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【ONE FN24】マムーディとランカー対決へ、内藤大樹「分かりやすい形で勝ち切ることが自分の課題」

【写真】ONEで戦い続けるファイターとしてのプライドも言葉にした内藤だった(C)TAKUMI NAKAMURA

3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、内藤大樹がエリアス・マムーディとキックボクシングルールで対戦する。
Text by Takumi Nakamura

武尊の参戦で一気に注目を集めることになったONEのフライ級キックボクシング。内藤は2019年からONEの舞台で戦い、王者スーパーレック、ロッタン、武尊に続いてランキング3位に名を連ねている。今回は日本でも活躍したマムーディとの対戦となり、この試合を通して内藤は自分の存在をアピールしたいと語った。


──計量前のインタビューありがとうございます。試合に向けた調整・コンディションはいかがですか。

「コンディションはいつも通り良いかなっていう感じで準備できています」

──前回のデッドゥアンレック・ティーデ99とのリマッチは内藤選手のロー×デッドゥアンレックのミドルという攻防の末に、内藤選手が判定で敗れるという結果でした。あの試合を振り返ってもらえますか。

「自分的にはキックボクシングルールだったこともあって、手応えはあったんですけど、それでもやはり相手のミドルキックの印象の方が強いのかなというのがあって。一番は1回でもダウンを取れていれば間違いないと思ったので、そこは切り替えて自分の課題である倒し切るとか、そっちをレベルアップした方がいいなと思いました」

──内藤選手はキック・ムエタイの両ルールで試合をしていますが、相手を倒す・明確なダメージを与えるという根本的なところを伸ばさないといけないと感じていますか。

「そうですね。自分はテクニック的なところを見せられていると思うので、あとはその中でしっかり誰が見てもわかりやすい形で勝ち切ることが自分の課題だと思っています」

──3分3Rの短期勝負で明確に差を付ける難しさも感じますか。

「やっぱりレベルの高い者同士の戦いで、特に相手がムエタイのトップ選手だったりすると、なかなか倒し切るのは難しい部分だと思います。でもやっぱりそこを突き詰めていかないといけないし、自分も倒せるパワーはあると思っているんで、あとは本番で早く出したいなと思いますね」

──ONEのムエタイルールは、それまでのムエタイとは違ってアグレッシブな試合試合になることが多いですが、そこにしっかりアジャストするタイ人の強さを感じることもあります。

「タイ人×タイ人の試合だとあまり出ないかもしれませんが、タイ人が外国人選手とやる時に、そういう部分が目立つというか。よりタイ人は外国人選手に負けたくない気持ちがあると思うし、本当に全てを使って勝ちに来る印象はありますね」

──そして今大会ではキックルールでエリアス・マムーディと対戦することになりました。

「相手がマムーディという世界的にも名前のある選手になって、そういう選手に分かりやすい形で勝つことができれば、タイトル戦線に一気に駆け上がることが出来ると思っているので、しっかり今回は結果でアピールしたいと思っています」

──ランキング的には内藤選手の方が上位ですが、チャレンジするという意識ですか。

「そうですね。ぶっちゃけランキングが上とか下とか、このONEのランキングに入っている時点で、あんまり順位は関係ない、みんな横一線だと思っているので、今回は本当に自分が挑戦に行くつもりで、彼をしっかり超えたいなと思っています」

──ファイトスタイル的な部分でのマムーディの印象はいかがでしょうか。

「ガンガン来る選手で、試合後半のことを考えていないぐらい飛ばしてくる印象があります。マムーディのことはK-1に出ていた時から見ていたんですけど、当時から強い選手でアグレッシブな印象があって、今もそのままの印象ですね」

──攻撃力や勢いで9分間乗り切ってしまうスタイルですよね。

「そうですね。最初から全力を出して、最後はフラフラになるけど、出し切るみたいなタイプだと思います」

──そういうタイプだからこそ突ける穴や攻略できるポイントもあると思うのですが、勝つイメージはできてますか。

「今回もガーッ!とくると思うんで、その勢いに飲まれないように戦うことが頭にありますし、その中でもしっかり隙間隙間細かいところだと思うんですけど、そこを狙っていきたいなと思っています」

──今回の試合前に武尊選手の次戦も発表され、ONEの立ち技が日本でも盛り上がっています。内藤選手はこの状況をどう捉えていますか。

「武尊選手や野杁(正明)選手のような日本のスター選手たちがONEに参戦してきていますし、改めてONEは本当に世界で一番の強さを求める選手たちが集まってきている、立ち技に関してはどこの団体よりも世界一だと胸を張って言えるレベルだと思っています」

──その一方で内藤選手のなかには、ずっとONEで闘い続けているファイターとしての意地やプライドもありますか。

「そうですね。そうやって日本で有名な選手たちがONEに入ってきている中で、自分はONEで2019年から戦っていますし、自分も世界の強豪の1人として新しい選手たちを迎えて、その上で勝っていきたいという気持ちはあります。ONEで戦い続けているプライドというか、新しくきた選手に簡単に上に行かせてたまるかという気持ちは常に持っています」

──フライ級のキックボクシングはスーパーレック、ロッタン、武尊選手がトップ3という状況ですが、この試合をクリアしてそこに割って入りたいですか。

「ランキング的にも自分の上にその3人がいて、強敵ですけど、しっかりまずここをクリアして、先に繋がる戦いをしたいなと常に思っています」

──見ている人たちに「内藤大樹がいることを忘れるなよ!」と思いますか。

「はい。僕はかなり負けず嫌いなんで、そう思いますよね。上の3人が取り上げられがちになっていますけど、別にそこと比べても全然負けないと思っているし、思うところはたくさんあります」

──そういう意味でも日本でも認知度があるマムーディとの試合は内藤選手のことをアピールするうえで大きな試合だと思います。

「僕もそういう捉え方をしています。当時K-1を見ていた日本のファンの方たちも、マムーディのことはONEに行っても知っているだろうし、その中で年月が経って、マムーディがより強くなっていることも知られていると思います。オファーをもらった時から自分をよりアピールしやすい相手だなと思っています」

──そこも含めて、どんな試合を見せたいですか。

「前回の試合は、自分もそうだったんですけど、若干見ている人たちにモヤモヤさせてしまったと思います。今回はマムーディという分かりやすくガンガン来てくれる相手に、自分も分かりやすい結果で返したいなと思っているので、その辺りを期待してもらって見ていただけたらなと思っています。今回は次に行くためにもきっちり勝ちたいと思っています」

■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN24対戦カード

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)

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