【UFN243】ブリトと対戦、UFCで3勝0敗のウィリアム・ゴミス「MMAは禁止はモチベーションになった」
【写真】スマートさと、自分への信頼度の高さがインタビューを通して伝わってきた (C)MMPLANET
28日(土・現地時間)にフランスはパリのエコー・アリーナで開催されるUFN243:UFN on ESPN+101「Moicano vs Saint Denis」に、2022年9月のオクタゴンデビュー以来3連勝中のフランス人ファイター=ウィリアムス・ゴミスがメインカードに出場する。
Text by Takashima Manabu
ジョアンデウソン・ブリトと対戦するゴミスは、散打出身でスピードとレンジコントロールが武器の打撃系ウェルラウダ―だ。MMAが解禁されてまだ3年9カ月のフランスだが、既に欧州のMMA強国に成長している。サッカー代表と同じようにアフリカ系、アラブ系の活躍が目立つフランスMMA界フェザー級最強ファイターに初インタビューを試みた。
──今週末に母国でジョアンデウソン・ブリトと戦います(※取材は24日に行われた)。今の気持ちは?
「最高だよ。あとは減量だけ。もうウォーの準備はできているよ」
──ここまでオクタゴン3連勝ですが、まだまだ日本のファンはウィリアムスのことを知りません。UFCに辿り着くまで、どのようなキャリアを歩んできたのかを教えてください。
「MMAを始めたのは19歳の時で、それ以前は武術散打をやっていてヨーロピアン・チャンピオン、フランチ王者には何度もなっているよ。それから柔術、レスリング、ムエタイ、ボクシングとあらゆるコンバットスポーツをやりMMAを戦う準備をしてきたんだ」
──MMAを始めようと思ったのは?
「叔父の1人がMMAファイターのグレゴリー・バベンなんだ」
──Bellatorミドル級で戦っていた?
「そうだよ」
──正直、凄く記憶にあるとは言えないですが、パワフルでラフなストライカーだったようなイメージがあります。
「アハハハ。だから、僕も叔父の活躍を見ていると、自分もできる。僕の方ができるって思ったんだ(笑)。僕は色々な格闘技経験があるからね。MMAに転向するのは、ごくごく自然な流れだったと思う」
──散打は投げや崩しのある競技ですが、MMAに生きることはありましたか。
「足の動きだね。素早く動けるようになったことだ。それがMMAファイターとして、僕のアドバンテージにもなっている。それに散打にはテイクダウンもある。殴って、足を使ってテイクダウンすることはMMAで最も重要なことだから。そこから先は柔術を習うようになって解決したよ」
──足の動き……それはキックなのか、ステップなのか。どちらでしょうか。
「両方だよ。キックもフットワークも」
──散打はバランスを崩し、足の裏以外がつくとポイントを失います。ただ打撃から入る競技形態で、打撃の交換なしに組んでくる相手もMMAにはいるかと思います。そういう組みのスペシャリストに戸惑いはなかったですか。
「近づいて来る相手には、パンチを打ち込めば良いだけだよ(笑)。まぁ、簡単じゃなかったけど。ハハハハハ。だから、僕の足の動きが武器になるんだ。近づいて来る相手に対して、距離をコントロールできるからね。そして、顔面にパンチを当てる間合いを創るんだ。
それに倒されても、今の僕は十分に寝技で戦える。グラウンドでもマネージメントできるよ。100パーセントの自信を持っている」
──フランスは長い間、MMAが禁じられていました。その影響は受けましたか。
「そうだね、逆境を跳ね返してやろうとモチベーションになったよ。結果としてMMAが解禁されたタイミング、UFCがフランスにやってきたタイミングと僕にとってはパーフェクトになった。今や、フランスでMMA人気は絶対的に上がっているからね」
──そのなかでUFCデビューから3連勝という最高の形でキャリアを積んできました。
「3連勝できたことは良かった。でも、もっとやれる。僕は自分のことが分かっているから、あんなものじゃないと信じている。それを今回の試合で証明するよ」
──では対戦相手ブリトの印象は?
「強いよ。でもスマートじゃない。僕のようにね(笑)。気持ちは強いけど、彼の攻撃が僕に当たるとは思えない。ちょっと力に頼っている。技術はない。前に出て、殴ろうとするだけだ。同じ打撃でも、僕の打撃は彼とは違う。
その違いを土曜日の夜には見せたい。だいたい、彼は防御力が低い。ベストファイターは自分の攻撃を当てても、相手に攻撃は受けないモノだ。そうでないと、試合は危なくてしょうがない。彼は全く身を守ることに頭が行っていない。
そういう相手だからパンチを当てることもできるし、テイクダウンを奪うことだって容易い。思うがままに、戦うことができるだろう。MMAはスマートでないと勝てない。彼はストロングかもしれないけど、僕はスマートでストロングだから。この試合は僕が勝つことは間違いない。2Rには勝てるかな、いや1Rかもしれないね」
──トップ10、トップ5となるために今後はどのようなファイターと戦わないといけないと考えていますか。
「ジエゴ・ロピスだ。僕のゴールはトップ5でなく、UFC世界フェザー級チャンピオンだから。ブリトはテクニカル判定だけどロピスに勝利している。僕が初回でブリトを倒すと、ロピスより上という見方もできるだろう? そのためにも、しっかりとブリトを倒すよ」
■視聴方法(予定)
9月8日(日・日本時間)
午前1 時00分~UFC FIGHT PASS
午前0時45分~U-NEXT
■UFN243対戦カード
<ライト級/5分5R>
ヘナト・モイカノ(ブラジル)
ベノワ・サンドニ(フランス)
<ミドル級/5分3R>
ナソーディン・イマボフ(フランス)
ブレンダン・アレン(米国)
<フェザー級/5分3R>
ウィリアム・ゴミス(フランス)
ジョアンデウソン・ブリト(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ジュセ(フランス)
ブライアン・バトル(米国)
<フェザー級/5分3R>
モーガン・シャリエール(フランス)
ガブリエル・ミランダ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
フェレス・ジアム(フランス)
マット・フレヴォラ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
イオン・クテレバ(モルドバ)
イワン・エルスラン(クロアチア)
<ライトヘビー級/5分3R>
ウマル・シ(フランス)
チョン・ダウン(韓国)
<ライト級/5分3R>
ルドヴィット・クライン(スロバキア)
ルーズベルト・ロバーツ(米国)
<バンタム級/5分3R>
テイラー・ラピルース(フランス)
ヴィンス・モラレス(ブラジル)
<女子バンタム級/5分3R>
アイリン・ペレス(アルゼンチン)
ダリア・ジリシニコワ(ロシア)
<フライ級/5分3R>
ダニエル・バレス(スペイン)
ヴィクトル・アルタミラノ(メキシコ)
<女子バンタム級/5分3R>
ノハ・コホノール(フランス)
ジャケリニ・カバウカンチ(ポルトガル)
<ライト級/5分3R>
ブラジ・オキ(ベルギー)
クリス・ダンカン(米国)