【UFC293】高い防御力と強いプレスでアデサナニャを封じ込めたストリックランドが新世界ミドル級王者に
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
ショーン・ストリックランド(米国)
Def.49-46.49-46.49-46.
イスラエル・アデサナニャ(ニュージーランド)
アデサナニャがいつもの構えでケージ中央へ。ガードを固めたストリックランドがプレスをかける。オーソドックスからサウスポーにスイッチしながらサークリングするアデサナニャは、再びオーソドックスに戻した。アデサナニャのロー、前蹴りを捌くストリックランド。しかしアデサナニャのフェイントに対し、距離を詰めることができない。アデサナニャの左カーフがヒットする。ストリックランドの左ジャブをスウェーでかわしたアデサナニャが、左ジャブを突きながらサークリングし、右カーフを蹴ってケージ際から離れた。
アデサナニャの左ミドルをキャッチしたストリックランドだが、テイクダウンには行かない。パンチで勝負しようとするストリックランドに対し、アデサナニャは距離を取りながら蹴りを散らす。ローからパンチに繋げたいストリックランドだが、アデサナニャを捕まえることができない。しかし残り1分半で右ストレートを当てたストリックランドが距離を詰めていく。アデサナニャは下がりながら蹴りを繰り出す数が増えている。
そのままアデサナニャがストリックランドの前進を捌こうとするも、ストリックランドの右ストレートが炸裂! ダウンしたアデサナニャにパウンドを浴びせる。立ち上がったアデサナニャをケージに追い込みパンチを連打して初回を終えた。
2R、アデサナニャはオーソドックスに構える。左ジャブと右ローを散らしてストリックランドの様子をうかがう。プレスを止めないストリックランドはアデサナニャにケージを背負わせ、左ミドルハイから追い詰めていく。アデサナニャは徹底したローとジャブ、時おりストレートを繰り出す。アデサニャの前手を抑えながら、蹴りのフェイントとともに距離を詰め続けるストリックランド。アデサニャは右カーフキックを当てるも、ストリックランドのプレスを止めることができない。
アデサナニャの右はストリックランドの顔面に届かず。アデサナニャは手数を増やし、ストリックランドのパンチをヘッドスリップでかわしている。とはいえ決定打のないアデサナニャに対し、前に出ているのはストリックランドだ。アデサナニャは右ストレートをボディに伸ばす。ストリックランドもアデサナニャの右クロスを受けながら、右ストレートを振っていく。終了間際にアデサナニャがケージ中央へ押し返すも、ストリックランドのパンチをかわすのがやっとだった。
3R、アデサニャの左ミドルハイをストリックランドがブロックする。ケージを背負う展開が続くアデサナニャも左ストレートを伸ばすが、ストリックランドがパーリングで弾く。アデサニャがワンツーからケージ中央に戻した。左ストレート、左ハイと仕掛けるもストリックランドのディフェンス力が高い。ストリックランドにも決定打はないが、右前蹴りでアデサナニャにケージを背負わせ、左ジャブで追い続ける。
アデサナニャの右カーフに替わらず距離を詰めていくストリックランド。右ストレートで下がらせ、アデサナニャのパンチのインサイドからストリックランドもパンチを打ち込んだ。さらに左ジャブから詰めていくストリックランドが、左フックを当てた。ジャブ、ジャブ、右ストレートを繰り出すストリックランドに対し、アデサナニャの攻撃は右カーフキックが中心に。残り30秒になるとストリックランドが攻める構えを見せたが、アデサナニャが距離を取り続けた。
4R、アデサナニャが左ジャブを突き続ける。しかしストリックランドを止めることはできない。するとアデサナニャが左ミドルを繰り出すも状況は変わらず。ストリックランドにもクリーンヒットは少ないが、とにかく前に出ているのはストリックランドだ。アデサニャの左の蹴りにストリックランドが左フックを合わせる。さらに右を当てたストリックランド。アデサナニャの右アッパーにフックを被せたストリックランドは、そのままパンチを浴びせていく。ケージ際を離れてケージ中央に戻るアデサナニャだが、すぐにケージを背負わされてしまう。
ストリックランドがパンチの連打で追い詰めると、アデサナニャもガードはしているもののペースが落ちた。パンチと前蹴りで追うストリックランドは、アデサナニャが距離を詰めるとボディロックで組みついた。ここはすぐにアデサニャが離れたが、その後もストリックランドが追い続ける。ガードを固めて『来い、来い」とアデサナニャを挑発するストリックランドが優勢のまま試合は最終回へ。
最終回、アデサニャは右カーフからサークリングする。互いに蹴りを出し合うなか、徐々にこれまでのラウンドと同じく、ストリックランドがアデサナニャをケージに押し込んでいく。この展開に場内からブーイングが起こるように。残り2分半でストリックランドがワンツーを伸ばした。アデサナニャも手数を増やすも、全てストリックランドに防がれてしまう。そしてストリックランドのパンチの回転が増し、右ストレートもヒットする。雄たけびを挙げながら前進し続けるストリックランドに対し、アデサナニャは下がるしかなかった。
裁定はユナニマスでストリックランドの勝利。オクタゴン10年目の初挑戦で初戴冠となった。