【Gladiator023】テムーレンに挑戦、竹本啓哉「ずっと組む必要はない。組んで、離れてを繰り返して―」
明日29日(土)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR023のメインでテムーレン・アルギルマーの持つGladiatorバンタム級王座に、竹本啓哉が挑む。
Text by Manabu Takashima
計量失敗で失ったタイトルを取り戻す一戦だが、グラジエイターを巡る環境が大幅に変わり、バンタム級ではモンゴル人がチャンピオンに君臨している。この状況を喜び、さらなる国際戦を望む竹本は――テムーレンを倒すために、一心不乱にとある動きを繰り返していた。
──試合まで1カ月を切りましたが、体調の方はいかがですか(※取材は5日に行われた)。
「好調です。大変、好調です」
「プロ練のようなモノはなかなかなかったので、ありがたいです。春日井(たけし)さんがやってくれて。僕自身は今回の試合に向けて、参加するようになったのですが。今回はタイトル戦で、もう一度ベルトを巻きたいというのがあって。タイトルマッチと決まってから、思っていた以上に勝ちたいんだなって。今までも勝ちたかったのですが、今回は特に勝ちたいです。
試合が決まったのが7月末、6月の試合が終わって1カ月しっかりと休んでいたので、このタイミングで出来て良かったです。最初の予定だと、12月になって休みが長くなってしまうので。9月になって良かった。まぁ12月じゃないんで分からないですけど(笑)」
――テムーレンと対戦するうえで、彼と神田選手の2戦目があったことが、最初の試合だけよりも勝機が広がったと思えますか。
「勝機は広がったと思います。1試合目は神田君が投げられて、抵抗できなく投げられるのかと思っていました。ただ2試合目で神田君も対応できていて。それができるなら大丈夫、かなり勝機はある。2回目を見て、そう思いました」
――それでもスクランブル戦を制していた点については、どのように思いますか。
「まぁあの展開は得意なんでしょうね。僕はあの展開はやらないです。やるべきことは、かなりいつも通りになってしまうのですが決めています。やるべきことをやる感じです」
――今日の練習をみるとシングルレッグから、シングルバック。トラックポジション、そしてツイスターという動きを徹底的にやっていました。あれが狙いなのですね。
「あれが狙いです(笑)。だから……映像では(The1TVの収録が同日に行われた)さりげなく1回だけ使ってください。撮影があったのに、ずっと仕掛けていて、『しまった』と思いました。なので、透暉鷹選手に外されたところを使ってください(笑)」
――ハハハハ。あの動きはテムーレンを研究して、狙うべきところだと決めたのですか。
「四つ組みはかなりの確率で投げが来るので。頭を内側にする組みは良くないと判断しました。まぁ、それでバックを取れれば一番なのですが、その動きはやり過ぎているのでいつでも出ます。その他にプランを用意しておきたかったので、この組み立て方を考えました」
――払い腰、内股、あの思い切りの良さが、想定以上という可能性もあります。
「階級の大きい人と結構やってきたので、触ってみて無理そうだと離します。その辺りの感覚は掴んでいるので。組み合ったところで勝負する必要はないから、ずっと組む必要はなくて。組んで、離れて――を繰り返しても構わない。距離を使って、自分だけ有利なところで組もうと思います」
――打撃が粗いので凄く有効かと思うと同時、打撃を一発食らった時にこれまでにない威力を感じて、なお自分の組みができるのか。その辺りはどう考えていますか。
「でも踏み込んできてほしいです。そこを取りたいので、リスクはありますが――来てほしいです」
――組まれないための打撃を使い、組みに付き合わない戦いをテムーレンがやってくると?
「いつも用意していて、使わないで終わっているんです。だから実行したことがないので、どれだけの精度があるのか。でも、前手の練習はしっかりと練習しています。それで下の圧力もかかるだろうし。
僕、思われている以上に打撃をやっても構わないんです。結果、組むことになっているだけで。ジャブを通して、行こうかと……。KOする練習をしているかと言われると微妙なんですけど、距離を制する練習は凄くしています。でも組んで勝ちたいかな(笑)。良い形で組めると、勝てると思っているので(笑)」
――打撃を使うというグラップラーの試合前の言葉は、ほぼほぼスルーだろうと思っていると、自分で否定してしまいましたね(笑)。ただし、打撃の練習をしているならいざという時の精度は違うかと思っています。
「そうですね。僕、土肥潤選手が好きなんです」
――えっ? 突然すぎますが……聖帝、潤選手ですね。今はグラップリングに転じた。
「ハイ。2度負けて、体感として強いことを知っています。もうMMAを辞めたのですが、今度は勝ちたいと思ってきたんです。でも、土肥選手のように打撃なしで組みに行くと……貰って、そうなってしまいますよね。でも愛しいです(笑)」
――殴られないで組む、そのような距離設定……分かる人は分かるけど、いよいよ会場が静まりかえる。そして、そうなると竹本選手の勝機が広がってくるかと。
「あぁ、そうですね。そうだと思います。正直、会場が静かになるのはしょうがないと思っています。でも僕はMMAの中のグラップリングに感動したので、僕みたいなヤツが喜んでくれて、見たことがない人が『なんだ、これは??』って思ってもらえると嬉しいです。
分かる人は分かるという試合をやっていることは申し訳ないですが、この道を選んだ時から、観客席が静かになることはしょうがないと考えてきました。それを変えようとは思いません。自分のやるべきことをやります。
なにより今回のテムーレンや、強い選手に自分の試合をやって勝つと、これが何か分かりたいと思ってくれる人が増える……そうなってほしいです。組み技は面白いので、組み技を好きになって欲しいです」
――ベルトを取り戻した後は、どのようにキャリアアップを考えていますか。
「ここ最近、フィリピン、モンゴルと日本国籍でない人と戦うことが増えました。そういうの、良いですよね。日本人じゃない人、日本でないところで試合がしたいです。そういうのに興味があります。色々なところで、色々な人と戦いたい。文化圏が違うところで、試合をやってみたいです。
グラジが海外の選手を呼んでくれるようになって、本当に嬉しかったです。そういう選手とどんどんやりたいと思っていたのですが、立場上言えなかったです。ここで勝つと、それをハッキリと言えるようになります。そうなりたいです」
■視聴方法(予定)
9月30日(土)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル
■ Gladiator023対戦カード
<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
坪内一将(日本)
<フライ級/5分2R>
陸虎(日本)
古賀珠楠(日本)
<ストロー級/5分2R>
澤田政輝(日本)
三輪勇気(日本)
<フェザー級/5分2R>
水野翔(日本)
野口蒼太(日本)
<ライト級/5分2R>
秋岡翔(日本)
磯嶋祥蔵(日本)
<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]テムーレン・アルギルマー(モンゴル)
[挑戦者]竹本啓哉(日本)
<Gladiatorフェザー級王座決定T決勝/5分3R>
パン・ジェヒョク(韓国)
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級暫定王座決定T決勝/5分3R>
森戸新士(日本)
世羅智茂(日本)
<フェザー級/5分3R>
河名マスト(日本)
ユン・ダウォン(韓国)
<フェザー級/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
ハンセン玲雄(日本)
<ミドル級/5分3R>
藤井章太(日本)
イ・イサク(韓国)
<ライト級/5分3R>
八木敬志(日本)
エフェヴィガ雄志(日本)
<Progressフォークスタイルグラップリング60キロ契約/5分2R>
NavE(日本)
前田吉朗(日本)
<バンタム級/5分3R>
藤原克也(日本)
川北晏生(日本)
<フライ級/5分2R>
和田教良(日本)
梅川毒一郎(日本)
<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
高木亮(日本)
<ウェルター級/5分2R>
森井翼(日本)
阿部光太(日本)
<バンタム級/5分2R>
エダ塾長こうすけ(日本)
宮口龍鳳(日本)
<バンタム級/5分2R>
吉田開威(日本)
空(日本)
<バンタム級/5分2R>
南友之輔(日本)
小松祐貴(日本)
<アマ・フライ級/3分2R>
向井琉綺弥(日本)
伊藤琥大郎(日本)