【UAEW50】藤田大和が50回記念大会で、イアゴ・ヒベイロとUAE Warriorsフライ級王座決定戦
5日(日・現地時間)、UAEWより17日(金・同)にUAEはアブダビのADNECマリーナ・ホールで開催されるUAE Warriors50で藤田大和がイアゴ・ヒベイロとUAEWフライ級王座決定戦で戦うことが発表されている。
Text by Manabu Takashima
前日の16日(木・同)にUAE Warriors49「Arabia vs Africa」が同地に開かれ、恒例となった連日イベントで遂に藤田が砂漠のMMAワールドで頂点に挑む。
去年の8月にフィルカデベク・ヤクボフ、そして10月にサンスハル・アディロフを相手にギロチンで連続一本勝ちを飾った藤田は、今や日本勢の天敵といっても過言でない中央アジア勢=ウズベキスタン&カザフスタン人ファイターを、中東での茨の道で破るという圧倒的な存在感を示している。
そして、UAEWはついにフライ級王座を新設し今度はブラジル人ファイターと相対する。いってみればUAEと中央アジア勢はムスリム連合、またADCCが活動を始めた四半世紀前以上から柔術を熱心に取り入れたアブダビという街は、ブラジル人にとってもホームという感覚がある。
つまり藤田はアウェイの地でベルトに挑むわけだが、ここ2試合での勝利でUAEW首脳の彼の評価は相当に高い。ヒベイロはキャリア12勝3敗ながらUAEWでは戦績1勝0敗&判定勝ちで、藤田の方が上位にあるといっても過言でない。
なお、ヒベイロは昨年12月のNAIZA FC55でザルガス・ズマグロフと対戦予定だったが、欠場しマサト・ナカムラが代替出場を果たしている。
閑話休題。そのヒベイロ、12勝のうち5試合がKO勝ちで2つの一本勝ちをしているが、UAEWでは元Titan FCフライ級王者──ONEで活躍中のグスタボ・バラルトをヒザ蹴りでKOしている──フアン・プエルタ戦は、その多くの時間をケージに押し込むことに費やしていた。
リーチで優るプエルタをして、しっかりとワキを差してケージに押し込み続け、自らも削られながらプエルタを削り、結果的にテイクダウンに結びつけて29-28を3票集めた。他の試合では対戦相手の実力が掴みづらいが、プエルタよりもリーチの短い相手にはもっと簡単にテイクダウンを奪い、トップコントロールできている。
加えてスクランブルでバック、抑えて肩固めという動きも見せているヒベイロだけに、藤田としては一旦ケージまでドライブしてからのテイクダウンは最も警戒が必要になってくる。
ヒベイロの動きは決してスピードがあるようではなく、打撃戦もテクニカルではない。スピードでは絶対的に藤田が上だろう。とはいえ、その圧力は実際に対峙してみないと分からないのがMMAだ。何より、UAEWからスカウティングされたブラジル人ファイターがやわなわけがない。
それでも今の藤田なら、テイクダウンを恐れずに前足を削り、近い距離でパンチの応酬に持ち込める可能性が十分にある。ヒベイロのタイミングでなく、打撃の圧に嫌がって組みつかせることになれば、カウンターでのギロチン&王座奪回、そんなシーンが多いに期待される藤田大和のUAEWフライ級タイトルマッチだ。