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【Grachan67】勝った立場のダイレクトリマッチ=タイトル挑戦、TSUNE「全部潰しに行こうと」

【写真】やるべきことは同じで、ラウンド数が増えた再戦(C)TAKUMI NAKAMURA

4日(日)大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan67で、TSUNEがバンタム級王者・手塚基伸に挑戦する。
Text by Takumi Nakamura

パンクラスを主戦場に戦ってきたTSUNEは昨年10月にグラチャン初参戦。ノンタイトル戦で手塚に判定勝利すると、ダイレクトリマッチでの王座挑戦が決まった。ノンタイトル戦=5分2Rでは手塚の仕掛けをつぶして競り勝ったTSUNEだが、今回はタイトル戦のため5分3R制。この1Rの違いは間違いなく試合展開に影響を及ぼすだろう。ダイレクトリマッチ&王座戦という新たなシチュエーションでベルトに挑むTSUNEに話を訊いた。


――試合直前のインタビューありがとうございます(※取材は1日に行われた)。グラチャン2戦目でタイトル挑戦が決まりました。タイトル戦が決まった時の心境から聞かせてください。

「ずっと自分はパンクラスに出ていて、今回タイトル戦を組んでもらって、本当にありがたい話しをいただいたなと思います」

――昨年10月のグラチャン初参戦で手塚選手にノンタイトル戦で勝利。この勝利が評価されて、ダイレクトリマッチでのタイトル挑戦に繋がったと思いますが、こんなにすぐチャンスが来たことは意外でしたか。

「パンクラスでタイトルが取れなくて(2022年12月にバンタム級暫定王座決定戦に臨むも田嶋椋にTKO負け)、これからどうしようと思っているときにグラチャンからオファーをもらって、すぐにチャンスが来たので意外と言えば意外ですね」

――前回の手塚戦はグラウンドの攻防が主で、テイクダウン&トップキープでTSUNE選手が有利に試合を進めました。あの試合を振り返っていただけますか。

「手塚選手は予想通りに寝技が強かったですし、試合前のインタビューでもお話させてもらった通り、以前手塚選手には指導してもらっていた時期があって、その時はムチャクチャ強くて何も出来なかったんです。だから今回もすごく警戒はしていたんですけど、それなりに戦えたかなと思います」

――かつての自分の先生と試合をするという部分で、気持ち的に臆するところはなかったですか。

「僕も年齢とキャリアを重ねて、自分がどこまでやれるかだと思って戦っているので、それはなかったです」

――また前回の対戦ではTSUNE選手が自分の強みをぶつけて競り勝った勝利に見えました。そういった試合をしようと意識していた部分はありますか。

「今までも相手に合わせていいことはなかったので、相手関係なく自分がやるべきことをやろうと思って戦いました」

――組み技の攻防は手塚選手の強い部分でもありますが、どこでいけると思いましたか。

「自分としてはそういう感覚はなくて。手塚選手はどんなところからでも極めを狙ってくるので『ここで(極めを狙って)くるんだ?』と思いながらやっていました。そのなかでも冷静には戦えていたかなと思います」

――では5分2R、気が抜けない試合でしたか。

「そうです。みんなそこで根負けして一本取られるのかなと思いました」

――今回はタイトルマッチなので5分3Rで行われます。5分2Rでは競り勝てたとしても、3Rになるともう一つ試合展開にも山が来ると思います。

「僕も同じことを思っていて、5分3Rやりきるつもりで作ってきたんですけど、絶対に自分が苦しい展開もあると思っているので、つまらなくてもいいので全部潰しに行こうと思って戦います」

――ダイレクトリマッチで同じ相手と対戦したことはこれまでありましたか。

「ないんですよ。しかも勝った相手とダイレクトリマッチなので、これはこれで難しいなと」

――そのうえでどのような準備を?

「やっぱり3R動けることと、結局は寝技になると思うので、そこを強化してきました」

――練習に関しては新しいことを取り入れるというよりも、リバーサルジム新宿 Me,Weでこれまでやってきたことをさらに練り上げるイメージですか。

「はい。うちのメンバーは全員寝技が強いので、そこに必死についていく感じです。練習仲間の方が強いと思って今回もやっています」

――TSUNE選手の技術が上がると周りも同じようにレベルアップしているというイメージですか。

「みんなスタミナもあってフィジカルも強いし、僕が攻められるようになっても、それにすぐ対応してくるので……何とか頑張っています(苦笑)」

――Me,Weには色々なタイプの選手がいるので「仮想~~」という練習ができそうですね。

「打撃、寝技、レスリング…それぞれ強い選手がいるんで、練習は助かりますね」

――パンクラスではベルトを巻くことが出来ませんでしたが、今はベルトというものに対て想い?

「ベルトは結果的についてくるくらいの意識でいるのがいいのかなと思います。今思うとパンクラスでタイトルマッチをやった時は最初からベルトのことを意識しすぎていたと思うので、今回はしっかり5分3Rやりきる。そこを一番に考えています」

――パンクラスのタイトル戦=田嶋椋戦は1・2RをTSUNE選手がポイントを取るも最終的に逆転負けする流れでしたが、勝負を急いだ部分もあったのでしょうか。

「あの時はほんと少しなんですけど、1Rに『勝ったな』と思ってしまったところがあったし、それが最終的に悪い方向に出てしまいました(苦笑)。(ベルトを)意識しちゃうとずっと意識しちゃうと思うので、今回は『楽をしない』をテーマにやります」

――キツい・しんどいことをやるものだと思ってケージに上がる、と。

「はい。ジムのみんなはそうやって勝ってきているので、僕も同じですね」

――見ている人たちに対して、どのような試合を見せたいですか。

「打撃でも寝技でも仕留められれば仕留めたいですが、あらゆるポジションで相手を上回りたいと思っています。見ていてつまらないことかもしれませんが、最後に僕の手が上がっていることで喜ぶ人もいるので勝ちに行きます」

――先ほどもあったように「つまらなくてもいいので全部潰しに行く」試合ですね。

「そうですね。今回は挑戦者なので自分から攻めていきたいですし、そこは自分との戦いになると思います」

――2024年最初の試合でもありますが、これからキャリアアップの青写真はどのように描いていますか。

「色々と考えたところでベルトを獲る・獲らないで変わると思うので、まずはしっかりベルトを獲ることですね。パンクラスでベルトを獲れなくて、真っ白になっていたところでいただいたチャンスでもあるので、今はグラチャンのベルトを巻くことが一番です」

――グラチャンからのオファーがTSUNE選手にとっては新たな目標になっているようですね。

「はい。しかも(グラチャンに出ることが決まった時に)パンクラスからも快く『チャンピオンになって帰ってきてください』と言っていただけたので、パンクラスにも恩義があるし、そういう意味でもこのベルトは獲りたいです」

――ベルトを巻くことで新しい何かが開けそうですね。

「これからたくさん試合できるキャリアではないので、一戦一戦で自分の全力を出して戦います」


■視聴方法(予定)
2月4日(日)
午後0時30分~ GRACHAN放送局

■ Grahan67対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]手塚基伸(日本)
[挑戦者]TSUNE(日本)

<Grachanフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]松場貴志(日本)
[挑戦者]御代川敏志(日本)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
林”RICE”陽太(日本)
大道翔貴(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
徳弘拓馬(日本)
南友之輔(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
八木匠(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
今村豊(日本)
堀之内蒼斗(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
有田一貴(日本)
秋田良隆(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
村上晴紀(日本)
木下竜馬(日本)

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