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【NEXUS36】小倉卓也を相手にバンタム級王座防衛戦、河村康博「自分が戦うところを盛り上げていけば」

【写真】戦い続けているとリベンジする場所も、相手も多くなる。どのリベンジを選択していくのかも注目 (C)TAKUMI NAKAMURA

25日(日)、東京都港区のニューピアホールで行われるFighting NEXUS36にて、バンタム級王者の河村康博が小倉卓也と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

NEXUS王者としてRIZINに参戦し、昨年はパンクラスで透暉鷹の持つフェザー級キング・オブ・パンクラスにも挑戦した河村。NEXUSを主戦場に様々な団体で戦う王者が、約1年半ぶりにNEXUSに帰還して3度目の防衛戦に臨む。透暉鷹戦の前には「NEXUSとパンクラスの懸け橋になりたい」と語っていた河村が、NEXUSとして初進出となるニューピアホール大会で戦うことの意味、そして自由度の高いNEXUS王者としての展望を語った。


──昨年12月の透暉鷹戦以来、今年初ファイトがNEXUSの防衛戦となりました。試合間隔が空いたのは何か理由があったのですか。

「特に理由はないんですけど、NEXUSで防衛戦をやることが、だいぶ前から決まっていたんですね。だから次の試合はNEXUSでやるつもりでいて、その大会が8月になったという感じですね。だから怪我していたとか、そういう理由ではないです」

──前回の透暉鷹戦を振り返っていただいて、ご自身ではどんな試合だったと思っていますか。

「変に5分5Rを意識しすぎたのと、なんか試合中にいろいろ考えすぎてしまったところがありました。もちろん透暉鷹選手もめちゃくちゃ強かったですし、一瞬で極められて完全に負けだなとは思っているんですけど、ちょっと1R終盤に(体力を)温存しようとか、そういうことを考えちゃったりして、その隙を突かれたなと思っています」

──頭のどこかでフルラウンドまで戦うことがよぎってしまったと。

「はい。5分5Rはやったことがなかったですし、練習でも5分3Rとか4Rぐらいはやっていたんですけど、5分5Rフルに同じ選手と練習するというのは、あまりやってなかったことも敗因の1つだったなと思います。そういう部分でも不安があって、そこで5分5Rを意識しすぎちゃったなと思っています」

──1Rにはシザーズチョークや足関節のチャンスもあったと思うんですけど、あれは先のことを考えてフルパワーで行けなかったのか。それとも透暉鷹選手の対処が上手かったのか。ご自身の手応えとしてはどうでしたか。

「まず自分の選択ミスがあったと思います。あとは向こうの対処が良かったというのもあって、フルで極めに行きすぎちゃうと凌がれた時にダメだなと思って、それで行けなかったところもあります。今思えばフルで行っておけば良かったなとかっていうのもありますし、そういう部分で5分5Rというのが効いていたのかなと思っています」

──5分5Rは序盤にチャンスが来ると、そこでどのくらい出力していいかどうかの判断が難しいですよね。透暉鷹戦の経験も踏まえて、この期間はどういうことを意識して練習されてきましたか。

「結果は一本負けでしたけど、自分の中ではものすごく差があるとは感じなかったので、自分がやってきたことが間違っているとは思わなかったです。なので練習そのものは今までと変わらず、だいぶ前からなんですけど重点的に打撃をやっていて、それを今も引き続きやっている状況ですね」

──透暉鷹戦の前のインタビューでも話されていましたが、自分の戦い方の幅を広げるための練習ですか。

「そうですね。幅を広げたいというのと、あと自分には倒せる打撃がなくて、そうなるとスタンドで相手に恐怖心を与えられないんですよね。なので、そこを克服したいと思っています。判定で勝つ、寝技を活かすためにはレスリングをやるべきだと思うんですけど、僕にはフィニッシュして勝ちたいという気持ちがあるので、そうなると打撃を磨く方がいいのかなと思っています」

──今回は小倉選手との試合が決まりましたが、改めて小倉選手の印象はいかがですか。

「何でもできる選手だなというのと、みんなが思っている以上にグラップラーという認識を持っていますね」

――自分と噛み合う・噛み合わないはどう予想していますか。

「試合を見ていると、打撃に関しては結構待ちのスタイルだと思うんですよ。で、相手が攻めてきたところでミスを誘って、バックを取ってバックチョークを極めるのが上手いんで、自分から行き過ぎるのもダメなのかなとか。そうなってくると自分の良さで勝負できないし、いろんな駆け引きをしないといけないし……正直、噛み合わないんじゃないかなと思います(苦笑)」

──小倉選手もキャリアがあるので、そういった意味では勝つための戦術を選択する選手かもしれません。

「やっぱりキャリアがあるので、経験値を活かして行くところで一気に行くみたいな力があるんじゃないかなと思っていますね。ただ今回はしっかり寝技で一本獲りたいと思います」

──今大会はNEXUSとして初のニューピアホール大会ですが、そういった大会に出ることをどう捉えていますか。

「NEXUSでこういうでかい大会があるなら、僕が出ないとダメでしょうという気持ちもあるし、タイトルマッチ&ダブルメインという形でやるのは、ある意味当然だと思っています。それと同時にこういう大会を自分の力で盛り上げないといけないという気持もが強いですね。試合内容もそうですけど、他の選手とは差をつけたいです」

──河村選手はRIZINにも出て、パンクラスでもタイトルマッチを戦っていて、どんなことが経験になりましたか。

「ああいう大舞台を経験して、緊張しなくなったとかはありますね。あとは気持ちの持ちようですけど、戦ってきた相手も他の人たちとレベルが違うと思っているんで、そういった意味では自信にもなっています。とはいえ、RIZINでもパンクラスのタイトルマッチでも負けていて、そこにリベンジしたい気持ちもあるので、NEXUSでの戦いは絶対に落とせないし、ベルトは防衛し続けないといけないと思っています」

──今回は同じRIZIN経験者の横山武司選手も出ます。大舞台を経験した選手がNEXUSに戻ってくるという形で、NEXUSそのものを盛り上げたいという気持ちはありますか。

「もちろんありますね。やっぱり横山選手は注目度が高いと思いますし、その次ぐらいに僕かなと思っているんですけど、それで僕ら目的でNEXUSを見に来てくれて、他の試合を見た時に『意外とNEXUS面白いじゃん!』と思ってもらえたら嬉しいです。今回のNEXUSはすごくいいカードが揃っているし、選手にとっていいアピールの場にもなると思っていて、僕らがそのきっかけになるべきなんじゃないかなと思っています。そういう意味では凄くいい大会だと思いますし、僕らが出る意味もあるのかなと思っています」

──まさに今NEXUSに出ている選手たちからすると河村選手や横山選手の活躍は目標であり、刺激になりますよね。そういう中で河村選手は一ファイターとして、今後どういったキャリアを積んでいきたいですか。

「いろんなところで言ってますけど、最終的にはRIZINにはリベンジしたいという気持ちが一番強いです。それが1つと、あとは僕がNEXUSから急にパンクラスに再登場してタイトルマッチまでいって、いい感じのアクセントになったと思っているんですね。結果は出せなかったですが、自分ではその団体を盛り上げるという仕事ができたと思っています。NEXUSはチャンピオンでも色んな団体に出てもいいというスタンスなので、パンクラスはもちろん、パンクラス以外の団体にも出て、その団体の強い選手とやるのも面白いんじゃないかなと思いますね」

──いい意味でNEXUSでチャンピオンでいることは自由度が高い、と。

「そうなんですよ。好き勝手にという言い方は変ですけど、僕は自由にやらせてもらっていて、そこは凄く非常にやりやすいなと思っています。なので、あまりバンタム級が盛り上がってないと思っている団体さんからオファーをいただけたら、そこを盛り上げる自信は結構あります。そうやって自分が戦うところを盛り上げていけば、僕もまたもう一回RIZINに出るチャンスに繋がると思うんで、いい感じで行けるんじゃないかなと思います」

■視聴方法(予定)
8月25日(日)
午後12時30分~Fighting NEXUS公式YouTubeチャンネル

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