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【Road to UFC2024 Ep06】準決勝&リベンジ、シャオカン戦へ。本野美樹「徹底して有利なポジションを」

【写真】ある意味、去年戦っていて負けているというのが本野の運でもあるかと (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでRoad to UFC2024 Ep05 & Ep06=Road to UFC Season03 Semi Finalsが開催され、Ep06の第2試合=女子ストロー級準決勝で本野美樹がフン・シャオカンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

本野はRTU初戦で中国のフォン・フェイアールと対戦予定だったが、フェイアールが計量オーバーに。そこで本野サイドはキャッチウェイト戦ではなく、試合をせず準決勝に進出することを選んだ。優勝すればUFCとの契約に至るトーナメント戦では、当然の選択といえる。もう一つ——昨年11月に敗れているシャオカンとの再戦を、無傷で迎えられたことも本野にとって良い結果だったのではないだろうか。

そんな本野が前回の計量現場とシャオカンとの初戦を振り返り、リベンジと決勝進出を賭けた一戦について語る。


――5月はフォン・フェイアールの計量オーバーで初戦突破となりました。まずは現場がどのような状況だったか教えていただけますか。

「相手は最初の計量で350グラムぐらいオーバーだったと思います。計量のリミット時間まで1時間半もあったし、私は絶対に落としてくると思っていました。私も計量会場でリカバリーしながら待っていたんですけど、フェイアールは時間になって戻ってきたら全く体重が落ちていなくて……」

――ということはギリギリの減量をした結果、350グラムオーバーだったのでしょう。

「計量オーバーの時点で、フェイアールは気持ちが折れていたと思います。『もう体重を落とすために体を動かしたくない。汗は出ない』と言っていて。これは聞いた話ですけど、最初は計量会場の奥でしゃがみこみ、落とすことを諦めていたらしいです。

オーバーしているグラム数でいえば、私が相手のファイトマネーから何パーセントかもらって試合できる範囲ではありました。でも、こちらから『体重を落とさないと試合はしない』と伝えてもらったら、体を動かしに行っていましたね」

――RTUはトーナメント戦ですから、相手の計量失敗なら次戦に進むことができる。そこで体重を落とせなければ試合をしない、というのは当然の判断だと思います。

「まずは優勝することが目標ですからね。トーナメントだから無傷で上がったほうが良いわけで。チームからも『絶対に上に行ったほうが良いから、試合は受けなくて良いんじゃないか』と言われて、試合はしませんでした」

――それだけ非情な面もあるのが勝負の世界です。それこそフェイアールが体を動かしに行った時、「このまま体重が落ちなければいいのに」とは考えませんでしたか。

「いえ、私としてはそこで気を抜きたくなかったです。350グラムだから落とせると思ったし、絶対に落としてくると考えていました。

フェイアールは過去に打撃が――特にヒジでカットしている試合もあったので、私自身も怪我をすることを覚悟して臨んでいたんです。結果、計量オーバーで……無傷で準決勝に進出できたのだから『ラッキーだった』と気持ちを切り替えました。周りの方からも『運も実力のうちだよ』と言ってもらえて、私も『次、頑張ろう』と」

――自身の試合こそなかったものの、現地でRTUを観た感想は?

「やっぱり皆がUFCを目指して戦っていて――河名マスト君の試合とか、お互いに立っているのがギリギリという状態だったじゃないですか。会場の雰囲気も凄くて、良い大会でした。私も戦う準備をして行ったし、『この舞台で試合をしたかったなぁ』と思って(苦笑)」

――アハハハ、それも当然の気持ちだと思います。ただ、準決勝で対戦するシャオカンの試合は、現場で観ても参考にならなかったのではないですか。

「はい(笑)。あの試合は実力差がありすぎて、シャオカンはノーダメージで準決勝に進出しました。もともとシャオカンが優勝候補と思われているのでしょうけど、あの組み合わせで、いろいろ察しましたね」

――シャオカンとは昨年11月に中国で対戦し、3Rに腕十字で敗れています。その初戦については前回のインタビューで語ってもらっていますが、改めて試合映像を振り返ると、とてつもなくケージが広くなかったですか。

「メチャクチャ広かったです! RTUが行われたUFC PIのケージはそこまで大きくなくて」

――UFC APEXのケージも、かつてWECで使用されていたサイズのオクタゴンですよね。やはりケージの広さは試合に大きく影響しますか。

「小さいと組む側からすると組みやすくなるし、相手からすれば打撃で詰めやすくもなるので。お互いの良いところ、悪いところに関しては少し影響が出るのかなって思います」

――シャオカンは回って距離を取るタイプではなく、プレスを掛けながら、あの長いリーチとコンパスから打撃を繰り出してくるタイプです。

「蹴りは鞭のように飛んできますよね。蹴りがあるからパンチが飛んでくる。でも、その蹴りをもらうのも私のポジションが悪かったからだと思います。試合中にカットもしていなくて。試合が終わったら足が真っ青になっていて、歩けないぐらいでした。今回はその蹴りももらわないように動かないといけないですね」

――ポジションが悪かったというと?

「前回は左右への動きを徹底することができていませんでした。シャオカンが圧をかけてきた時に、サウスポーの自分は右側に動いてしまったんです。しかも、たまにフワッと動いてしまっていて、相手からすれば打ちやすいポジションにいたと思いますね。今回は一方だけに動くことがないよう、徹底して自分に有利なポジションを取ることを考えています」

――1Rはテイクダウンを奪い、パスにも成功して、相手がブリッジしたらシングルバックまで至った。今回はあの動きを続けることができたら……。

「そうですね。もともと触れば倒せるという感覚はありました。でも倒したあとに、どうしても取り急いでしまう。極めに行こうとしすぎるし、殴ろうとしすぎてしまうんです。そこは自分の良いところでもあるとは思いますけど、今回は焦らずに戦いたいです」

――準決勝は中国でもアジアでもなく、ラスベガスのUFC APEXで行われます。米国で、しかもラスベガスで戦うことについてはいかがですか。

「場所については、特に気にしていないです。PIは設備も整っていましたし、APEXであれば――使用できるかどうかは分からないですけど、いろんな設備が使えたらコンディションは整えやすいだろうとは思います。ただ、ラスベガスには以前、修行で行っていて」

――ABEMA TVの海外武者修行プロジェクトですね。

「はい。UFCに興味を持ち始めた頃にラスベガスで練習させてもらい、APEXでDWCSを見せてもらいました。その時に改めてUFCを目指したくなったので、自分がそのケージで試合をできるのは嬉しいです。そんな場所でシャオカンにリベンジする。優勝候補を倒してUFCに近づくことができれば、自分にとっては最高ですね」

――UFC PIと比べて、APEXのケージはどうですか。

「広すぎるよりは良いです。もちろん相手のプレッシャーを感じる場面もあるとは思います。でもシャオカンが圧をかけてきたら自分が行くんだ、と全てプラスに考えるようにしていますね。『相手のプレッシャーも自分のチャンスに変える』という気持ちで、初対戦の時よりも仕上がって臨むことができると思います」

――なるほど。最後に意地悪な質問かもしれませんが……、『シャオカンも計量失敗しないかなぁ』とは思いませんか。

「いやぁ、さすがにソレはないです(苦笑)。2試合連続の計量失敗で決勝へ行くのは嫌ですね。勝ってUFCとの契約を掴まないと、周りから認めてもらえない気がします。自分はもちろん、シャオカンにもしっかり計量をクリアしてほしい。そこで私がリベンジして、決勝に進みますよ」

■視聴方法(予定)
8月24日(土)
Ep05午前10時~UFC Fight Pass
Ep06午後12時~UFC Fight Pass
Ep05&06午前9時45分~U-NEXT

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