この星の格闘技を追いかける

【NAIZA FC55】いよいよ明日、福田龍彌がTD&フロント系チョークの完成形=エレンガイポフに挑戦

【写真】カザフと日本の交流が始まるのか──パンドラの箱を福田が開けに掛かる(C) NAIZA FC

明日6日(水・現地時間)、カザフスタンのアスタナにあるバリス・アリーナでNAIZA FC55が開催され福田龍彌が同プロモーションのフライ級王者ジアス・エレンガイポフに挑戦する。
Text by Manabu Takashima

北米のNHLに次ぎ、世界第2のアイスホッケーリーグとされているKHL(コンチネンタル・ホッケーリーグ=カザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ラトビア、フィンランド、スロバキア、中国のチームが所属。※ウクライナ紛争によりラトビアとフィンランドのチームは撤退)に参加中のアスタナ・バリスの本拠地で、1万2000人に及ぶキャパを誇る大会場の舞台に福田がいよいよ立つ。


王者エレンガイポフはキャリア14勝3敗、今年の3月にウズベキスタン人前王者のラジスコン・ウズベコフを4 Rに入エルボー・ギロチンで仕留めベルトを巻いている。

日本では無名のエレンガイポフだが、相当に強い。スイッチヒッター、パンチは粗めだが鋭いミドルキックを持ち、何といってもそのテイクダウン能力の高さは脅威となるだろう。シングル、ダブル、リフトしてスラム系のテイクダウンをケージに有無に限らず決める。

テイクダウンの強さはMMAでなく、グラップリングでカイラット・アクメトフと五分にやり合っており、その強さの度合が伺えるというもの。シングルを切られてバックを許し、スナップバックで背中をつかされ0-2で敗れてはいるが、スタンドではより積極的に動いていたのはエレンガイポフだった。

加えてエレンガイポスの代名詞はハイエルボー、マルセロチン、アナコンダらのフロント系のチョークで、スクランブル、テイクダウン狙いのズバッと合わせてくる。

福田は組みを切って打撃戦、打撃戦の空気を創りながら組み技に移行できるウェルラウンダーだが、過去の対戦相手でエレンガイポフほどのテイクダウン力を持つ相手はいなかっただろう。

いや、山本アーセンであればエレンガイポフに匹敵するレスリング力を誇っているかもしれないが、9月の試合でアーセンは拳の届く距離での打撃戦に拘り続けていた。何よりエレンガイポフは、あの拳が互いに当たる距離で打撃戦を続けることはない。

その一方で組みを狙い過ぎて、頭が動かない場面も見られるので、福田は効かすパンチを入れるチャンスがエレンガイポフの組み狙いのなかで訪れるに違いない。

いずれにしてもレスリングとフロント系チョークが見事に調和され、エレンガイポフMMAというべき完成されたスタイルを切り崩すのは簡単ではない。それでもパンチを散らし、エレンガイポフの踏み出しにコンマ数秒でもラグを生じさせることから、福田の勝機は広がってくるだろう。

逆にテイクダウンを奪われた時は、無暗にスクランブルに持ち込まないこと。特に序盤は一旦、背中をキャンバスにつけて落ち着かせた方が良いぐらいの割り切りが欲しい。がぶりからでも取り切るエレンガイポフのフロント系のチョークはそれだけ危険だ。

なお、両者は既に計量を終えており──セレモニアル計量ではなぜか体重が読み上げられることなく、フェイスオフ。そして、これも我々からすると不思議なことだが王者エレンガイポフだけにインタビューが行われていた。

同大会のコメインではNAIZA FCフェザー級王座決定戦=ヌルベク・カブドラフマノフ✖ムハメド・エミノフを差し置いて、中村真人がUFCを1勝6敗でリリースされたザルガス・ズマグロフと対戦する。

ズマグロフはUFC時代とヘアースタイルが変わっており、ベニー・ユキーデ──あるいは李玉秀(リー・ガクスー)のような風貌になっている。そのマズグロフ、UFCではコレといった印象を残すことができなかったように、中村も組みを切って打撃を入れるスタイルで勝利があるはずだ。ただしズマグロフのフィジカルがUFCの時と違いカザフバージョンとなっているのかどうかは、気がかりだ。

■視聴方法(予定)
11月6日(水・日本時間)、
午後7時00分~ NAIZA TV

PR
PR

関連記事

Movie