【ONE FF40】連勝をかけたハンセン戦へ。リカルド・ブラボ「MMAグローブは自分に合っている」
【写真】試合直前の練習ではパンチはもちろん、鋭いヒジ・ヒザを繰り出していたブラボ(C)TAKUMI NAKAMURA
10日(金・現地時間)タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fights 40。リカルド・ブラボがONE2戦目を迎え、ノルウェーのオリバー・ハンセンと対戦する。
text by Takumi Nakamura
ブラボはアルゼンチン出身・日本在住のキックボクサー。現在はウィラサクレック・フェアテックスに所属し、8月のONE Friday Fights 30では現役のルンピニースタジアム認定ミドル級王者デンパノム・プラン26をKOして、鮮烈なONEデビューを果たした。連勝をかけたハンセン戦に向けて、ブラボは「僕はアルゼンチンだけど日本代表として戦う」と語った。
――ONEデビュー戦となった8月のONE Friday Fights 30では現役ルンピニー王者のデンパノム相手に見事なKO勝利を収めました。あの試合を振り返ってもらえますか。
「初めてONEに出て、初めてのMMAグローブの試合だったから、色々と“凄かった”という感想ですね。対戦相手もルンピニーの現役チャンピオンだったし、その相手をKOできたこともうれしかったです」
――ルールや相手も含めて楽な試合ではなかったと思いますが、どんな準備をして試合に臨んだのですか。
「いつも通りでしたね。フィジカルを作って、ボクシングをやって、ムエタイの練習をやって、100%の状態で戦うことができました。試合に関しても、大会はONEでしたけど、いざリングに上がってしまえば、いつもと同じでしたね。僕は誰が相手でも強い選手と戦うことを想定しているから、そこも変わらないです」
――見ていて印象的だったのがMMAグローブでも普段と変わらない動きをしていたことです。MMAグローブ用にどんな練習をしていたのですか。
「MMAグローブでミットはやっていたんですけど、ONEのMMAグローブは薄いので、あのグローブで普段通りの練習をやると、練習の段階で怪我すると思ったんです。だから通常のボクシンググローブでミットをやって、MMAグローブは感触を確かめるくらいにしていました」
――MMAグローブでのスパーリングや対人練習はどうでしたか。
「スパーリングはやらなかったですね。同じ階級の選手も含めてMMAグローブでスパーリングするのは危ないので、そこ(対人練習)もボクシンググローブでやっていました」
――では実際にMMAグローブで相手とコンタクトするのは試合が初めてだったんですね。
「初めてMMAグローブで殴って、殴られたのは試合の時が初めてでした(笑)」
――ぶっつけ本番だったとは意外です。
「最初に相手のジャブをもらったときに、これで殴られたらやばいぞと思って。でもやっていくうちに徐々にMMAグローブの距離感が分かってきて、そこからは自分のペースで試合ができましたね」
――序盤はデンパノムに右ミドルと離れた間合いからのパンチがやりにくそうでしたが、そこはいかがでしたか。
「相手がミドルを蹴ってくるのは分かっていたので、それを我慢して距離を詰めてパンチで倒そうと思っていました。僕は自分のパンチが一発当たれば倒せる自信があるし、最初にジャブをもらった時に痛いと思ったくらいで、それ以降は自分のイメージ通りでしたね」
――実際にMMAグローブで戦ってみて、パンチは当てやすかったですか。
「そうですね。MMAグローブでやってみた感想はブロッキングの難しさ。しっかりブロックしていても、少しでも隙間があったらパンチが当たるんですよね。僕はパンチ力にも自信があるから、かすったくらいでも効かせることができるから、MMAグローブは自分に合ってますね」
――ブラボ選手は以前からONEで試合をしたいと話していましたが、正式にONE参戦が決まった時はどんな心境でしたか。
「僕は17歳の時にアルゼンチンから日本に来て、新日本キックボクシング協会でベルトも獲ったけど、もっと色々やらないとダメだなと思って。家族のために稼ぎたいし、一番強い選手になりたかったら、一番強い選手と戦わないといけない。僕はそれがONEだと思っていたから、今年はONEに行くための準備をしながら、ウィラサクレック会長やマネージャーともONEに行きたいという話はしていました」
――今立ち技の選手たちがONEに集まりつつあり、ONEが世界の頂点を争う場だと感じていますか。
「はい。キックボクシングとムエタイで言えばONEが世界一だと思うし、世界一になるためにはONEのベルトを獲らなきゃいけないと思っています」
――8月に続いてのONE参戦が決まり、ノルウェーのオリバー・ハンセン選手と対戦が決まりました。
「もともと11月10日の大会で試合することは決まっていて、なかなか相手が見つからなくて、試合があるかどうか心配だったんですよ。でもライト級(77.1kg)は選手数が多くないので、そこはしょうがないと思うし、最終的にハンセン選手に決まってよかったです」
――前回はタイ人選手で、今回は欧米選手との対戦になりました。欧米選手ならではのフィジカル・パワーにはどう対応しようと考えていますか。
「写真や映像を見ると、かなり身体が大きい選手だなと思いました。デンパノムはテクニシャンだったけど、ハンセンはパワーと一発に気を付けないといけないですね。だから今回はパンチのディフェンスに力を入れてやっています。ただ、恐怖心があるわけじゃないし、僕も自分の一発が当たれば倒せると思っているから、殴られたら殴り返す。今回も倒すつもりでいきます」
――ブラボ選手の常にKOを狙う姿勢はONEで戦うようになっても変わらないようですね。
「僕は自分や家族のために戦うけど、お客さんのためにも戦っています。特に70kg以上の階級でKOしないとつまらないじゃないですか。僕も3~4年前はそんなにKOが出来てなくて、あとで自分の試合映像を見たときに『俺の試合ってつまらないな』と思ったんです。それから自分の考え方が変わって、常にKOを狙って戦うようになりました。KOを狙えばリスクもあるし、怪我する可能性もあるけど、それは試合のあとに考えればいいし、試合中は倒しに行きます」
――ONEでベルトを目指す場合、ライト級(77.1kg)になりそうですか。
「そうですね。今はまだキャッチウエイトの75kgで試合を組んでもらっているんですけど、来年からは本格的にライト級でやっていくつもりです。日本の大会の話も出ているので、日本大会にはライト級でやりたいです」
――ブラボ選手のコメントにもあった通り、チャトリCEOは2024年のONE日本大会開催を明言しています。日本大会に出たいという想いはありますか。
「今僕はONEと契約して海外で試合をしているから、日本で試合をする機会がほとんどないんですよ。できれば年1回はONEの日本大会を開催してもらって、日本のファンの前でも試合がしたいです」
――ブラボ選手は日本に対して特別な思い入れはありますか。
「僕はアルゼンチンから日本に来て、ずっと日本に住んでいるから、自分のことを日本人だと思っています。日本では格闘技だけでなく色んなことを学んだし、僕はいずれアルゼンチンの家族を日本に呼びたいと思っていて、そのために頑張っています。それだけ日本に感謝の気持ちあるし、日本を背負って、日本代表として戦います」
――それではブラボ選手がONEで活躍する姿を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。
「相手も強いので勝てるかどうかはは分からないですが、僕はいつものように倒しに行きます。タイまで試合を見に来ることが難しいと思うので、ぜひABEMAで僕のことを応戦してほしいです」
■放送予定
11月10日(金・日本時間)
午後9時30分~ABEMA格闘チャンネル
■ONE FF40対戦カード
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジャオスイヤイソー・ソー.デッチャパン(タイ)
パイダン・ゲッソンリット(タイ)
<ムエタイ120ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー.デッチャパン(タイ)
ペイマン・ゾルファガリ(イラン)
<ムエタイ123ポンド契約/3分3R>
ペットパイリン・ソー.ジョー・トンプラチン(タイ)
ブムジャイタイ・モー・トー1(タイ)
<ムエタイ113ポンド契約/3分3R>
クンスック・ソー.デッチャパン(タイ)
デットプーパ・チョット・バンセーン(タイ)
<ムエタイ122ポンド契約/3分3R>
ヤンダム・ジットムアンノン(タイ)
メヘルダド・ハンザデー・ゴレータペ(イラン)
<ムエタイ110ポンド契約/3分3R>
ノンアム・フェアテックス(タイ)
ペットチュムペー・ハイランド(タイ)
<ムエタイ165ポンド契約/3分3R>
リカルド・ブラボ(アルゼンチン)
オリバー・ハンセン(ノルウェー)
<ムエタイ126ポンド契約/3分3R>
ハビエル・ゴンザレス(スペイン)
オマール・ハラビ(レバノン)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
サミンダン・ルクスアン(タイ)
フアム・フェリペ・モライス・カルダス(ブラジル)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
サミンヌム・M・エチャット(タイ)
パルハム・ゲイラティ(イラン)
<MMA・バンタム級/3分3R>
イヴァン・パルシコフ(ロシア)
ベン・ロイル(英国)
<MMA・フライ級/3分3R>
クーパー・ロイヤル(豪州)
エリー・フェルナンデス(フィリピン)