【ONE FF62】ファビオ・ハラダのONE FF初陣。対するは草原のスクランブラー=バットオチル
【写真】日系ブラジリアン×モンゴル、楽しみな顔合わせだ(C)MMAPLANET
10日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fights62にファビオ・ハラダが出場し、モンゴルのバットオチル・バットサイハンと対戦する。
Text by Manabu Takashima
2021年7月のプロデビュー以来、全6試合をNEXUSで戦ってきたハラダは3月27日に自身のSNSでONEとの契約を明らかとしていた。
群馬の名門柔術アカデミー、INFIGHT JAPANの茶帯であると同時に完全なMMA志向でもともとはムエタイから格闘技を始めたハラダは殴って、蹴って、極めることができるファイターだ。
2月に行われた直近の試合=宮平守太郎戦は僅か16秒でKO勝ちしている。ビッグステージを目指していたハラダが、ONE FFという海外の舞台を選び、さらなるステップアップを狙う。そんな彼のONE FF初戦の相手となったバットオチルは、昨年12月にGLADIATORに来日しており、中川皓貴を相手に29-28×3と競り勝っている。
その中川戦がプロ4戦目だったバットオチルは、モンゴルで過去に1度だけ開催されたIMMAFの大会で優勝し、大学在学中にタイガームエタイでの練習も経験、プロデビューを果たした。
実はバットオチルにとって、今回のONE FF参戦はONE本戦との契約を賭けた2度目のチャレンジだ。2022年にモンゴルで実施されたRoad to ONE Mongoliaに参戦した彼はスパーリング形式(シンガードを装着しての非公式戦)でテムーレン・アルギルマー、ガントグトフ・バートルチョローンを下して決勝進出を果たしている。
フェザー級契約で、実質バンタム級のモンゴルMMA界のトップファイターを退けたバットオチルだが、公式戦扱いとなった決勝戦でエンフオルギルバートルフーに敗れ、ONEとの契約を逃した。結果的に勝者もONE FFからの出場となったが、2連勝後にONE本戦に出場してラカイの御曹司=ジャンロ・サンジャオを下すなど、今では本戦で活躍しており、バットオチルとしても「今度こそ」という気持ちが強いに違いない。
バットオチルはモンゴル人ファイター特有のフィジカルの強さを全面に打ち出すスタイルではないが、やはりここ一番のテイクダウン能力は高い。とはいえハラダにとっては、テイクダウンをされてもそこは自分のフィールド。
下からの極め以上に巧みなスイープでトップ奪取を狙えるであろう。
トップになったハラダの到達点はバック奪取と、RNC。対して、中川との試合を見る限り──バットオチルはスタンドバックでの防御能力はままある。
それでも柔道、サンボ、レスリングと比較して発展中ではあるが、まだ競争力という部分で一枚劣るモンゴルの土壌で育ったバットオチルに対し、ハラダは打のある柔術で勝負することで勝利に近づける可能性は高い。
と同時に極めでなくトップ奪取からの攻撃となると、スクランブル&体力勝負でバットオチルが優位という見方もできる。ハラダにとって体力的に、バットオチルにとって技術的に初遭遇となるといっても過言でないマッチアップ。
自分の強さと、そうでない局面での防御力が問われる一戦は、─国内MMA×アジアのMMAという見方をすると、なおさら興味深い戦いとなる。
■放送予定
5月10日(金・日本時間)
午後9時15分~U-NEXT