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【NAIZA FC56】あのユ・スヨンが、圧負け。アマンゲルジ、恐怖の反応力と冷静さでバンタム級王座奪取

速報で追い切れなかった試合をお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。

ここでは12月21日(木・現地時間)にカザフスタンのアルマトイはアルマトイ・アリーナで開催されたNAIZA FC56からNAIZA FCバンタム級選手権試合の模様をお届けしたい。

<NAIZA FCバンタム級選手権試合/5分5R>
ダスタン・アマンゲルジ(カザフスタン)
Def.3R4分56秒by TKO
ユ・スヨン(韓国)

DEEP、Black Combat、そしてNAIZA FCのバンタム級三冠王者ユ・スヨンにとって昨年9月の王座奪取以来1年4カ月振りのカザフスタンの試合で、王座初防衛戦となった一戦。挑戦者のアマンゲルジはキャリア6勝1敗、全ての試合をNAIZAで戦ってきた生え抜きファイターだ。

オーソ同士、ジャブで様子見の両者。ユ・スヨンがスイッチし、すぐに戻す。そのユ・スヨンは左ハイから右ロー、右カーフを蹴られた直後に左フックを決める。両手をキャンバスについたアマンゲルジは、すぐに臨戦態勢に戻るとユ・スヨンがテイクダウンを狙う。

ダブルレッグを切り返しに掛かったアマンゲルジは、すかされてもバックを許さず打撃の間合いに戻す。アマンゲルジは右から左を決め、さらに細かいパンチを纏める。そのアマンゲルジの左を避けて、パンチを返すユ・スヨンだがパンチで圧をかけられた状態が続く。左リードフックの打ち合いでも、確実にヒットさせたアマンゲルジがダブルレッグへ。切ったユ・スヨンにヒザ蹴りを狙う。ユ・スヨンはパンチを被弾しても攻めの姿勢を崩さず、スイッチしたアマンゲルジにスイッチで対抗し右ハイを狙う。右ストレートを伸ばしたアマンゲルジが、直後にダブルレッグからバックへ。ユ・スヨンがキムラロックから後方に引き込んだところで初回が終わった。

2R、右を当てたユ・スヨン。続く左を打つときに、アマンゲルジはステップで間合いを外している。右から左を被弾し動きが一瞬止まったユ・スヨンに対し、アマンゲルジがラッシュをかけることなく間合いを取り直す。圧負けするユ・スヨンは、ここで左ローを急所に受けて悶絶。再開後、ケージを背負って回るシーンが増えたユ・スヨンが左を被弾して姿勢を乱す。

ユ・スヨンはローに右を合わせにいき、組みも交えて反撃を試みるがアマンゲルジは右を当てて距離を詰める。ここから強力な右カーフを蹴ったアマンゲルジだが、ユ・スヨンの右を被弾し再びマットに手をつく。それでもすぐに起き上り、カーフから拳で圧をかけるアマンゲルジが右ストレートをヒット。ユ・スヨンも右を当て右ミドル、キャッチしたアマンゲルジがリリースして打撃戦のなかで前蹴りを駆使して、自分の距離を創っていく。ワンツーをかわしたユ・スヨンだがカーフで姿勢が乱れ、押されながらも引かないファイトでパンチを当てるという展開で序盤の2Rを戦い終えた。

3R、カーフから構えを変えて拳を伸ばすアマンゲルジに対し、ユ・スヨンは見る時間が長くダブルレッグを失敗し、腕を取られそうになる。立ち上がってもアマンゲルジの圧に懸かったままのユ・スヨン──左右に動くが攻撃に転じることはできない。アマンゲルジは右ボディストレートを当てると、右を振ってシングルレッグへ。ウィザーのユ・スヨンに左のパンチを当てるアマンゲルジは、跳びつき十字からのガードも落ち着いて対処してトップを取る。力強いパウンドを落としたアマンゲルジが腕十字には、腕を抜いて防御。ユ・スヨンは、アマンゲルジの重心が後ろになったところで立ち上がる。

アマンゲルジは素晴らしい反応を見せ、右をヒットさせるとユ・スヨンは背中を見せて、後方から殴られる。ヒザを腿に入れるアマンゲルジは左蹴りから、右フック。さらに左ボディフックを2発決める。このボディで動きが完全に止まったユ・スヨンだが、アマンゲルジはここも慎重に圧をかけてカーフを蹴る。

ユ・スヨンは左右にケージの前を回るが、ボディを2発受け三日月も蹴られる。それでも右フックから右ミドルを返したユ・スヨンだったが、ボディ、ロー左フック、左ミドルと適格な攻撃を受ける。力のこもったボディフック、右フックを打ち込んだアマンゲルジは、ユ・スヨンの右をしっかりと外して右ボディ、左、右エルボーを打ち込む。続く左ボディで倒れたユ・スヨンは背中を向け、パウンドを連打されTKO負けでベルトを失った。

日韓で飛びぬけた強さを見せつけたユ・スヨンの完敗──組みの打撃のラグがなく、仕留めに掛かる時も冷静に攻撃を被弾しないアマンゲルジによるカザフスタン、中央アジアの強さを見せつける王座奪取劇だった。


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