【DWCS S08 Ep01】クリンチ多用のティン・ワンに、スクランブル発進のハメドは判定勝ちも打撃は不発
【写真】殴ってクリンチを繰り返したティン・ワン。そこに付き合って、組では突破口がなかったハメド(C)Zuffa/UFC
<ウェルター級/5分3R>
ラミ・ハメド(レバノン)
Def.3-0:30-27.29-27.29-27
ティン・ワン(中国)
フロリダ在住のレバノン人ファイターのハメドは、去年のDWCSを負傷欠場し、1週間のショートノーティスで仕切り直しのチャレンジとなる。対するティン・ワンも10カ月振りのファイトだ。まず左インローを蹴ったティン・ワンに対し、ハメドは右ハイを蹴っていく。遠めの距離で間合いを測る両者、スイッチしたハメドが左ストレートを伸ばしてからインローを蹴る。ポイント空手の踏み込みに、カウンターは当たらなかったティン・ワンがクリンチへ。ここでティン・ワンのヒザが急所に当たり、スタンドで試合は仕切り直しとなる。
頭が当たるステップインから、組んだティン・ワンだがテイクダウンは奪えない。ボディからまたも組んだティン・ワン。ハメドはクリンチでヒザを顔面に突き上げる。離れたハメドがワンツー、左アッパーを狙う。ティン・ワンは腹を殴って組みつくが、離れ際に左を被弾する。最後の10秒の打撃戦も、クリーンヒットはなかった。
2R、「パンチから組んでくるだけだ。リラックスして戦え」という指示を受けたハメドは、左ローを蹴られ構えを変える。小刻みに前手が変わるハメドに対し、ティン・ワンがスピニングバックキックで腹を狙う。ハメドは組まれないために回り、カウンター狙いから内回しの蹴りを繰り出す。ティン・ワンはやはりパンチを見せてクリンチへ。そして、自ら離れる。ティン・ワンのカーフに左を合わせようとしたハメドだが、当たりは浅い。クリンチでのヒザに急所だと意思表示をしたハメド。レフェリーは「ノー」と試合続行を指示する。
これで潮目が変わったか、圧を高めたティン・ワンのパンチにハメドも足を止めて拳で対抗する。ハメドは左ミドルを決めて、リズムを取り戻し左を伸ばす。2発目をかわしたティン・ワンが、組んでボディロック&小外刈りでテイクダウンに成功。そのままサイドで抑えた直後に時間となった。
最終回、ワンツーで前に出るティン・ワン。右に回るハメドにスピニングバックキックを繰り出す。右ストレートから右ミドルを決めたティン・ワンは、フィニッシュ狙いに完全に舵を切ったか。回ってかわしていては、勝っても契約は難しいハメドもカウンターで右を当てる。ティン・ワンのミドル狙いは、急所の上に入り試合が中断する。
再開後、左を入れたハメドは、右ハイを放つ。「来い」とアピールするティン・ワンは、自分から距離を詰めることができない。と、ハメドの左の蹴りにティン・ワンの右ローが急所を直撃し1P減点に。90秒後に再開に応じたハメドは左に回りインローを蹴る。ティン・ワンは組むが、ハメドが差し返して離れる。ティン・ワンはボディショット、右ミドルと腹を攻めるも残り2分を切っているのにクリンチを選択する。ハメドが離れてサークリング、ティン・ワンが組んでいく。
間合いを取り直し、ボディを打ち合った両者。ティン・ワンはここでもクリンチを選択する。ヒジから左右のフックを見せたハメドだが、タイムアップに厳しい表情を見せ――判定勝ちにも、「ダナ、もう少し準備期間をくれ。そうすれば最高のストライカーの姿を見せる」と話した。