【Special】Fight&Life#104より。ロイヴァル戦決定、平良達郎「向うの攻撃が想定内になることが重要」
【写真】MMAへの透明度が、さらに上がっているように感じた (C)FUMIO KURODA
今月23日(金)に発売されるFight & Life#104のワイド特集「格闘技日本代表」内で平良達郎の巻頭インタビューが掲載される予定だ。UFCフライ級5位の平良は、10月12日に1位のブランドン・ロイヴァルとの一戦が決まった。
Text by Manabu Takashima
平良のUFCへの想いを尋ねたインタビューで、スペースの都合上誌面で掲載できなかった箇所を切り取って、MMAPLANETで公開したい。
──ペレスに勝った直後にはムハマド・モカエフという同い年で無敗同士の対戦というストーリーラインも盛り上がるという話もされていました。しかしUFCはモカエフとの契約を更新せず。モカエフが12月に予定されるアレッシャンドリ・パントージャへのチャレンジャーの有力候補でもあったので、平良選手にその枠が回ってくるかもしれないという話が内々では聞かれていました。
「モカエフがマネル・ケイプ戦で圧倒的な勝ち方をして、彼が次の挑戦者になってもいずれは交わる日が来る。そうなれば僕らの試合は盛り上がるから、モチベーションも高く保てるという心境でした。結果としてモカエフがいなくなり、僕はランク5位だし挑戦者になるのは唐突だなという想いでしたね。
同時にちょっと早いと思いつつ、そうなった時のために準備はしていました。ただ、モカエフとは将来的にオクタゴンで戦える日が来ることを期待しています」
──結果、10月にロイヴァルと戦うことになった。同時に8月18日のUFC305ではカイ・カラフランス×スティーブ・アーセグのタイトルコンテンダー同士の一戦も組まれており(※結果はカイ・カラフランスが勝利)、挑戦権争いのライバルと見て良いかと。
「ロイヴァル戦がなくて12月に挑戦となれば、美味しいという見方はできかと思います。でも、14位の状態で5位の選手と試合ができたわけだし、そこまで都合が良いようには望んでいなかったです(笑)。元々トップ5の選手と戦うには、あと2勝ぐらい必要だと考えていたので。5位になったといっても、ここから上の選手と戦って自分の力を見せることでよりタイトル戦が盛り上がるはずです。
同時にカイ・カラフランスとアーセグの試合の勝者の方が先に挑戦することになるかもしれないですが、ロイヴァル戦は文句なしで挑戦者決定戦の意味合いを含んでいるので、凄く気合いが入っています」
──おおッ!! 力強い言葉です。同時に今のMMAはテイクダウンを軸に攻撃が評価対象になりやすい打撃、スクランブル、攻防になることが少なくなってきた寝技という3つの局面があるなかで、ロイヴァルは寝技の攻防が可能になるファイターで極めが強いです。そういう点でも、過去の試合と比較して対策練習の比重も変わってくるかと思われます。そこで平良選手がフィニッシュを警戒するレベルにある練習パートナーは存在しているのでしょうか。
「なかなか練習相手で下からの極めを積極的に使う人はいないです。柔術家で下からの仕掛けが上手い人を沖縄に呼んで、対策練習をする必要はあります。ロイヴァルにしても他の対戦相手にしても、向うの攻撃が僕のなかで想定内になることが重要で。
できるだけクローズドガードの中に入らない。入るとラバーガードで足が上って来るので、できるだけハーフガードで足を潰すことはイメージしています。それに柔術に関しては、パラエストラ沖縄時代から松根(良太代表)さんに基礎から習ってきているので、やりあえる基盤はあると思っています」
──ロイヴァルは胴と手が長い。そんな印象があります。
「長いですね(笑)。ただ、その手の長さに関連してくるのは寝技の前の打撃の展開、サウスポー対策が先決だと思っています。そこは松根さんと相談して、福田(龍彌)選手にまた沖縄に来てもらうことになっています」
──福田選手とは今年の1月にも一緒に練習をしていますね。
「ハイ。今回は10日から2週間ほど来てくれます」
──福田選手の呼ぶところのセッションとは、毎回斬り合うイメージで練習をする。スパーだけでなく、ミット打ちも真剣勝負という姿勢です。
「福田選手はスネ当てもつけないし、グローブもボクシンググローブでなくMMAグローブです。僕の打撃スパーはソフトな方なので、福田選手との練習は緊張感があります。それでも福田選手も、京都の方で練習をしている時ほどガチではないと思います。とにかく福田選手の話してくれる打撃論が面白くて」
──福田選手から学べることは、どういったモノですか。
「福田選手はスパー中に、本当に隙を見せないです。だからこそ、あれだけ手数を増やすことができる。逆に僕は福田選手の動きを見てしまうんですよね。そうなると、僕の方に隙ができる。福田選手はミットでも何でもMMAをとことんイメージして、練習をすることができる人で。それをスパーリングと上手く連動させているから、積み上げてきている部分が凄いです。福田さんとは新鮮な気持ちで練習できます」
■「UFCで戦っていると、選手の体調を気遣ってくれるので長く現役生活を送ることできる」、「相手の嫌がることを選択していくことが一番大切」、「1位のロイヴァルに勝ってタイトルに挑戦しようとすることは間違ったことをやっているわけじゃない。納得して歩んでいる道」。なぜ、UFCなのか。MMAという戦いの本質。朝倉海×パントージャ戦の噂──等々への問いに関して、平良達郎の人間性が伝わってくるインタビューが掲載されたFight&Life Vol.104は8月23日(金)の発売です。