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【Pancrase Blood01】原点はヒョードル、兄とのMMAごっこ…三宅輝砂「自分を解放して戦いたい」

【写真】本人も言うワンランク上の相手との戦いを見据えた結果と内容を残せるか(C)MMAPLANET

明日18日(日)、大阪市住吉区の住吉区民センターで開催されるPancrase Blood01で、三宅輝砂が名田英平と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

三宅は2021年のネオブラッド・トーナメント フェザー級で優勝。それ以降はランカーと鎬を削り、白星と黒星を交互に繰り返している。今回は連勝をかけて、ランキング8位の名田と対戦する。格闘技のバックボーンは兄と夢中になったMMAごっこ、「ベルトも欲しいけど自分が強くなることが目標」と語る三宅がどんなファイターかに迫った。


――MMAPLANET初登場の三宅選手です。今回は三宅選手の経歴から聞かせてください。格闘技を始めたきっかけはなんですか。

「もともと兄ちゃんが空手をやっていて、自分もそれについていく形で小2の時に空手を始めました。空手はすぐにやめちゃったんですけど、戦うのは好きで兄ちゃんと家で格闘技の真似事みたいなことはずっと続けていたんです。それで中2の時に兄ちゃんにエメリヤーエンコ・ヒョードルの動画を見せられて、これはやばい!と思ってMMAに興味が生まれて。ちょうど高校生の時に近所にサンボを教えてくれる道場があって、ヒョードルもサンボ出身だから自分もサンボをやろうと思って週1ペースで通っていたんです。そのうちに真剣にMMAをやりたくなって志村道場に入門しました」

――格闘技の真似事をしていたということですが、喧嘩が好きとか不良だったわけではないんですよね。

「はい。悪かったわけではなくて、取っ組み合いが好きみたいな感じです」

――ちなみにその取っ組み合いはどんなレベルのものだったのですか。

「見よう見まねで打撃も寝技もやっていましたね」

――まさにMMAごっこをやっていたわけですね。

「格闘技のことが分からないなりに、それっぽいことはやっていて、マウントをとられたらTKシザーズで返したりしてました(笑)。だからなんとなくMMAっぽい動きは出来たけど、細かい部分は分かっていないみたいな感じでした」

――一番好きだったのはヒョードルですか。

「そうですね。アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ戦もそうだし、ヒョードルのことはめちゃくちゃ好きでした」

――こうしてお話を聞いているとお兄さんの影響が大きいようですね。お兄さんも格闘技をやっていたのですか。

「兄ちゃんは僕が小学生の頃に志村道場でキックボクシングをやっていて、途中で辞めちゃったんですよね。それで僕がMMAをやりたいとなった時にお兄ちゃんも通っていたということで志村道場に入ったんです。だから空手以外で一緒に格闘技を習っていた時期はないですね」

――入門当初からプロを目指していたのですか。

「全くそれは考えてなくて、ただMMAの練習を好きで続けていたら、アマチュアの試合に出るようになって、自然にプロになって…という感じです」

――志村道場からZOOMERに移籍したのはなぜですか。

「志村道場から祖根(寿麻)さんが独立されることになって、僕もZOOMERに移籍することになりました。所属は変わりましたが、今でも春日井たけしさんとは一緒に練習させてもらっています」

――今回の試合に向けてはどんな練習をしてきましたか。

「月~金は2部練で、土は午前にMMAの練習を1回という感じです。今回は透暉鷹さんが所属しているISHITSUNA MMAにも練習に行かせてもらっていて、K-1やKrushで試合をしていた松岡(翔大)くんと一緒に練習しました。松岡くんはめちゃくちゃ打撃が強いんで、試合のための打撃に慣れて…という感じです。あとはK-1に出ているアビラル(ヒマラヤン・チーター)とも2回くらい練習しました」

――かなり打撃を強化していますが、なぜ打撃に力を入れるようになったのですか。

「もう一つ上のレベルの選手と戦っていきたくて、打撃を伸ばさないといけないと思いました。そのための練習としても打撃専門の強い選手たちと練習して。今のまま同じことをやっていても成長できない部分もあるので、自分より強い人たちと練習して課題を見つけようと思ってやっています」

――過去のキャリアで言うと2022年にプロ9戦目で田村一聖選手と対戦して敗れました。あの試合は大きな経験だったと思うのですが、どんなことを学びましたか。

「僕よりベテランの選手は冷静だなと思いました。作戦もしっかり練っていますし、そこに差があったかなと思います。自分は思いっきり練習して、それを出せばいいという感じだったので、もっと考えて練習しないといけないなと思いました」

――対戦相手の名田選手の印象を聞かせてください。

「打撃も寝技も何でもできる選手で、どちらでも一発を持っている怖さがある選手だなと思っています」

――昨年11月の櫻井裕康戦に続いて連勝がかかる試合ですが、どんな試合を見せたいですか。

「さっきの作戦の話とは少し矛盾するかもしれませんが、もっと本能的に戦うことが理想です。性格的に憶病な部分があるので、もうちょっと自分を解放して野性的に戦いたいです。試合になると気持ちがはじけきれてないというか、試合を楽しめていないので、楽しんで試合をしたいというか。戦うことは好きなので、そこでもっとアドレナリンを出せるようになりたいです」

――三宅選手はランキング7位ですが、ここからの目標を聞かせてください。

「パンクラスに出ている以上、パンクラスでベルトを獲りたいですし、RIZINのような大きな舞台に出たいです。でも僕の場合は自分のどのくらい強くなれるかに興味があるので、面白くない答えかもしれませんが、強くなることが目標です」

――明日の試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「名田選手次第ですけど、展開の多い面白い試合をしたいです」


■視聴方法(予定)
2月19日(日)
午後2時~ U-NEXT

■Pancrase Blood01計量結果

<フライ級/5分3R>
秋葉太樹:57.15キロ
松井斗輝:63.95キロ
※松井がフライ級のリミットを約6.8キロオーバー。試合可能な許容範囲5ポンド(2.26キロ)以上のため試合中止

<フェザー級/5分3R>
三宅輝砂:66.25キロ
名田英平:66.25キロ

<ライト級/5分3R>
葛西和希:70.70キロ
木村俊也:70.25キロ

<ストロー級/5分3R>
若林耕平:52.45キロ
高島俊哉:52.55キロ

<フェザー級/5分3R>
中村晃司:65.90キロ
岩本達彦:66.15キロ

■第30回ネオブラッドトーナメント

<ライト級/5分3R>  
上田智大:69.95キロ
原田直人:70.20キロ

<フェザー級/5分3R>
山中大門:65.00キロ
敢流:65.60キロ

<フライ級/5分3R>
今井健斗:57.05キロ
岸田宙大:56.75キロ

<ストロー級/5分3R>
織部修也:52.65キロ
秋吉拓史:52.40キロ

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