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【DEEP115】チェ・ジュンソ戦へ、鈴木槙吾―02―「『殺す覚悟』と『殺される覚悟』」

【写真】ミドル級のボディを創り上げてきた鈴木(C)TAKUMI NAKAMURA

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115では、今年2月に続きDEEPと韓国BLACK COMBATの対抗戦が行われる。チェ・ジュンソと対戦する鈴木槙吾のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ミドル級契約でチェ・ジュンソと対戦することになったDEEPウェルター級王者の鈴木は、当初この対抗戦に乗り気ではなかったという。しかし、やると腹を決めたからには、覚悟を持ってケージに入る。目指すは完全決着のみだ!

<鈴木槙吾インタビューPart.01はコチラから>


――阿部選手を下した試合では、サッカーボールキックからギロチンを取りました。あの状態で蹴りに行ったのも本能だったのでしょうか。

「いえ、そうではないんです。1Rにダウンを奪った時は抑え込んで殴りに行ったんです。でも『DEEPルールだから、蹴りに行けば良かった』と思って。だから2Rにダウンを奪った時は蹴りました。普段からサッカーボールキックの練習をしているわけではないので、すごく蹴り方はヘタでしたけど」

――さすがに普段からサッカーボールキックの練習をするのは難しいと思います(笑)。DEEPウェルター級のベルトを獲ってから7カ月の間、プロレスにはコンスタントに出ていたわけですよね。今の鈴木選手にとってMMAとプロレスでは、どちらのほうが優先順位は高いのでしょうか。

「どちらも好きなので、どちらもやっていきたいです。ずっとプロレスには出ていたので、今回はMMAであっても『間隔が空いたなぁ』と思うことはないですね。タイミング次第で、どちらも出ていきたいと思っています」

――ではMMAに関して阿部戦の次は、どのような展開を考えていましたか。

「分かりやすいところでいえば、RIZINさんから話があるかなと思っていました。でも僕は知名度もないし、実力以外の部分ではRIZINさんから声が掛かることはないだろうと自分で勝手に考えていて。今は『運が良ければ……』ぐらいにしか考えていないです」

――とはいえ阿部選手は鈴木選手に敗れたあと、今年7月にはRIZINに出場しています。

「そうですね。でも『自分は阿部選手に勝ったのになぁ』と思うようなことはないです(笑)。タイミングや対戦相手など、いろんな兼ね合いがあるでしょうから。僕にとっては舞台がどこであろうと、『この選手は強い。対戦したい』って思うことが重要なので」

――そんななかで韓国MMA団体のBLACK COMBATとの対抗戦に出場することとなりました。最初に対抗戦の話を聞いた時は……。

「まずBLACK COMBATについて、あまりよく知らなかったです(苦笑)。今年2月にDEEPと対抗戦をすると聞いた時に、BLACK COMBATのことを知ったぐらいで。でもその対抗戦の結果(DEEPの2勝3敗)を見て、『強い選手がいるんだな』と思いました。ただ、YouTubeを視ても全て韓国語なので、どういうことをやっているのかは全く理解していないです(笑)。

最初に対抗戦出場のお話を頂いた時は正直、自分としては乗り気ではなかったです。先ほど言ったとおり、僕は強い相手と試合をしたいので。ここであまり分からない選手と対戦するのは――と。でも2月にベルトを獲って、年内にもう1試合したいと考えていました。タイミングとして9月は悪くないですし、対抗戦に出場することを決めました。そう腹を決めたら、あとは自分のMMAをするだけです」

――対抗戦の相手であるチェ・ジュンソの印象を教えてください。

「若くて強い相手だなと思います」

――チェ・ジュンソの過去の試合を視ると、殴り勝つことが多いです。ご自身と比較して、いかがでしょうか。

「自分とは違うタイプですよね。彼は一方的に殴る感じじゃないですか。僕も昔は殴り合いをしていましたが、MMAの試合が4年半も空いた間に違う感覚が生まれていまして」

――というと?

「結果的に殴り合ってはいるのですが(笑)、その中でもMMAができるようになってきたと思うんです。自分の中で新しい感覚が生まれてきたにも、ラウェイでSBの坂本優起選手と対戦した時でした。ラウェイも立ち技だから、自然と殴り合いにはなります。でも以前のような殴り合いとは感覚が違っていて。僕の中でいろいろな幅が広がってきたのは、プロレスのおかげだと考えています」

――プロレスを経験することにより、何が一番大きく変わったのでしょうか。

「プロレスと格闘技は全然違うものですが、お客さんの前に立って自分を見せることは同じじゃないですか。それって本当に特別で、独特な空間だと思うんですよね。コンスタントにプロレスをすることによって、その空間に慣れたことが一番大きかったんじゃないかと考えていますね」

――なるほど。最後に一つお聞きしたいのですが、今年2月の阿部戦は、阿部選手有利という予想が多かったと思います。鈴木選手はその予想を、どのように受け止めていましたか。

「もう9-1ぐらいで阿部選手が有利だと思うでしょうね(笑)。僕自身は全然気にならなかったです。これは自惚れかもしれないけど、僕は世界中の誰と対戦しても自分が勝つ可能性はあると思っているので。それこそ試合当日に、自分の心技体の歯車が嚙み合っていれば――その状態まで持っていけるかどうか、あとは自分次第なんですよ。

僕は今、試合前に必ず考えることがあります。それは『殺す覚悟』と『殺される覚悟』です。毎回その2つの覚悟を持って試合に臨んでいます。自分は絶対に勝てると思っているけど、それでも勝てないという現実もあって。その覚悟を持てるようになったのも、4連敗を喫した時ですね。結果が出ない、だから自信を持てないという時期もありました。でも今は覚悟が違います。諦めない、誰が相手でも勝つ――次の試合も完全決着です。そして必ず、僕がフィニッシュします」

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115計量結果

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ:108.40キロ
ヤン・へジュン:108.1キロ

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理:70.1キロ
イ・ソンハ:70.15キロ

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一:61.05キロ
ユ・スヨン:61.10キロ

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里:47.45キロ
パク・シユン:46.95キロ

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾:83.8キロ
チェ・ジュンソ:84.0キロ

<フェザー級/5分3R>
青井人:65.8キロ
シン・スンミン:65.90キロ

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大:57.1キロ
キム・ソンウン:57.15キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.55キロ
木下尚祐:61.6キロ

<フライ級/5分2R>
杉山廣平:57.0キロ
KENTA:57.05キロ

<ライト級/5分2R>
涌井忍:70.7キロ
倉本大悟:70.7キロ

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ:57.1キロ
亀田一鶴:57.2キロ

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬:67.9キロ
菅涼星:67.60キロ

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