッシュで、スピニングバックキックを見せたのも驚きでした。
「あれは自然と出た。回転系の技は、何も一か八かで使うわけじゃない。確実に相手を仕留められると思って、蹴っている。それはパンチでもエルボーでも、ヒザでも同じことだよ」
――ところでリングでも、違和感なく戦えましたか。
「確かにMMAをリングで戦うのはアライとの試合が初めてだった。ただRIZINのリングで使われているロープは、緩みが無くピンと張っているから凄く戦いやすかったよ。それこそ壁のようだったから、簡単にアジャストできた。あれが緩々だとそんな風にいかないけど、あの張り具合が分かってロープを背負って戦っても大丈夫だと思った。
あのロープの状態だったら、逆にリングで戦う方が僕は力を発揮できるだろう。極真空手時代からスクエアな舞台で戦ってきた。だからリングで戦うことをイメージするのは難しくないんだ。あのロープだと姿勢を乱すことがないから、凄く予測も立てやすいしね。足元もそれほど滑ることがなかった。僕がMMAを戦ううえでRIZINのリングはベストだ」
――同時に新井選手との試合では、ズールーはMMAファイターとして技量を全て見せたわけではないです。打撃戦で勝利し、攻防ともにレスリングやグラウンドワークをまだ披露していないですね。
「僕のレコードを見て欲しい。7試合で一本勝ちしている。残り7勝はKO勝ちだ。僕の柔術は捨てたもんじゃないよ(笑)。レスリングのトレーニングも、死ぬほど繰り返してきた。ホリグチとのタイトルショットでは、僕のレスリングと柔術の技術を十分に堪能してもらえるはずだ」
――RIZINではフライ級GPが2025年に開かれるという噂があります。そこに堀口選手は欠かせない。正直なことを言えば、今回のタイトルマッチではズールーは完全にアンダードッグという見方をされています。
「アンダードッグだとか、掛け率とか全く試合の準備に影響を及ぼすことはなかった。僕のことなんて全く知らないし、期待もしていないタイの観客の前で戦ったことがある。僕は自分のやるべきことをやるだけで、アンダードッグとか全く関係ない。逆に僕の気持ちを強くしてくれる要素だよ。
そして大晦日は皆を驚かせ……、あるいは動揺させることになるかもしれないけど、ベルトを南アフリカに持って帰る。僕にはそれだけの力、技、精神力がある」
――そのためにどのような試合を日本のファンに見せたいと思っていますか。
「フフフフ。なんて答えれば良いのかな……。言えることは、ビッグアップセットを起こすということ。ホントに日本のファンのことは大好きだし、日本という国が大好きだ。誰もが僕のことを歓迎してくれた。でもホリグチという世界最強の1人と戦うことで、自分がどれだけのことができるのかを知りたい。ホリグチとのタイトル戦で、自分の本当の能力を知ることになると思っている」
――そんな堀口選手に対して、ズールーのアドバンテージは?
「そうだね、サブミッションだ。アッ、信じていないだろう(笑)。ホリグチはスマートな選手だけど、僕なら彼を極めることができる。そして、試合がタフになればなるほど、極真スピリットをもって戦うことになる。テイクダウンをしてパウンドアウト、サブミットもできる。アライとの試合でも、それは可能だった。でも、あの時はスタンドで戦うと決めたからテイクダウンにはいかなかった。結果、スタンドで勝てた。
ホリグチとはトータル力の勝負になるだろう。ベストを尽くして、エキサイティングな戦いをする。エルボー、ハイキック、ヒザ蹴り、血まみれになるような試合になるかもしれない。でもホリグチの頭を射抜き、ベルトを巻いて南アフリカに戻ってくる(※取材は23日に行われた)」
■RIZIN DECADE 視聴方法(予定)
12月31日(火)
午後1時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN DECADE / RIZIN49 対戦カード
<RIZINフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 鈴木千裕(日本)
[挑戦者] クレベル・コイケ(ブラジル)
<RIZINフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 堀口恭司(日本)
[挑戦者] エンカジムーロ・ズールー(南アフリカ)
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者] ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者] ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
<女子スーパーアトム級/5分3R>
伊澤星花(日本)
ルシア・アプデリガルリム(アルゼンチン)
<バンタム級次期挑戦者決定戦/5分3R>
元谷友貴(日本)
秋元強真(日本)
<フェザー級/5分3R>
久保優太(日本)
ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
<フェザー級/5分3R>
YA-MAN(日本)
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
芦澤竜誠(日本)
<ヘビー級/5分3R>
上田幹雄(日本)
キム・テイン(韓国)
<59キロ契約/5分3R>
神龍誠(日本)
ホセ・トーレス(米国)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
桜庭大世(日本)
<フェザー級/5分3R>
武田光司(日本)
新居すぐる(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
エドポロキング(日本)
<バンタム級/5分3R>
大雅(日本)
梅野源治(日本)
<RIZIN甲子園決勝戦/5分2R>
横内三旺(日本)
斉藤健心(日本)